見出し画像

ラグジュアリーブランドの戦略と投資の魅力 / 『ストラテジー&イノベーション』第4章1~3節の要約

余談ですが、ヴィトン、ディオール、ジバンシー、フェンディ、ゲラン、タグ・ホイヤー、モエ・エ・シャンドン、ドン・ペリニヨンなどなど、これらのブランドは全て同じ企業が保有しています。

これだけ強いブランド群を抱えていると、投資対象としても非常に魅力的ですよね。
投資の世界では、こういった他者が真似できないブランドや企業価値をモート(MOAT:堀)と呼び、その堀が広い企業の株をワイドモート銘柄としています。

ワイドモート銘柄への投資はウォーレン・バフェットが推奨するところでもありますが、ではEVのテスラはワイドモートなのか、スペースXはワイドモートなのか(イーロンばっかりで申し訳ない)その判断は個々人に委ねられます。

わたし個人としては、その判断はとても難しいので何十年と続いてきた実績こそがワイドモートなのではないか、という点を判断基準としています。
また、法や国家によって守られている実質的なモートも非常に強力だと考えています。例えば、たばこ(JT、フィリップモリス)、周波数帯(NTT、KDDI)、戦闘機(ロッキード・マーティン、ノースロップ・グラマン)、防衛(レイセオン)など。


大学院で作成したレポートをnoteに記録していきます。
守秘義務に関わる内容があった場合は該当箇所を書き換えて掲載する事があります。

テキスト『ストラテジー&イノベーション』第4章1~3の要約。
A4用紙1枚程度、記述形式は自由、ファイル形式はword。
(2023/5/20 提出)

第4章 競争戦略 1~3節

概要

第3回の学習範囲はポーターのポジショニング・ビューによる戦略に焦点が当てられている。今までの授業で学んだ下記を踏まえて要約に取り組む。
1.「競争戦略」は言い換えると「事業戦略」である。
2.第2回までの「全社戦略」はトップマネジメントが担うのに対して、「事業戦略」とはミドルマネジメントが担う領域である。
3.ポジショニング・ビューによる戦略は外部環境を重視する考え方である。
上記3点をまとめると、ミドルマネジメントが各事業・製品について外部環境を分析しそれに対してどう振る舞うかという事が今回の学習のポイントであると考えた。以下に1~3節をそれぞれ記載する。

4章1節.有利な環境の発見と適合

当該企業の製品や製品群が属している業界の構造によって企業の収益力が異なり、利害関係者たちが自分たちの利益を最大化するために様々な行動をとるとして5つの競争要因としてまとめられている。
この考え方では各要因が脅威であると捉え、脅威が少ない業界の方が収益率が良いという考えである。
また、業界の中には集中度とブランドの確立によって戦略グループというものがあり、グループによって参入のしやすさが異なる。そしてグループ間にも障壁があり移動が容易ではない事が示されている。
Q:5つの競争要因を分析する事で、製品ライフサイクルにおいての「導入期」「成長期」「成熟期」「衰退期」のどれに該当するか見えてくるのではないか。

4章2節.環境適合の基本競争戦略

4章1節にある通り、企業は5つの競争要因からの脅威にさらされているため、競争優位性が必要となる。その具体的な方法としてコストリーダーシップ、差別化、集中化、そして後者2つをミックスした差別化集中の4つが競争優位として挙げられている。
コストリーダーシップとは規模の経済や範囲の経済、経験効果などを活用しコストで勝負する考え方である。
差別化とは価格で勝負せずブランドや製品特性などで勝負する考え方であり、差別化によって競合他社との競争が回避可能となる。
集中化とはある特定の層、ニッチな層をターゲットに勝負する考え方で、集中化した中にもコストリーダーか差別化という切り分けが存在する。
一方で、コストか差別化のどちらかに特化しなければならないという事ではなく「コストー品質のフロンティア」の考え方から、双方のバランスが比較優位となっていれば競争力はあると言える。
Q:モエヘネシー・ルイヴィトンのように、コストリーダーかつ差別化にも成功した、両方の競争優位を兼ね備えた圧倒的な存在もあるという考え方で良いか。

4章3節.市場地位別の戦略

市場地位別戦略とは業界内でのシェアから自社の立ち位置を割り出し、取るべき戦略を見つける考え方である。
シェアの大きい順に「リーダー」「チャレンジャー」「ニッチャー」「フォロワー」となる。
リーダーは市場全体の拡大やシェア防衛が取るべき戦略となる。
チャレンジャーは差別化による攻撃またはリーダーとの共生を目指す。
ニッチャーは狭いセグメントを狙う戦略を取る。競争優位性にもあった集中化と同様である。他社が同一セグメントに参入して来ないか常に目配りをする必要がある。
フォロワーはリーダーやチャレンジャーとの競争に巻き込まれないようにする事が肝心であり、彼らが魅力に感じないセグメントを狙う事になる。
節の最後には、ポジショニングによる自社ブランドの立ち位置を見える化する事の重要性と、ブルーオーシャンで市場展開する事のメリットについて紹介されている。
Q:フォロワーの取るべき戦略については、リーダーがブランド価値の棄損を嫌がって参入を嫌がる安価な代替品で勝負するのが主な戦略であると理解したが、リーダーがサブブランドなどを作成し参入してきた場合にどのように対抗するのが良いか。
例:ファーストリテイリングがGUブランドで更なる低価格への参入。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?