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『間取りを書かない方がいい!』~家づくりの考え方

アラフォー女性建築士の『さわ』です。
主に関西で住宅を設計しています。

以前から書きたいと思っていた家づくりをする際にお客様がしない方がいいなぁ〜と思う
『これはしない方がいい事!』シリーズ第一弾です。
書き方によって不快に感じる方もいるかもしれませんが、きちんとした理由を建築士の私からみてご説明しますので抜粋せずに最後まで読んでいただき、家づくりの参考になれば幸いです。

これはしない方がいい!第一弾
それは…

『間取りを書かない方がいい!』

書きたくなる気持ちも分かるんです。
マドリニストという単語があるぐらい、間取りって見るのも考えるのも楽しいですよね。

ではなぜ書かない方がいい!というのか???

私の仕事がなくなるから?!
いやいやそんな話じゃないんです。
お客様の為に書かない方がいい理由が三つあるんです。

その1 やっぱりプロの知識量は違う

間取りに関する知識というよりは建築に関する知識をもったプロです。

間取りは真白なキャンバスに書くお絵描きとは違います。
敷地に収まる建物の間取りを考えなければいけません。

敷地には様々な条件があります。
それが建築基準法だったり地域ごとの条例だったりします。
それを無視しては間取りは完成しません。

それだけじゃありません。
キチンと建つために構造も考えないといけません。

SNSや様々な情報源から間取りに関する知識を集めても肝心のこういった知識は集めにくいです。
だって面白い話じゃないから!

だから建築に関する知識が豊富なプロ『建築士』に間取りを考えてもらった方がいいです。

その2 新しい提案がされにくくなる

これにはふたつの理由があります。

一つは私のお客様もそうなのですが、書いてくる間取りについてヒアリングしていると今住んでいる間取りに似ていたり、今の生活スタイルが変わらない間取りが多いです。

もちろん今の生活スタイルが生活しやすいと思うのは慣れているから当然です。
でも他人がみたらそれって不便じゃない?もっと生活しやすい方法あるよって事もあるのですが、どうしても間取りを書いてこられると今のスタイルありきになってしまいがちです。

もう一つは間取りを見せられるとその間取りに引っ張られる(笑)
これは私だけですかね??
頭を真白ににして新しい提案をするのがかなり困難になります。

結果新しい間取りの提案や、生活スタイルの提案がされにくくなります。

その3 コスパが悪くなる

間取りを考える時に基本にモジュールというものがあります。

モジュールとは、基準寸法、基本単位で現在の木造住宅では主に900、910、1000mmといったモジュールが使われます。

これは住宅設備(キッチンやお風呂など)や建具の既製品寸法との相性を考えても重要になります。

モジュールを無視して考えた間取りをモジュール崩れと呼んでいますが、モジュールが崩れた間取りは建てられないわけではないのですが、既製品がハマらなかったり、躯体の材料が通常より多くなったり、余計な端数がでて材料費が高くなります。

さらには1階と2階のモジュールが揃っていないと構造が弱くなることもあります。

これらの理由から結構重要なモジュールなのですが、やはりお客様の考える間取りではそこまで考えられていません。
モジュール枠で間取りを書いていたとしても、1階2階を揃えて考えたりまではしていない事がほとんどです。

まとめ

要は『餅は餅屋』なのです。
つまりはプロに任せるのが一番!!

では、どうやって希望の間取りを伝えればいいのか??
まずはしっかりヒアリングをしてもらう事です。
今不満に思っている事や新しい家づくりでしたいと思っている事など、絵空事でも愚痴でもいいので友達に話すようにありのままを伝えてください。
その話の中に必ず間取りのヒントがあるので、そのヒントをしっかり拾って間取りのポイントにします。

そして、間取りではなく憧れるの空間やこれいいなと思う造りの写真を集めて見せてください。
平面的な間取では見えてこないあなたの『いいな!』が形になったもので見せてもらった方がそれを間取りに取り入れやすいです。

また間取りを書く建築士側の人へのアドバイスとしては、鬱陶しいと思われるぐらいお客様に『??』をぶつけてください。
この間取りがいいなと思ってと言われたら、どこがいいと思ったのか?何に惹かれたのか??聞いてください。
収納は広い方がいい、リビングは広い方がいいと言われたら、その人の広いはどれぐらいなのか聞き出してください。
特に収納は人によって物量が違います。
その人と暮らすぐらいの気持ちでその人の持っている物を聞き出せたら収納計画はばっちりです。

こんな風に聞いてくれる建築士さんに間取りを任せてみてください。
そして書いてもらったファーストプランを元にあなたの希望をさらに詰めていく。
そんな打合せが結果いい家づくりになると私は思っています。

追伸
お打ち合わせする相手が建築士さんや間取りに詳しくない人の場合もいます。
私の仕事でもありますが、お客様との間に不動産営業さんなどが入るときです。
正直これが一番やりづらい汗
そしてお客様も打合せする相手が間取りに詳しい人なのかどうか判断しづらいので難しいですよね。
そういう打合せになってしまうと間取りが固まるまで困難です。

はっきり言ってこうなると・・・私は間取りのセカンドオピニオンにだしていいのじゃないかなと思っています。
間取り相談をされている建築士さんもいます。
そいう方に第二の意見をもらう事でいい家づくりができるのであれば別途費用がかかってもいいのではないかなと思います。

ちなみに私も間取り相談受け付けています(宣伝ww)
興味がある方は直接メッセージをください。

そんなわけで今週の家づくりの考え方は『間取りを書かない方がいい!』でした。
来週は・・・『間取りの考え方〜キッチンから考える間取り図』を書こうと思っています。(予定)

今週もありがとうございます。
来週もよろしくお願い致します。

左巴建築設計事務所 さわ。

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