さがす

20220130@テアトル新宿

twitterで話題になってるっぽかったので行ってみた。指名手配犯を追ったと思われる父が行方不明となり、娘が追ううちに真実が明らかになっていく…的な大枠のストーリー。
テーマとして並行しているのは死生観・愛情といったところ。ALSを患った妻が自ら死を望み、それを通じて父は死への観念を改めさせられたり、金に目を眩ませたり、しかし最終的には委託殺人の依頼主と妻への情を重ねてみたり、自分を探しに飛んできた娘への愛情を改めて感じたりと、鑑賞者へメッセージ性も強い。妻が自宅のベッドで首を吊ろうとしたところを目撃するシーン、妻のSNSへの苦悩の吐露を受けて父自らの手で殺そうとするも寸前で思い留まるシーンには、自分に重なる部分がなくとも、あまりに苦しい気持ちにさせられると同時に、当事者の切実さに想い馳せらされる。

そういったシリアスな角度だけでなくサスペンス要素も大いにあり、娘、父、犯人の視点からそれぞれ描かれていて、展開としては面白かった。やっぱり、所々リアルさに欠けたり、矛盾を感じてしまうとそればかり気になっちゃうのは癖かな。
警察に無碍にされたからと言って、娘1人で犯人を追い詰める行為はあのキャラであっても危なすぎるよなぁと思ってしまった。それに父親の名前で働く見覚えのある指名手配班に出会った時点で、何が起こっているのか大体の予測は付くような、、笑
性嗜好や男女の色恋の描写も、おじさんが持つ秘匿な性のイメージを投影したような気色悪さが優先してしまったな。
委託殺人の行為を「有料コンテンツ」と表現したり、お縄になること(だっけか?)を「ログアウト」と表現したり、作品内のTwitterを思わせるSNSに重ねたとしたら若干的外れなワードセンスな気がした。

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