見出し画像

20240909@kino cinéma 新宿

元安芸高田市長の石丸伸二氏のドキュメンタリー的作品。

氏のことは東京都知事選の立候補にあたってメディアで目にした印象しかなく、ただヤバい人だなという印象でしかなかった。
ヤバいというのは、所謂石丸構文とまで言われるような攻撃的で屁理屈な応対を目にしただけの印象。

だからこの作品は、どれだけ氏が捻くれた人間性で都知事に値しない人間なのかを描いたものなのかと思い込んでいたらそうではなかった。
正義とか正しさとか中立性を盾として戦ってきたんだけれど、"村"の「掟」に負かされてしまう。腐りきった組織の中で、市長としての責任をただ果たそうとしていた。

会社という組織の中で不満を抱えながら戦っている自分にも重ねてしまった。まあそんな自分の、誰しもが経験するありきたりな戦いとは次元が違うんだけど。

よく言われる、「正しさよりも優しさを優先する」的なことにもなるけど、いくら正義を振りかざしたって結局はヒトとの向き合いでしかないので、どのような振る舞いで・道筋で、コトを解決するのではなくヒトの問題として正していくかということは命題だと常々思っているけれど改めて強く感じた。

とか言ったって、やっぱり単純に良くない振る舞いが多すぎるよね。結局は市民を代表する市議であって、ひとつの組織の構成員として手を取り合って同じ方向を向いてほしいし、そのためには自分の言葉や表情やにしてもうまいことコントロールして、我慢することだったりバランスとってそれなりにやり過ごさなければいけない場面とかさ、社会の中で自分の役割を果たすためにはどんな業界であっても必要だよね。

どうやらそういう強い言葉や態度は、メディアを通じての若者からの支持をかなり意識した戦略だったみたい。配信を通じた収益だとかふるさと納税とか、功を奏した部分もあったようだけどなかなか際どすぎる。

冒頭にも書いたようにこの作品を観るまでは「なんだこいつ…」でしかなかったけど、都知事になってたら結構面白かったのかもね~(小並感)

映画としては、役者さんみんな声張りすぎだし感情的にやりあいすぎていて圧が強すぎて結構しんどい(笑)もちろんシチュエーションのせいだけどさ。
敵対する会派の一番の嫌な役?のおじさんの「嫌な奴」ムーブや、記者の人たちの攻める姿勢の表現などが行き過ぎていてクサく感じる場面もしばしば。もともとは舞台俳優さんたちだとか?

エンタメ映画としては楽しめました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?