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実写版エレン巨人のフィギュアを作ろう


DIY
「Do It Yourself」の略称
自分で作ったり
修理したりすることを指す

はじめに

模型趣味は基本的に、上記のDIY精神を
求められる事が多い分野かと思います。
細分化された各作業の大体に"DIY"が入ってきます。

この「自分で作る」精神が功を奏し(?)たのか
昨今だと当時学生だったファンが社会人となり、金銭的に余裕が生まれた"世代"を狙い撃ちする
戦略で、大抵マニアックな物でもグッズ化される傾向にあります。

出たら嬉しいなあ…そんな
マイナーキャラが自分で作らずとも、大手企業が発売してくれる良き時代が訪れてきています。

今回もその流れの及ばぬ袋小路で一人右往左往しているアホの話です 


時は遡り2015年夏、東宝より公開された実写映画「進撃の巨人」を鑑賞し
実写版デザインのエレン巨人に一目惚れした自分は、公式からフィギュアが発売される事を待望していました。

ちなみに東宝作品の怪獣は各企業から年代問わず、かなりの広範囲で立体化され続けています。(隙間産業だ…)

なので着ぐるみスーツの巨人も怪獣扱いならまだグッズ化の動きはあるだろう、出たら複数個買って歓待しよう…と

そして令和5年目

待てど暮らせどフィギュアが出ねえ!!
ファンアートも増えねえ!!!
なんならファンがほぼ居ねえ!!!!

と限界集落と化したパラディ島(所在地:埼玉県)から
羅刹となり地鳴らしを始め、8年の歳月が経ったところで確信します。

「あっこれフィギュア出ねーわ!」

と…


閑話休題
だったら作りゃええ、というわけで
実写版エレン巨人DIY
スタートです。

町ヴァーさん見ててくれよ!!!

レベリオ収容区

まあ普段からエレン巨人に傾倒し心酔して様々やってはいる自分ですが、フルスクラッチの全身モデルは初の試みで

胸像 2019年冬製作
友人Yくんと合同制作

在学中に制作した物も最終的に胸像止まりだったので、不安しかないですが早速進めていきます。


このシーンを参考に作ります。


まず15cmサイズに調整した針金を人型にして
アルミホイルで肉付け、石粉粘土を盛り乾燥…
(白い部分が石粉粘土)

そこにグレーのエポキシパテを盛り爪楊枝で造形していく事にしました。最も慣れ親しんだ素材なので

集めた資料を見ながら胸部を造形。

右胸・左胸・右肩と一日にワンブロックずつ作ってます。


両肩ができました。着ぐるみの三角筋と上腕二頭筋の繋がりを再現したい…

ざっくりと顔を
ここから秘蔵資料を見ながら盛り削りでなんとか似せていきます。似てくれ…


写真が飛び一気に首や腕、腹筋が出来てきた…

背中

あとエレンの着ぐるみですが、伸びる広背筋が非常に特徴的で
そこも再現できたらいいなと考えてます。

モモンガみたいでかわいくてすき


脚です、ひたすら爪楊枝でツンツンしていきます。
特撮の現場でヨレてきた感を出したい

様子見でスミ入れ
この辺りで腹部を延長し、横隔膜辺りと腹筋をまるごと作り直しています。


着ぐるみの分割も再現したいところですが…厳しいかな

どう作れば良いのか悩みに悩んだ手。

最終的に
・針金で指の芯を作る
・ポリパテ(黄色)を塗り針金を太らせる
・手の出っ張っている部分に瞬間接着剤をつけ、効果促進スプレーで固める
・シンナーで溶かしたエポキシパテを上から塗り造形する

という面倒くさい手順を踏んで作りました。



全身作れてきたので次は髪の毛問題です。


基本風に靡くので髪型が安定しません、しかも劇中激しい殴り合いでカツラがズレます。

アップ用のギニョールは気持ち原作に近い髪型で、着ぐるみと若干の差異があります。
個人的に着ぐるみは前髪によって右眼が隠れて、後ろ髪?を右サイドに纏めて流しているのが最適解かな…と

↓参考

アクション用スーツ(左右反転)
アップ用ギニョール
アクション用スーツ
アップ用ギニョール
アクション用スーツ
田島光二氏デザイン
(着ぐるみのデザインは自由廊代表のAmazing JIRO氏)



…なので色んなシーンを総合してこんな風になりました。
前髪で顔が隠れるのが勿体ないですが、そこが好きなところだったり…

これで必要なパーツが一通り出揃いました。

シルエットも見え完成がだんだんと近付いてきたので、台座を適当に作り全体にサーフェイサーを塗布。

この部分が変だ〜ここが似てないな〜とか
色々ありますが、まぁ実写版エレン巨人なんて僕しか細部を見る人居ないだろうし…胸三寸に納めましょ…

制作開始から毎日コツコツ作り、ここまで大体2ヶ月程度でした。
まだまだここで折り返し地点くらい


このままサフ下地に塗装して完成でも良いのですが、恐らく未来の自分が大量に欲しがると思うので
シリコンで複製していきます。

ひたすらシリコンを流して気泡を抜いてシリコンを混ぜて流して待機して固めて…


レジンキャストを使い複製しました。

気分はさながら始祖ユミル


おまけで組み立ててスミ入れし、ひな型モデル風に
たのしい


このあとバリを取り各パーツを真鍮線とエポキシ接着剤で繋ぎ、パテで隙間埋め+ホワイトサーフェイサーを吹きいよいよ塗装です。

塗装に関しては学生時代の胸像でやった「整脈や血管を手描きし上からエアブラシで点吹きとクリアを重ねる」手法で塗ろうかと思います。
めっちゃくちゃ手間だけど…


蛍光ブルーを使いひたすら筆で血管を描きます

ひたすら描きます

描きます

こんなふうになります。

この後更に赤い血管をずらして描くとよりリアルになるっぽいですが、いよいよ終わらなくなるんで青だけ…

青い血管の上からキャラクターフレッシュ等を点吹きし、クリアレッド・クリアイエローを薄く塗り重ねた状態。
うっすら青い血管が見えればオッケー

メイキング映像と見比べるとまだオレンジ色が強いので、更にこの上からクリアブルーで彩度を落とし
エナメルのクリアレッド・ハルレッドなどでスミイレ…

最後の仕上げとして髪や眼・歯などを塗装し、全体のツヤを整えたらいよいよ完成です。





映画「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN」より


1/100スケール  フルスクラッチモデル
実写版エレン巨人

レジンキャスト製 本体15cm 台座1cm




これにて全工程終了になります。

反省点は多々あれど、今現存する実写版の立体物で最も着ぐるみに近いのではと思います。
そもそも我が家以外に現存してないけど…

途中メイキング映像をリピート・コマ送りし過ぎて「ディスクが破損し再生不可」という犠牲もありましたが、完成まで漕ぎ着けることができました。


次は鎧の巨人制作編も作ろうかと考えているので、ある程度製作や写真が纏まったら
備忘録としてnoteに投稿しようかと思います。



最後まで御覧頂き、ありがとうございました。



おまけ


色々あって乾坤一擲ワンダーフェスティバルに突撃した際の写真


鎧の巨人(シキシマ巨人)も完成しました


関節の節々で切断し角度を変え接着、ポーズを変更してジオラマ作りました。
植毛してます




ドライヤーや熱湯でレジンキャストを曲げて、立ちポーズに改造しました。

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