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【はじめてのIT勉強会】 コロナ禍に書き換わる、音楽シーンの力学。

【この記事は「はじめてのIT勉強会アドベントカレンダー」参加記事です】

はいみなさん、こんにちは!わたくし、あけまつしんじと申します。
以前は、はじめてのIT勉強会でも何度か喋らせて頂いたりだとか、(もうだいぶ前の話ではあるのですが)大変ご無沙汰しております。

今年はいろいろありましたね。

はじめてのIT勉強会で何度かお話をさせていただいたりなんかしていた頃から、もうすっかり時間が経ちました。この期間の中で私個人を取り巻く環境もガラッと変わりました。4年以上やっていた「高専塾」の運営からも引退し、東京と仙台を1週間に何度も往復しながらやっていたAI入門講座も、だいぶ本数を減らし。今はと言うと、専門学校でAIの講師をやらせて頂いたりとか、書籍執筆、AI関係やら何やらのコンサルティング、社会人向けプログラミングの新人研修、Youtuberなど、数え始めるとキリがないことを未だにやらせていただいていて、感謝感謝です。。。(ありがとうございます)

んでもって、世の中的にも今年はとんでもなく大きな出来事があった...というか、未だに続いていますね。新型コロナウイルスの感染拡大です。

教育のオンライン化

僕は教育畑の人間です。塾での授業も、社会人向けの研修も、ずーっと「対面授業」が当たり前の世界の中で行われていましたが、この未曾有のパンデミックによって、一気にオンライン化が進みました。

実は今までも、「教育のオンライン化」について語られることは多かったんです。例えばすっかり有名になったスタディサプリなんかは、オンラインならではの利点を最大限活用して、圧倒的安価で最高クオリティの授業を誰もが受けられるという、現代を象徴するブレイクスルーであったと思っています。

しかしながら、教育業界には対面授業至上主義がありました。
・対面授業じゃないと熱量が伝わらない(精神論やん!)
・対面授業じゃないとサボる学生が多い(対面でもサボる奴はサボるわ!)
なんていうよくわからない理由で、教育のオンライン化を拒む人たちが常に一定数いて、なかなかオンライン教育がうまく浸透することはなかったんです。しかし、このコロナ禍によって、そこも「強制的に」進んでくれたのかなぁと思っています。

今になって思うことですが、「オンライン授業」は「対面授業の代替策」ではもはやなく、オンライン授業ならではの授業アイデアがどんどん生まれてきたり、あるいは逆にそれによって際立つ対面授業のメリットが見えてきたりだとか、皮肉なことにコロナ禍によって教育業界は「面白いことに」なったのだろうなぁ、と思っています。例えば、「通いやすさ」みたいなのを売りにしていた田舎の塾とか、「オンライン」によってもしかしたら淘汰されちゃうかもしれませんね。いいと思います。バチバチと淘汰をし合うくらいのほうが、教育業界は良くなっていくと思いますから。

僕はずっと、「教育はオンラインとオフラインのベストミックスを追求すべきだ」と主張をしていますが、これが奇しくも今回の出来事でがっつりと前進をしているのだろうなぁと思います。

あ、そういえばバンドはじめました。

教育のことを語りだすといつまでも語ってしまいそうですが、まぁこの話は今度このパンデミックが落ち着いた暁にでも、じっくりとはじめてのIT勉強会で語らせてください。

今日は音楽の話したかったんですよ。何でって、実は僕最近、バンド始めたんです。

↓↓↓ サブスク配信もしてるので、必ず1人100回ずつ聴いてください↓↓↓
https://magazine.tunecore.co.jp/newrelease/101092/

僕のバンド歴は、実は結構長いんです。東北大学に通っていたときからずっとやっているので、何だかんだで10年近くになるのかもしれません。一時期は音楽で売れるとかいって大学院やめて飛び出したこともあるくらい、なかなかに良くも悪くも音楽に人生をぐいぐい動かされています。

んで、この「SUISO(すいそと読みます)」というバンドは、実は僕が相方の月岡彦穂くんと一緒に、5年前に活動していたバンドです。当時は結局1年も活動しないままに事実上の解散をしていたのですが、奇しくもコロナ禍だからこそセッティングしたZoom飲み会で、酔った勢いで「もっかいやろうぜ」とお互いになぜかしれっと活動を再開してしまいました。

酔った勢いでやり始めた割に、今はオンラインの世界を主軸に、これ本業よりも忙しいんじゃないかというくらいにゴリゴリと活動をしています。

インディーズ音楽界隈の力学

僕はだいぶ昔に、ギター一本抱えて売れようとしていたことがありました。この仙台ですら、周りには同じようなインディーズミュージシャンがうようよしていて、彼らの活動のしかたは、大体ほぼ一致していました。

・とにかくライブハウスのライブイベントに出演する。
・お客さんを頑張って呼ぶ。
・そして、お客さんの中に偉い人が紛れ込んできて、「君ちょっとデビューしない?」と言ってもらえるのを待つ。

まぁ、「駆け出しミュージシャンなんてそんなもんだろうなぁ」という感じのやりかたですよね。僕もそんなもんだと心の底から信じていました。

本当に本当に、誰もがこのサクセスストーリーを夢見て、信じ切って、来るかもわからない未来に一縷の望みをかけて、お客さんなんて誰もこないライブイベントにせっせと出演をし続けていました。

実はこのストーリーは、結局の所 ライブハウスの売上が上がる+ミュージシャンは一方的にジリ貧になって行く 可能性が極めて高いやり方です。なぜなら、

・ライブイベントは結構な頻度で開催されていて、ライブイベント1本に出演すると、だいたいチケットノルマというのが10000円ちょっとくらい発生する。演者はそれをライブハウスに最低限上納しなければならない。
・演者は頑張ってチケットを手売りなどで販売し、その上がりを使ってチケットノルマをライブハウスに支払う。
・もしチケットが思ったよりも売れた場合、余剰分から一定のマージンをライブハウスに上納し、残った分は自分の収益になる。
チケットを売りきれなかったら、チケットノルマに足りない分は自分のポケットマネーから出す。
・これを繰り返す。

一見、「頑張ってお客さんを呼べば、チケットノルマを超えた上がりがでそう」な感じもするのですが、やってみるとわかります。めちゃくちゃハードルが高いです。

よく考えてみてください。まずもって、こういうやりかたで活路を探るミュージシャンは基本的に無名です。無名ミュージシャンですから、曲も無名です。んで、その無名ミュージシャンのライブを見に行くには、チケット代を支払い、ライブハウスまでわざわざ足を運び、1時間くらい拘束を受けなければならんのです。しかも、その間ずっと、知りもしない曲を聞き続けるんです。

誰が行くんだ!?これ!?笑

活動を初めてすぐの頃こそ、友達がなんとなく見に来てくれたりもするのですが、まぁそんなのすぐに限界が来ます。最初は見に来てくれていた友達も、あまりにも多すぎるライブのお誘いLINEがいつしか面倒になって、返信すらもくれなくなります。結局のところ誰もライブに来てくれる人なんていない、でも、ライブをやらないと売れない...どうしよう...どうしよう...こんなふうに、いつしか懐からは金だけがどんどん無くなって行き、それでも誰も客のいないライブハウスで演奏を続けている日々の中である時ふと気づくのです。

「俺、なにやってんだろう?」

こうして音楽をやめていく人を、僕は今まで何人かも数えられないほどに見てきました。というか、僕もそんな感じでした。辛いですよ。「お前になんて誰も興味はないぞ」と、無言の大衆が突きつけてくるあの感じ。

今書いた一連の流れを、僕はインディーズ音楽界隈の力学とか呼んでいます。

「オンラインを戦場にする」という発想

数年前からですよね。世の中にSNSが浸透しました。そして、Youtubeが浸透しました。音楽は、「オンライン」との親和性がものすごく高いです。なぜなら、

・どこからでもアクセスできる。
・何度でもアクセスできる。
・少なくともライブハウスでチケットを買うよりは安価に楽しめる(無料コンテンツがとっても多い)。

数年前からなんとなくこれに気づく人たちもいましたが、僕の観測する範囲では、あまりにも「今までのアナログな力学」の力が強すぎたせいで、そしてそれを信じすぎているせいで、このやり方を模索する人はほとんどいなかったように思えます。

そうなんです。往々にしてオンラインの新しいやり方なんてのは受け入れられるまでに時間がかかるものですが、インディーズ音楽シーンでも、それは同じように起こっていました

僕ね、実は5年前くらいに、なんとかこれをぶち壊せないかって頑張ったんですよ。でも駄目だった。長年かけて硬直しきったこの文化は僕一人がどうこうできるものでは到底なかったし、新しいやり方って否定されるんですよね。何一つ変えることなど出来ず、僕の精神力が限界を迎えてしまって、5年前、僕は音楽をやめました。

コロナ禍の音楽

ところが、突然こんな時代がやってきて何が起きたか。世の有名アーティストたちが、次々に

・楽曲配信(販売/サブスクリプション)
・MV、ライブ映像などのYoutubeでの公開
・オンライン生配信ライブ/プレミア公開ライブ

を矢継ぎ早にやりはじめたわけです。だって、ライブハウスでライブは出来ませんもん。世の中はこのパンデミックの中で抱える鬱屈とした感情やストレスを音楽で少しでも発散するために、「オンライン」の世界で音楽を求め始めたのです。

僕はなんだか、この「アナログな力学」が、これまた強制的にオーバーライドされてしまう世界が来たのかなぁ、などとワクワクしています。今まであれほど硬直しきっていた音楽シーンが、やっとリセットされようとしているのかもしれません。そしてそれは、奇しくも教育と同じように、「オンラインとオフラインのベストミックス」という極限値に、徐々に徐々に収束してゆくのかもしれません。

だから僕たちSUISOは、あえてこの時期に動き出すことを選びました。教育が、コミュニティが、ITの力でまたたく間に世界中を駆け巡るのと同じように、音楽だって、あらゆる形でITの波に乗って地球の裏側まで響き渡ってくれる時代なんだと、僕たちは信じています。

「コロナは感染症というよりも、新たな時代なのだ。」

キングコングの西野さんがこう言っていましたが、本当にそのとおりなんだろうなぁ、と日々実感しながら生きています。世の中が新たな時代に奇しくも突入してしまった今、我々にできることって何なのか?

まとめ。

それは、「新たなやり方の構築」なのだと思っています。

硬直したものがウイルスによってぶち壊され、そこに新たな土台を構築するのが、さて、誰かな?という時代なんですよね。面白いじゃないですか。

プログラミングを教えたり、AIを教えたり、コードを書いたり、データをいじったりしながら、僕は音楽とITも綺麗に絡めていける人でいたいなぁと思っています。何だかんだで、きっと来年も再来年も、僕はこのITという面倒くさくも奥深い、そして面白い世界から、逃げ出すことなんて出来ないんだろうな。

皆さん、どうかこのITバンド、SUISOをよろしくお願いいたします。

追伸

あ、全然関係ない話ですが、僕結構最近時間があります。オンライン・オフライン問わず、講演とか講義とか、お手伝いできることがあったらいつでも呼んでください。こんなこと書くのも久しぶりですが、「お仕事募集中」です。そして仕事終わったら紬でうまい酒でも飲みましょう。

また皆さんにお会いできるのを楽しみに。ではでは。

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