見出し画像

間取りの考え方~平屋について考える

アラフォー女性建築士の『さわ』です。
主に関西で住宅を設計しています。

今週の『間取りの考え方』は現在進行形で平屋の間取りを考えているので『平屋』について考えていこうと思います。

平屋の間取りを考えるのは難しい

これは完全に私が慣れていないからなのです。
普段私は狭小住宅の間取りを考える事が方が多いです。
こんな土地に間取り入るの!?に入れてみせましょう!な間取りが得意です。

平屋となると狭小住宅と真逆で土地に余裕のあるパターンが主です。
好きにしていいよと急に言われているようで苦手です。

平屋のメリット・デメリット

メリット

一番分かりやすいメリットは動線です。
全ての生活動線がワンフロアーで完結します

階層がないのでバリアフリーに考慮した間取りを考える事ができます。
今回のお客様もこれが理由で平屋を希望されています。

他にメリットについて調べているとコミュニケーションがとりやすいと出てきました。
ワンフロアーに全ての部屋を配置するため家族の気配を感じやすいそうです。

あとは構造的メリットです。
上に建物がのっていないのでその分構造負担は少なくなります。

さらに階段がない分共有部分の面積を減らすことができその分の面積を居室に回す事ができます。

デメリット

メリットにも書いたことですが反してデメリットにもなりうる内容が生活動線が長くなる。
上下の動線が無い分、平面での動線は長くなります。
玄関から遠い部屋が出来たり、部屋から部屋への動線が長くなったりします。

メリットでは階段などの共有部分が少なくなると書きましたが、間取りによっては廊下が多くなる場合があります
LDKに面して個室の入り口をつくる場合はそうでもありませんが、各部屋の出入口を廊下からとると廊下の面積が増えて階段がないメリットを感じれなりでしょう。

その為間取りのはまる土地の形状、面積が限られてきます。
当然2階建てにするより広い敷地が必要です。

間取りによっては採光や風通しが悪くなる場合があります。
平面的に広がる間取りになるので真ん中はどうしてもそういった問題が出てきます。

また2階部分がないので施工費が安く済むような気がしますが実は逆です
まず基礎が大きくなるのでコンクリートの量が増えます。
屋根の面積も増えます。
その為施工費は2階建てで同じ面積の間取りより高くなる可能性があります。

メリット、デメリットでみると平屋にする理由は住む人の生活スタイルによるものが大きいと思います。

古民家から学ぶ平屋の間取り

先日瀬戸内国際芸術祭に行って島の古民家の間取りに触れる機会がありました。

見てきた古民家は大体が平屋です。2階があっても屋根裏程度のものでした。
島の平屋は風が抜ける工夫がされていて、それは中庭を活用していました。
平屋と中庭を組み合わせることで風通し、採光の悪さは改善できます。
そんな古民家を参考に間取りを書いてみました。

中庭のある平屋の家

私が考えたのは玄関が無く中庭を介して家に出入りする間取りです。
島でみた間取りも特定の玄関がなくどこからも出入りできるような家でした。
こうする事でデメリットで書いた廊下に面積を取られるは改善できると思いました。

ですが、果たして今の時代この間取りが受け入れられるのか?!
もう少し今の時代に合ったように間取りを変更してみると

中庭のある平屋の家 パターン2

今風に玄関がきちんとあってホールに上がって各部屋へ入る間取りです。
こうなるとデメリットに書いた廊下や玄関といった共有部分に面積を取られるんですよね。

さてどっちがいいのやら・・・

今考え中の間取り

ちなみに今考えている間取りは中庭を取る余裕もないのでどうデメリットを改善していくかを悩み中です。

結局色々考えても平屋って難しい~ってなっています。

がんばって依頼いただいてる間取りも考えようと思います。

それでは今週もありがとうございました。
間取りに興味を持っていただけたらフォローとスキをよろしくお願いいたします。

あとマガジンのフォローもしていただけると嬉しいです。

左巴建築設計事務所 さわ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?