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ヨルシカの盗作を聴いて

今日はヨルシカの新アルバム「盗作」を聴いた感想を書いていきたいと思う。(フラゲ日に初回限定版を買いに行って、毎日聞いていて、ずっと感想レビューを書こう書こうと思っていたら、キャンペーンの最終日に。。)

タイトルの「盗作」が発表されたとき、アルバムのタイトルを「盗作」にするくらいだから、負け犬みたいにちょっと尖った曲が多そうだなと思った。私は尖った曲が大好きなので期待大!!

アルバム全体を聴いたときの1番の感想は「これ、一番好きなアルバムかもしれない!」これに尽きる。発売されたアルバムを聞くたびにn-bunaさんの世界観とセンス、suisさんの表現力の凄さに圧倒される。いやもう本当に好き、これからも周りを考えずにヨルシカの2人が好きな音楽を突っ走ってほしい。

まだ聞いてない人は、↑↑のトレイラーを聞いて気になった曲をぜひ聞いてくださいな。

ひとまず、各曲について感想だったりを軽く書いていきたいなと思う。

01.音楽泥棒の自白

まずはいつも通りのイントロ曲。カセットテープを回す音から入って、所々にカセットテープならではのぷつぷつ音が入る演出がかっこいい。「月光」をモチーフに作られている曲だが、小説と組み合わせると、色んな音と月光と色んな発見のあるインスト曲だと思う。

02.昼鳶

トレイラーを聞いたときに、めっちゃ尖ってそうでかっこいい曲だなと期待していた曲。suisさんの低音も音楽もかっこいい。普通に聴くと世間に不満がある人の1曲みたいに思っていたのに、小説を読むと主人公が空き巣をしていたときの心境だとか情景しか思い浮かばなくなる曲。物をいくら盗んでも、心が満たされない悲しさ・虚しさが伝わってくる、個人的にかなり好きな曲。「〜〜ばかり」の発音と舌打ちが楽しい曲。

03.春ひさぎ

アルバムより先に、MVが公開されていた曲。最初聞いたときは正直、ヨルシカっぽくないなぁと思った。もちろん、いい意味でも。でも、昼鳶から続けて聴くと、全然違和感がない。やっぱりヨルシカっぽい曲だなと思った。なんでだろう。アルバムで聴いてから好感度が結構上がった1曲(いや、元々好きな曲なんだけど、「ヨルシカの曲」という捉え方でより好きになった)。

04.爆弾魔

「負け犬にアンコールはいらない」にも収録されている、Re-Recordingされた曲。負け犬の中で、一番を争う大好きな曲だったので、本当に嬉しかった。前回からのアレンジが色々あるけど、1番の違いはsuisさんの歌い方がめっちゃ変わってる!!前のも大好きだったんだけど、個人的にはこっちが本当に好き。

苦しさも全部僕のものだ わかってるんだ

の「わかってるんだ」の歌い方には鳥肌が立った。やばい。

05.青年期、空き巣

ちょっとおしゃれなイントロ曲。物語的に見るなら、ここからストーリーの場面が変わる。どこか懐かしい曲に聞こえるのは「朝」が用いられているからなのか。心を置き着かせたいときに聞きたい1曲。

06.レプリカント

めっちゃ好きな曲。なにが好きって、歌詞と世界観と曲(まあ全部)。この世の全部は「偽物」なんだと歌ってる曲で、他の曲と比べるとかなりストレートな歌詞。わかりやすい。「盗作」でも出てくるんだけど、「空の青さ」というキーワードが良い。空が余計に好きに思えた。

Cメロ部分も大好き。

満たされるならそれでよかった
歌を歌うのに理由も無いわ
他人の為に生きられない
さよなら以外全部塵

人を呪う歌が描きたい
それで誰かを殺せればいいぜ
夏の匂いに胸が詰まっていた

「満たされたい、と思って歌っているだけ」と他の曲でも言っていたのに、その後「人を呪う歌を描いて、それで誰かを殺せればいい」ってすごい強い感情。心を満たす為には、自分が描いた歌で誰か死んでしまうくらいのインパクトがないと、もうこの主人公の心は満たされることがないんだろう、とか勝手に想像。

07.花人局

ヨルシカとしては珍しい気がする、サビから始まる曲。Cメロが本当に大好き。アルバムを買ってから1番よく聴いている曲かもしれない。

明日にはきっと戻ってくる
何気ない顔で帰ってくる
今にドアが開いて聞こえる
ごめんね、遅くなったって
言葉だけをずっと待っている
夕焼けをじっと待っている

主人公が奥さんを亡くしたときの心情だと思って聴くと、このCメロでよりしんどくなれる。もう帰ってこないことを知っているのに受け入れられなくて、もうすぐ帰ってくるんだと無理に強く思い込もうとしているのかな。奥さんが亡くなった後、前に進むことができなくなってしまった主人公の辛さが痛いほど伝わる。

あと、他の曲と比べて低くないので歌いやすい、っていう個人的な感想。

08.朱夏期、音楽泥棒

3つ目のイントロ曲。「ジムノペディ」も小説に登場する。やっぱり、名曲を元に作ると、どこか懐かしい素敵な曲が出来上がるのかな。でも、やっぱりn-bunaさんの力が大きいよな、と思ったり。これも落ち着く曲で好き。

09.盗作

今回のタイトルになってる盗作。タイトルになってるだけあって、小説に書かれていることがたくさん詰まってる曲。ほとんどがセリフになっていて、本当に主人公の気持ちが詰まってるのが伝わる。

彼奴も馬鹿だ。こいつも馬鹿だ。褒めちぎる奴らは皆馬鹿だ。
群がる烏合の衆、本当の価値なんてわからずに。

と言われると、心にぐさっとくる部分がある。本当の価値なんて誰もわからないよな。何もかも失った後の空って、どんな空なんだろう、と想像を膨らませるのが今の私の流行。

カラオケで歌う時は1番ノリノリに歌える曲。

10.思想犯

これ、すごく好きな曲。小説を見た後にPVを見ると、余計に小説の描写が伝わってきて、小説の世界観を存在に楽しめる。とにかく好き。好きが強いと、言葉が出ない。suisさんの低い声が一番楽しめる気がする。

11.逃亡

最初に聞いたときがラジオでの弾き語りだったので、ジャズみたいなお洒落な曲でびっくりした記憶。思想犯までは尖った曲が多かったのに、急にここで優しめな静かめな曲になって、聴いてる側も気持ちが落ち着く。この逃亡と13曲目の夜行を合わせて情景を想像してしまうのは私だけなのか。

12.幼年期、思い出の中

ピアノで演奏されてる静かな曲。私のイメージとしてはマジックアワーの時間の、これから夜を迎える静かな感じを想像してる。

13.夜行

夜行は色んな意味で「終わりに向かっていく」曲。一日としての終わり(夜)、命としての終わり(死)、人との終わり(別れ)が沢山詰まってる。曲だけでも、PVを合わせても、結構切なさが詰まってる曲な気がするけど、小説を合わせるとさらに切ない。サビにがっとボリュームが上がるのと同時に聞いてるこっちの感情も爆発しそうになる。君が向こうに行ってしまったけど、僕はここに残らなきゃいけない、っていう歌詞がなんとも好き。

14.花に亡霊

ラスト曲。初めて聞いたとき、「THE ヨルシカ」って感じの曲だと思った。これを聞いたときはまだ梅雨真っ只中だし、コロナでどうせ外に出られないし、と億劫な気持ちでいたけど、聞いた途端に「早く夏にならないかな」とワクワクした気持ちが生まれたことが忘れられない。とても素敵な曲だと思う。一つ一つの情景がとても綺麗。

言葉じゃなくて時間を 時間じゃなくて心を

の「心を」と息継ぎの部分のsuisさんの声がやばい好き。アルバムの前半が尖った曲だったのを忘れさせるくらいに綺麗な曲。夏はこれを聞いて乗り越えらる。今回のアルバムで個人的BEST3に入る好き曲。


というわけで14曲感想をまとめたけど、圧倒的に語彙力が足りない。。
小説についても、もっと書きたいんだけど(少年と主人公の結末について、とかね)、まだ私の周りは買えてない人がいるので、これ以上のネタバレはしないでおきたいと思う。(結構、曲の感想のところで言っちゃったけど)

後、まだ家にカセットテープが届いていないので、特典の少年の「月光」を聞けていないのが残念。。早くカセットテープよ届け。


ヨルシカのアルバムやそれ以前のn-bunaさんのアルバムでも、アルバムを通して一つのストーリーになっているんだけど、今回のこの「盗作」が一番ストーリーとしてのまとまりがしっかりしていて、全部の曲を聴くことでより好きになれる、盗作の世界に近づける、素敵なアルバムだと思う。

もう、ヨルシカさんに次の動きが見えているので、次の新曲だったり、CDだったりが本当に待ち遠しい。