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ギャンブリング障害の介入法に関するメタ解析で12ステップはほぼ出てこない

2023年のギャンブリング障害への介入法の効果等について、メタ解析にたる研究の質を持つ30の研究をまとめ評価した研究。
Eriksen JW, Fiskaali A, Zachariae R, Wellnitz KB, Oernboel E, Stenbro AW, Marcussen T, Petersen MW. Psychological intervention for gambling disorder: A systematic review and meta-analysis. J Behav Addict. 2023 Jul 14;12(3):613-630. doi: 10.1556/2006.2023.00034. PMID: 37450372; PMCID: PMC10562823.

以下結果の概要。
 ギャンブリング障害の治療法全体を通じて、CBT(認知行動療法)が最も大きな効果量と関連しており、次いでCBTとMI(動機づけ面接)の併用であった。
 次のステップとして重要なのは、どの心理学的治療様式が誰にとって最も効果的であるかを特定することに焦点を当てることであろう(Dowling et al.、2016;Petry et al.、2005;Pfund et al.、2021)。この点で関連する理論的枠組みは、GD(ギャンブリング障害)患者をその病因とギャンブルの動機によって分類したパスウェイモデルであり、その結果、条件付ギャンブラー、情緒的脆弱性ギャンブラー、衝動的/反社会的ギャンブラーの3つの特定のサブタイプに分類される(Blaszczynski & Nower, 2002; Nower et al., 2021)。ギャンブルの動機が異なれば、患者の治療上の課題も異なる。したがって、これらのサブグループの患者では、異なる治療方法やメカニズムによって症状や行動の変化が促進される可能性がある。
 近年注目されているが、特定の精神疾患の併存がGDの心理的介入に対する患者の受容性にどのように影響するかについては、まだ多くの研究が必要である(Dowling et al.)。ADHDや重度のうつ病など、実行機能障害と関連し(Silverstein et al., 2020; Warren, Heller, & Miller, 2021)、しばしば医学的な診察が必要な状態(Boland et al., 2020)を放置しておくと、良好な治療成績が得られない。

 ちなみに30の研究の内、12ステップを対象とした研究は1つ。この研究でCBTとに差はないが、GAなど一部の理解とは異なり12ステップという方法は、治療法としてはまったくマイナー。
Marceaux JC, Melville CL. Twelve-step facilitated versus mapping-enhanced cognitive-behavioral therapy for pathological gambling: a controlled study. J Gambl Stud. 2011 Mar;27(1):171-90. doi: 10.1007/s10899-010-9196-y. PMID: 20490632.

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