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間取りの考え方~玄関回りの間取り(2)

アラフォー女性建築士の『さわ』です。
主に関西で住宅を設計しています。

先週、玄関回りの間取りについて過去に書いた間取りや、施工事例で色々と考えていきました。

今週は実際に玄関回りの間取りを考えていきます。


基準となる玄関のサイズから考える

まず、玄関の基準となる形を考えてみます。

基準となる玄関のサイズ

玄関収納が置けて、玄関扉を設置するなら1間(1,820)の間口はあった方がいいですね。

玄関収納を置かなければ、これぐらいコンパクトでも玄関としては成り立つでしょう。

最低限の玄関サイズ

シューズクロークと組み合わせてみる

最低限のサイズでは玄関の収納が確保できず、狭い玄関が物であふれてしまいます。
コンパクトな玄関はシューズクロークと組み合わせる事で玄関はスッキリした空間を保つことが可能になります。

コンパクトな玄関+シューズクローク

シューズクロークのメリットは靴以外にアウトドア用品やベビーカーなど狭い玄関には置けない様々な物も収納できる事です。

ですので、シューズクロークは収納するものに合わせてサイズを計画する事をおすすめします。

シューズクロークの収納量をUPしたいのであれば、同じ大きさの空間でもホールと玄関よりもシューズクロークに面積を振り分けて計画する事も可能です。

コンパクトな玄関+広めのシューズクローク

『ただいま手洗い』とトイレも組み合わせてみる

先週の記事でもピックアップした『ただいま手洗い』とトイレの手洗いを兼用にした間取りを考えてみました。

手洗い+トイレ

玄関を基準の寸法にして、玄関収納とシューズクローク兼用する形にしました。
玄関収納には靴の収納をメインに、その他の収納をシューズクロークにする事でコンパクトなシューズクロークでもアウター用にクローゼットを設置するなど収納できるものを増やす事が出来ます。

これではトイレが少し狭いのでもう少し拡げ、手洗いもサブ洗面台ぐらいの物を設置してみましょう。

サブ手洗い+トイレ

これぐらいの広さが確保できれば十分かなと思います。

もうひとつ、私が一度計画してみたいと思っている間取りが横入れの玄関とシューズクローク+広めの手洗い+トイレの組み合わせです。

横入れの玄関とシューズクローク+広めの手洗い+トイレ

玄関の方にロータイプの玄関収納を設置し、靴の収納量をUPします。
ロータイプにする理由は、玄関収納の上や、壁面に展示スペースを確保して玄関をアートスペースのように見せたいからです。
シューズクロークにごちゃごちゃしたものを方して玄関をスッキリさせたので、せっかくなら玄関を人に見せる空間にしたいなと思いました。

水回りと組み合わせる

『ただいま手洗い』ではなく洗面所を玄関の近くに組み合わせた間取りです。

玄関+シューズクローク+ウォークインクローゼット+水回り

水回りとシューズクロークの間にウォークインクローゼットも配置する事で帰宅から、着替え、手洗い、そのままお風呂までの一直線な動線が完成です。

ウォークインクローゼットをもう少し大きくして、洗濯物室も設置したらさらに家事動線にもいいですね。

キッチンと組み合わせる

では次にキッチンと組み合わせた動線を考えてみます。
玄関とキッチンまでの動線がスムーズだと、買い物をして帰ってきた時に助かります。

玄関からキッチンまでの動線

シューズクロークとパントリーをつなげる事で買い物帰宅動線が短くなります。
またお客様動線とプライベート動線の二方向に分ける事もできるのでお勧めです。

玄関土間という考え

こちらの間取りはとある住宅会社さんが規格住宅の基本プランとして出している間取りです。

玄関土間という考えの間取り

玄関をただ玄関として使わず、土間とLDKが一続きになっている間取りです。
それによってLDKに視覚的な広がりと開放感が感じられます。
また土間は室内と室外の中間空間として多目的な使い方ができます。

最初にこの間取りを見た時に斬新だけれど、日本の伝統的な土間スタイルも組み込まれていて面白い間取りだと思ったのを覚えています。

生活スタイルによって向き不向きのある間取りではあると思いますが・・・

もう一つ、土間玄関からはいってすぐにLDKの間取りです。

玄関土間+LDK

こちらもLDKと玄関に区切りがない間取りです。
こういった間取りは人を迎え入れやすい家づくりにはおすすめな形だと思います。

まとめ

色々と派生して考えていくとまだまだたくさん思いつきそうな玄関回りの間取りです。

玄関土間に関してはもっと掘り下げて考えたい間取りでもあります。
といいますのも、最近猫を飼い始めた私が思ったのはこの間取りだと猫が脱走し放題だなと思いました。
その反面、猫が土間でゴロゴロする光景も想像できます。
二重玄関にするなどの対策で猫飼いの家づくりにも向いた玄関土間の間取りなど考えてみたいなと思いました。

というわけで、近いうちに玄関回りの間取り第二弾もあるかもしれません!
興味がございましたら、マガジンフォローもよろしくお願い致します。

今週もありがとうございました。
来週もよろしくお願い致します。

さわ。

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