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年金/昭和44年生まれのライフプラン

高齢期のマネープランを考えるうえで、欠かせないのが年金です。

ただ、いまいち良く分かっていないと言うのが実情かもしれません。

今回は年金(老齢年金)について考えてみます。


年金制度の加入

年金制度は、国民年金と厚生年金保険の2つ法律(制度)があります。公務員などは、共済年金に加入していましたが、平成27年10月から厚生年金保険に統一されています(ただし、共済年金組合からの給付は当面残ります)。

ちなみに、厚生年金は「厚生年金保険」が正しい名称になります。納めるのは、国民年金も厚生年金保険も「保険料」です。

国民年金は、原則20歳から60歳まで保険料を納付します(または、免除・猶予を受ける期間を含む)。

厚生年金保険は、会社勤めを始めた時点で加入します。ですから、高校卒業して直ぐに就職した場合は、18歳から加入することになります。
一方で、加入の上限は70歳になります。


年金を受給できる場面

年金を受給できる場面は、3つあります。

1つ目は、老齢年金です。老後の生活のためのものです。

2つ目は、遺族年金です。例えば、配偶者が亡くなられて場合に、世帯収入が減少したり、なくなったりすることがあります。その保障にあたります。

3つ目は、障害年金です。病気やけがで、就労や日常生活に制限があると認定された場合に受給できます。


老齢年金支給開始年齢の引き上げ

老齢年金は、基礎年金(国民年金)と厚生年金の2階建てです。厚生年金等に加入していなかった方は、基礎年金部分のみの受給となります。

老齢年金は、以前60歳から受給出来ました。しかし、現在も65歳が支給開始となるように、段階的に支給開始年齢が引き上げられています。

年金受給開始年齢

60歳から65歳到達までの期間のうち、まず老齢基礎年金部分に相当する「定額部分」の支給年齢引き上げから始まりました(昭和16年4月2日生まれ以降の男性、昭和21年4月2日生まれ以降の女性)。

「定額部分」の引き上げが完了した、昭和24年4月2日生まれ以降の男性、昭和29年4月2日生まれ以降の女性は、60歳から65歳到達までの期間の老齢基礎年金部分に相当する「定額部分」は支給されません。

「定額部分」の次は「報酬比例部分」の引き上げが始まりました。

昭和30年4月2日から昭和32年4月1日生まれの男性は、62歳から老齢厚生年金部分に相当する「報酬比例部分」(特別支給の老齢厚生年金とも言います)の受給が開始しています。

昭和32年4月2日から昭和34年4月1日生まれの男性は、63歳から老齢厚生年金部分に相当する「報酬比例部分」の受給が開始になります。


女性は5年遅れで引上げとなります。

昭和33年4月2日から昭和35年4月1日生まれの女性は、61歳から老齢厚生年金部分に相当する「報酬比例部分」の受給が開始しています。

昭和36年4月2日生まれ以降の男性、昭和41年生まれ以降の女性は、老齢基礎年金、老齢厚生年金とも65歳から受給開始となります。


繰上げ請求と繰下げ請求

老齢年金の受給開始年齢は、生年月日と性別で決まっています。ですが、この決められている年齢より早く受給開始したり、遅らせたりすることが出来ます。

早く受給し始めることを「繰上げ請求」と言います。
一方で遅らせることを「繰下げ請求」と言います。

現在の制度では、60歳から70歳までの間で選択できます。
ただし、決められている年齢より早く受給し始めると、受給額が減額されます。
一方、遅らせると増額されます。

受給を早めると、早めた期間1か月あたり、0.5%減額されます。
受給を遅らせると、遅らせた期間1カ月当たり、0.7%増額されます。

繰上げ請求すると、長生きした場合、障害の受給総額を少なる場合もあります。
その他、繰上げ請求にはデメリットがありますので注意が必要です。


▼繰上げ請求の注意点(日本年金機構HP)
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/roureinenkin/kuriage-kurisage/20140421-03.html


法令の改正

年金に関して現在議論があるのは、繰下げ請求を現在の70歳から75歳に引き上げるというものです。
これは、現在開かれている通常国会で議論される予定です。


昭和44年生まれの年金

現在の制度では、65歳から老齢年金が受給できることになります。
また、繰上げ・繰下げは60歳から70歳の間で受給開始年齢を選択できます。
※制度改正があった場合は、60歳から75歳の間で受給開始年齢を選択できるようになる見込みです。

年金の受給開始年齢は、年金の財源や定年年齢などとも関わりもあります。
令和7(2025)年には、男性の年金受給開始年齢が65歳となります。
また、女性も昭和41年4月2日生まれ以降は65歳となります。

これらを勘案すると、昭和44年生まれは65歳から年金が受給とはならない可能性もゼロではないのかもしれません(繰上げ請求は出来ますが・・・)。

ただ、将来のことなので、現時点ではっきりとしたことは言えません。現在議論はありませんので。


まあ、いすれにしても、60歳で仕事をリタイアして、悠々自適に過ごすということは無さそうです。

それと、高齢期のマネープランを考えると、何らかの自助努力も必要かもしれません。
60歳まで10年近く、65歳までは15年近くありますよ!


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