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間取りの考え方~コンパクトに暮らす家

アラフォー女性建築士の『さわ』です。
主に関西で住宅を設計しています。

私は地域柄、狭小住宅の間取りを書くことが多いです。
理由は
・小さい土地が多い
・土地の価格が高い
・低コストにおさえたい
です。

狭小住宅の間取りを書いていると
どうしても3LDKいるのだろうか?
どうしてもLDKは16帖以上必要なのだろうか?
という疑問を待ちます。
ちなみにこれらは建売住宅で不動産会社の要望で言われることです。

いっそ狭小住宅ならもっとコンパクトに暮らす間取りの方が暮らしやすいのではないかと書いた間取りを今日は紹介します。

間取り図

家族2人暮らし、将来家族が増えるかも前提の間取り図です。

2階建て狭小住宅

この土地なら3階建てにするぐらいの敷地面積なのですが、2階建てにしてコンパクトな間取りにする事で建物代金を抑えることができます。

2暮らし想定なので、主寝室になる個室をひとつ、将来区切れるフリースペースを一つの2LDKで書きました。
将来何部屋必要になるか分からないのであればフリースペースにして大きく使える方が空間の使い方の幅も広がります。

あとからリフォームするとお金がかかるでしょう?と言われることもありますが、がっつり壁を作って扉を付けて区切る必要もないかなと思います。
子供部屋にするなら個室が必要になる期間は10年ほどです。
その後家を出る可能性もあるのなら家具で区切ったり、簡易に区切る事を考えてもいいと思います。

段差と吹抜けで空間を広く見せる

LDKは全部で13帖です。
ソファーなどをおくと狭く感じるかもしれませんが、家具を少なく住むなら十分な広さだと思います。

その代わりダイニングとリビングをしっかり分ける為に段差を利用しました。

キッチンからみたリビング

段差をつける事で腰掛ける事もでできるので床に座りやすくなります。

また狭小住宅で面積が限られているのに吹抜けをとったのは視覚的に狭さを感じさせない為です。
部屋の広さ以上に縦に広がると空間が広く感じます。

吹抜けのリビング

有りか無しか?

実際に家を建てる人がこのサイズの家を建てるのは有りなのか?無しなのか?
私は暮らすという想定だけなら有りです。
我が家は夫婦2人暮らしなのでこれぐらいの間取りであれば十分です。
ただ賃貸だったらと思ってしまいます。

実をいうと間取りを小さくすればするほどコストを抑えれるかというとある一定以下になるとそう変わらなくなるのです。
理由はどんなに小さくてもかかってくる費用があるからです。
ひとつは設備の費用。
どんなに小さな家でもお風呂、キッチン、洗面、トイレのこれらは絶対に必要で小さくしても費用の関わらない物です。
(トイレは一つだけなのでその分コスト削減できていますが)

もうひとつが手間です。
どんなに小さな家でも基礎をして棟上げしてと工程は同じです。
小さい分材料は減りますが、手間や工期はそんなに大きく変わりません。
基礎の為ににコンクリート車も手配しますし、棟上げも大工さんの人数も必要です。

こういったことからこのサイズでこの金額か~ってなってコンパクトな間取りが却下されることが度々あります。

予算と自分の暮らしのスタイルのほどよい折り合いが家づくりには必要ですね。

というわけで今週もありがとうございました。
そろそろ書くネタに悩まされている間取りの考え方ですがよかったらマガジン登録とスキをよろしくお願いいたします。

左巴建築設計事務所 さわ。

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