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IT企業はゆでガエルなのかもしれない / 『ストラテジー&イノベーション』課題1-2

大学院で出された課題を1つ1つnoteに記録していきます。
守秘義務に関わる内容があった場合は、該当箇所を書き換えて掲載する事があります。

課題1の分析を踏まえて、自社は経営環境の変化に対して、どのように経営戦略を変化させてきたかを整理してみよう。
経営環境を先取りし、市場・業界の変化を主導することができていただろうか。

『SBCP Strategy & Innovation』産業能率大学 , 2017 , p.71

課題1において、SIerおよびSESという業態に関しては1990年代から現在に至る30年ほどの間で経営環境に大きな変化は無かったという事を記載した。

IT企業に独自の戦略は必要無かった

1989年に創業した自社についても経営環境の大きな変化には直面しなかったため、この間に経営戦略に目立った変化はなく、健全な財務体質を維持する事で安定して少しずつ規模を拡大する事ができた。つまり創業以来、経営環境の先取りや市場・業界の変化を主導することは全くなかった。

この30年間を振り返ってみると、BtoBにおけるIT、主にSIについては好不況の波はあれども常に需要が供給を上回っており、先行企業がイノベーションを起こして新たな需要が喚起された後でも、遅れてきた後続企業に十分なパイが残っていたように思う。
そのため経営学の事例で主に取り上げられる製造業に比べると、IT企業におけるSIという業態は経営戦略に独自性が無くとも大きな問題は無かった。
自社に関しても、好不況の波を乗り切る財務体質に注視さえしていれば競合企業と同程度の戦略で十分だったのである。
このように、自社を含めたSIという業態は長らく恵まれた環境に置かれており、今のところは深く経営戦略を練らなくても何とかなっている。
しかし、その恵まれた環境はある時に突然終わりを告げるかもしれないが、その準備は全くできていない。

これからは供給不足の時代ではないか

課題1にも記載した通り、これからは採用難による供給成約の問題に直面するのではないかと危惧している。
わたしは学部でも経営学の基礎に触れる機会が多々あったが、それらの学びでは主に需要を喚起することに重きが置かれていたように思う。一方でこれからの時代は、需要が十分にある中でどのように供給していくのかという経営戦略が必要になるのではないだろうか。
そして自社における供給、IT業界における供給とはヒトであり、人的資源のマネジメントが経営戦略における最重要ポイントになるのではないかと考える。



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