HEART STOPPER

20220508@Netflix

Twitterで話題になっていて気になっていたので一気見した。

"秘密の関係"
なぜ秘密にするのか、しなければならないのか。
カミングアウトしたら周りの反応が変わってしまったという、タラとダーシーの関係。わざわざ公にしないまでも、隠すことはしないとうスタンス。
大切な人には伝えたいというニック。
ゲイを公言しているチャーリーに対して、ハリーのようにあからさまな侮蔑的な発言やイジメの言動をとるような人というのは、それこそ少数派になりつつあって排除される側の立場であろうし、そうであってほしいとは願うけれど、特に身近な家族や友人がホモフォビアであることが一番恐れていることで、秘密にしなければならない大きな理由。

セクシャリティを自身で受け入れるのって時間がかかるし、その中で多くの葛藤とか、それ故にひとを傷つけてしまったり傷つけられたり。ベンが良い例で、チャーリーと都合のいい時に学校でこっそり会ってキスをするをくらいの関係性に留まらせておいて、チャーリーへは自分との関係は絶対に口外するな、知り合いだとも悟られるなという態度。最終話で「自分が苦しんでいるからって僕まで苦しめるな、憎いのは自分だろ」と言い放ったのは、その全てを突き付けているようだった。

そんなベンと、チャーリーの気持ちを汲んで喧嘩をしたニックも一時は、自分もベンと同じように、自分を守るために秘密の関係を望んでいるのではないかと思い悩んでいるようだったけれど、ラグビーの試合途中でチャーリーに対して素直に向き合おうとする姿勢は素敵だった。自分自身に向き合えた後のデートのシーンも微笑ましい。

ここ最近の作品でふと気になるのは、心情の描写は大抵LINEとかのメッセンジャーへ、文章を綴ったり綴らなかったり綴りかけてみたり、その返信を待ったり無視したりとかで表現されるよね。側から見たらリアルさに感しつつも、心情描写の余白の無さにげんなりしつつも。
ただ、インスタやカメラロールに現れるチャーリーを見つめて、自分の気持ちに拍車がかかるニックのシーンはとても良かった。結局。

自分自身ではセクシャリティを受け入れるまでの葛藤ってあまりなかったように思えるけれど、パートナーとの"秘密の関係"を守る、というのは重なるものがあるな。LGBTをテーマにした作品にも、都合よく家族が受け入れてくれるパターンも、拒絶されてしまうパターンももちろんあって、自身の現実としては前者であることを願うばかりだけれど、そのためには、常に自分の周りのひとたちに対して、実直に真摯に向き合っていきたいなーと思う。

とか、今飲んでるから当たり障りのない締めになってしまうけど、ほんとそれな、って話だとは思う。みんな幸せになれるといいよね…、とか小並感であり真理である、そんな感じ

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