10年前の自分に会えるとしたら


10年前の自分に会えるとしたらきみは何を言ってあげたい?

cinema staff / overground


激動の20代を生き抜き、迎えた30歳。

今は毎日が楽しくて、ここまで生きてきた自分のすべてを肯定できる。

そしてやっと今ここから、自分の人生をもう一度始められる気がしてる。


こんな未来が来るなんて話してもきっと信じない20歳の私へ、今だから言えることがある。




大人になればなるほど、人生は面白い。


自分がどれほど未熟か、思い知りながら生きていく20代。

失敗する。恥をかく。後悔する。人を傷つける。自分も傷つく。

でもどんな経験も最後には味方になる。正しく向き合えば、味方にできる。

そしたら前よりマシになった自分に出会って、また一つ自分が好きになる。

だから存分に苦しみたまへ。




他人と同じ形の幸せは必要ない。


自分が持たざるものであることを思い知らされる20代。

周りが当然のように与えられているものが、自分には決して手に入らないと感じる。

自分には人並みの幸せなんて一生手に入らないように思えて絶望する。

でも人並みの幸せなんてものはない。


幸せとは、誰と過ごし、その人に何を与えられるかということだから。


だから幸せになるための条件なんてない。必要ない。

欠乏の苦しみさえ、それはいつか誰かを幸せにするための糧になる。




持たざるものでも、何を失ったとしても大丈夫。

理不尽に奪われ、壊されることが続く20代。

たったひとつのささやかな願いも叶わない。

心ない侮辱の言葉を浴びせかけられる。

自暴自棄になる。悔しくて無力感で心を壊す。


それでも本当に価値あるものは、何一つ失っちゃいない。

本当に価値あるものは奪われたり失くしたりしない。

私が私として生まれてきたこと。私として生きていること。それだけで人生は最高だ。

あなたは本当に最高なんだよ。

私が私で本当に良かったよ。




そして、何があっても音楽だけは裏切らない。


人間は裏切る。形あるものは壊れる。帰る場所なんてない。

でも音楽は誰にも奪えない。

音楽は自分の中にある。どこにでも持っていける。いつでも生み出せる。人に渡せる。受け取れる。

どんな孤独にも寄り添ってくれる。そして音楽がまた他者と自分を繋いでくれる。それはこれからもきっと変わらない。

どんなときだって私には音楽がある。




全部全部、自分で経験して悩んで苦しんでその先に見つけたことだから、今こうやって前を向ける自分のことが本当に誇らしい。


10年後の自分に会えるとしたら、私は何て言うだろう。

これからの10年で私は一体何を経験し、どんなふうに変わるだろう。

本当に本当に楽しみで、希望で胸がいっぱいだ。

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