JCIP化で微妙に変わる経審記入法

今、経審の資料絶賛作成中です。
法律と言うよりは手引書がすべてのジャンルなので、期間中隙あらば見るようにしてます。
この手引書、細かいルールが管轄ごとに違います。知事許可は都道府県ごとに47通りあると思えばいいのですが、大臣許可も地方整備局ごとに違います。地方整備局8つと北海道と沖縄。
で、自分の提出先は関東地方整備局です。

さて、どのくらい違うかというのは、手引書を全国制覇してるわけでないので簡単にですが、たとえば技術職員名簿の並び順が
・関東地整、近畿地整など:生年月日の若い人順
・北陸地整、九州地整:氏名の五十音順
・沖縄県:標準報酬通知の番号順
このくらい違います。関東の意識で福岡県本社の会社を提出したら、補正どころか全部出し直しの憂き目にあいます。
そして、今年1月からJCIPという、建設業関連の電子申請制度がスタートしたわけですが、これに伴い様式変更とか、書き方が微妙に変わってきています。関東地方整備局手引きを対象に調べてみました。(なお、改正前は自分の記憶ベースなので、若干異なってるかもしれません)
https://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000847135.pdf

JCIPでは合格証番号を書けば一部の資格証添付が不要になる仕組みが導入されましたが、今回はJCIP関連ではなく、紙申請でも対象になってる部分を中心に書きます。なお、手引き引用は『』にします。
(1)契約書に当期工事高をメモる必要がなくなりました
※以下、メモ=手書きもしくはAcrobatによる文字入力を余白に記入。の意味です。
工事経歴書に書いてるんだから、わざわざそれまた書くの??と思ったら、記載が消えました。増減額の変更契約がある場合は、増減額及び最終の税抜請負額をメモった方がよさそうです。
(2)法人税確定申告書別表16が新たに添付対象になります(特定の場合)
手引きの利益額確認方法の欄に、以下の文章が書かれています。
『減価償却実施額に計上した金額を確認するため、計上した金額欄にマーカーを引き、余白に計算メモを記載してください。』
PLの販管費に減価償却額があって、そのまま申請してる場合は、そこにマーカーで終わりですが、一致しない会社ってあると思います。
そうなると、経営状況分析で提出した別表16を経審でも添付する必要があります。ワンスオンリーはどこに行った。(それを言ったら直3もそうだが)
(3)標準報酬通知には、技術職員だけでなく、建設業経理等々、全部番号を振ってメモれ(=経理合格証にも番号をメモれ)
これは去年と大きく書き方が異なります。それまでは技術職員名簿だけを〇ページ〇番(実際は8-04とか)と書き、建設業経理は「経理」とだけ書くことになってました。(技術職員かつ建設業経理は両方併記)
それが、
『余白に技術職員名簿等の通番を記載すること。 (例) 1-15,2-8,3-6,20-1,経-2,経-5,C-3,技-4 等』
となりました。
建設業経理は、元々人数だけ書いて合格証を束ねて提出で終わりでしたが、その並び順に番号を振って、標準報酬通知にメモれって話になります。
なお、一部の地方整備局では、建設業経理士の番号付き一覧表を添付させてるようです。(関東地整にはない)
(4)技術職員の合格証等(CPD証明書も)は名簿番号メモが必須化
誰か暇なヤツが去年やってたのでしょうか、特に明示がなくても合格証に名簿番号メモって出したら『・添付する確認資料(合格証等)には、余白に技術職員名簿の通番を記載すること。』となりました。必須だとやりたくなくなるのは何故でしょう?
あと、CPD証明書にも名簿番号等のメモが必須化されてます。
(5)技能者のレベル上げ確認用に、基準日をまたいだすべての工事の作業員名簿を提出
今の会社は技能者がいません。施工管理のみです。なんでこれ自体は今やってる作業の対象外です。
が、レベル上げは全体技能者数の中の比率で計算されるため、その全体が何人いるかを把握したいからだと思うんですが、すごくあっさりと『・作業員名簿は、審査基準日において施工中(稼働中)のものすべてを提出すること。 ・作業員名簿には「氏名、生年月日、年齢、職種」が記載されていること。』て、とんでもないことが書いてあります。
これ、やばくないですか?

まとめ:
・添付するエビデンスが増えてます
JCIPで一部資格証添付省略で枚数が減る形にはなりますが、法人税別表16と技能者の作業員名簿(期マタギ全部)を代表に、添付が増えます。電子申請化するとチェックを強化するという、CALS時代から一貫して行われている、役所の悪い癖ですね。
・なんでもリスト化、メモがその分増えます
デジタル申請とは、リスト化だっ!て誰かが考えたのでしょうか。それとも、チェックする人の負担を減らす方法と考えたのでしょうか。いろんなとこにメモする必要が出ました。減ったのは契約書の部分だけですね。
ぼくは昔から私費でacrobat契約してましたが、行政書士で開業したら立派な経費です。photoshop契約も、CCUSの技能者登録で大活躍することでしょう。adobe税万歳。

今の会社は12月決算なので、今時期にやってます。
3月決算の会社が多いだろうと思います。そしたら6~7月くらいに手引きを見るだろうと思います。その時に、これを見て驚愕してください。
なお、当事務所では、基本料金+従量料金の方式で経審報酬を設定しますが、従量料金の部分は、標準報酬通知を確認する人数、すなわち、技術者・技能者・建設業経理の合計から重複分を除いたものとしております。
そのチェック・申請用のメモに多くの時間を割いてるんだよっていう意味も、この記事にこめてあります。
業績が大きいけど建設業部分はそれなりって会社もあろうかと思います。そういう会社にはずいぶんお得な料金設定となってますので、よろしくお願いします。
少々宣伝入りましたが、この辺で。

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