2023/08/27

あれから約3週間。
兄とは何も起きず、何も起こさず。
あんな事してたのが嘘みたいに、いつも通りに過ごして。

今日もいつも通りの冗談みたいな話しかしてない。
いつも通りの冗談みたいなノリだったのに。

「ねねね、みたい~?」

わたしはお風呂上がり、タオル姿で。
自室でまったりしている兄のところに押しかけて。
少し屈んで、タオルの胸の部分を指で少し下げて、谷間が見える状態にして。
何度かやったことある冗談だったのに。

「・・・うん。」

・・・え?
何かの間違いかと思ったので、いちおう確認してみる。

「えと・・・。見たい・・・の?」
「・・・まぁ。」

普通にからかうつもりだった。冗談のつもりだったけど。
兄は恥ずかしそうにして、目も背けて、ちらちらとこちらを見ている。
どうすんのこれ・・・。

普通に冗談にすればよかったのかもしれない。
でも。でも。
お兄が見たいって。
そんな事いうの、初めてだし。

「じゃぁ・・・はい。」

わたしは纏っているタオルの、ストッパーにしている部分をほどいて。
胸が見えるようにタオルをずらす。
タオルが全部落ちてしまわないように、手で止めておく。

兄の目の前で、胸をあらわにしている。
うっわ・・・。
はずかし。
なんか言わなきゃ。なんか・・・。

「・・・成長・・・したでしょ。」

恐らく兄がわたしの胸を見るのは中学生以来。
その頃から、タオルで隠すようになったから。

「どんくらいあるん。」

兄は、ほぉ・・・みたいな顔をしながらそんな事を言ってくる。
大きさを聞いてるんだろうけど。

「カップ?」
「うん。」

そういえば言ったことはなかった。
下ネタはよくやり取りするけど、だいたいえっちな動画とかゲームの話から派生する感じで、
自分の事で性に関連することはあんまり話していない。

「ギリD・・・かな・・・」
「そうなん・・・?」

そうなん、って。

「見えん?」
「うん。」

わたしは少し、胸を手で寄せてみる。
むにゅっと。

「これでどう?」
「おー。えろい。」

一瞬言葉を失う。
悪い意味じゃなくて、なんていうか。
お兄にわたしの体の事をそんなふうに言われると、なんか恥ずかしい。

「・・・ばか。」

それしか言えなかった。
なんか恥ずかしくなったので、わたしはタオルを戻す。
でも兄の視線は戻らない。
まだ胸みてる。

「なに。」
「いや・・・」

ようやく視線は胸から外れる。

「揉みたかったん?」

わたしは冗談めかさずに、普通に聞いてみる。

「・・・・・・いや・・・」

なんだその間は。
でもお兄っぽい。
うん、って言われるかと思って、ちょっとどきどきしてた。

「お兄ってさ、そんなにおっぱい好きじゃった?」
「まぁ。それなりに。」

まぁでも。そうだよね。
おっぱい好きだったから、あんなふうにしちゃったんだよね。
これは言わないでおいてあげる。

「ふぅん・・・?」

精一杯のジト目で返す。

「じゃ、戻るね。」
「おう。」

会話の雰囲気はいつもの感じで。
でも、初めてだ。
お兄から見たいなんて。

わたしはもし、本当に求められたら。
どうするんだろう。

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