アゼク (The Azek Company; $AZEK)について

出典：https://s2.q4cdn.com/941338550/files/doc_financials/2020/ar/The-AZEK-Company-2020-Annual-Report-vF.pdf

概要

The AZEK Company Inc. は、美しく、メンテナンスが容易な住宅用・商業用建築資材の設計・製造で業界をリードする企業です。

前身会社は2013年8月15日に設立されましたが、IPOに伴い、デラウェア州法人となり、2020年6月11日に社名をThe AZEK Company Inc.に変更しました。

ホームオーナーは屋外スペースへの投資を続けており、長持ちする製品の大きな利点をますます認識しており、従来の素材、特に木材からの需要を変えつつあります。

AZEKは各製品カテゴリーの売上高では、市場シェアの上位2位以内に入っています。

アウトドアリビング製品に加えて、パーティション、ロッカー、ストレージソリューションなど、商業市場で販売される高度な技術を要する製品を幅広く販売しています。

最新のスタイルやデザインのトレンドに、差別化された材料科学の専門知識と独自の生産技術を組み合わせた革新的な新製品を開発することで、プレミアムブランドとしての評価を獲得してきました。

持続可能性のために、プラスチック廃棄物、再生木材、スクラップなどを製品に利用するケースが増え、コスト削減にもつながっています。ティンバーテックPROおよびEDGEデッキラインは、約80％のリサイクル材を使用した高品質な製品を提供しています。

リサイクルプログラムにより、2020年度には約4億ポンドの廃棄物やスクラップが埋立地から回避されました。さらに、発生したスクラップの約98％は再利用されており、ティンバーテック、AZEKエクステリア、バーサテックスの製品の大部分は耐用年数が終了した時点でリサイクル可能です。

業界について

アウトドアリビング市場は、デッキ、手すり、トリム、ウッドサイディング、ウッドルックサイディング、ポーチ、ペイバー、屋外用家具、屋外用キャビネット、屋外用照明などの市場を指し、アウトドアリビングスペースの実用性を高め、美観を向上させるために設計されています。

消費者の環境意識はますます高まっており、当社の持続可能な製造方法とリサイクル率の高い製品は、進化する消費者嗜好に対応していると考えています。

住宅用デッキ、手すり、エクステリアトリム製品の米国市場の総売上高は2019年には76億ドルとなり、2014年から2019年にかけて、6.5％のCAGRで成長しました。

アウトドアリビング市場の個々の構成要素については、2019年のデッキ、手すり、エクステリアトリム市場はそれぞれ約33億ドル、約22億ドル、約21億ドルでした。数量ベースでは、2019年のデッキ、手すり、エクステリアトリム市場は、それぞれ約33億ドル、約1億6,000万ドル、約20億リニアフィートとなりました。

コンポジットデッキ（ウッドコンポジットとセルラーPVCデッキを含む）、手すり、エクステリアトリム製品は、その優れた製品品質と低メンテナンス性により、他の素材と比較して市場シェアを拡大し続けています。

2014年から2019年の間に、複合材製のデッキ、複合材製およびアルミニウム製の手すり、PVC製のトリム製品は、合計で年率10.0%で成長したのに対し、木材を使用して製造されたデッキ、手すり、トリムは年率5.8%で成長しました。複合材製品の市場は、材料転換の恩恵を受けて、今後も市場を上回る成長率で拡大していくと考えられています。

2019年時点で米国には約5,800万のデッキがあり、そのうち約550万のデッキが建設され、2014年の約410万から増加しており、年平均成長率は5.8%となっています。木材は米国のデッキ、手すり、トリム市場全体の約65％を占めています。

製品

現在、2つの報告セグメントである「住宅」と「商業」で展開しています。

・住宅事業

住宅事業部門では、デッキ、手すり、トリム、モールディング、アクセサリーなど、木材やその他の伝統的な素材からの転換を促進するエンジニアリング屋外生活製品を設計・製造しています。

主にキャップ付きの木質複合材やPVCで、メンテナンスが少なく、腐ったり反ったりせず、水や虫、シミ、湿気、カビ、カビ、傷に強く、保護のための塗装や染色を必要としないため、美観は似ていても機能的には完成された木材よりも優れています。

業界最長の保証期間や、流行のカラーパレットやスタイルを包括的に取り揃えていることから、コントラクターのロイヤルティを高めています。

2020年度の住宅事業部門の売上高は7億7,120万ドルで、全売上高の約86％を占めています。

住宅分野は、連結売上高の約62％を占めるデッキ・レール・アクセサリー部門と、約24％を占めるエクステリア部門で構成されています。

住宅分野の製品需要は、主に補修・リフォーム需要に牽引されており、2020年度の住宅分野の売上高の約80％を占め、残りは新築需要に起因するものと推定しています。

・商業部門

米国を拠点とする共通の製造プラットフォームと素材技術を活用し、優れた美観を備えた低メンテナンス製品をさまざまな商業・産業市場に提供しています。

住宅分野と商業分野は、主に一方の分野で開発された新素材、新技術、新製品を、他方の分野の製造工程や製品に活用することで、相乗効果を発揮しています。

VycomとScranton Productsの2つの製品ラインがあります。

Vycom は、アウトドアリビング、グラフィックディスプレイや看板、レクリエーションや遊具、食品加工、海洋、化学産業など、さまざまな商業・産業市場の用途に向けて、持続可能でメンテナンスの必要がなく、長持ちするソリューションを提供するために設計された、高度にエンジニアリングされたポリマー材料の包括的な製品ラインを製造しています。

Scranton Products社は、主に学校や競技場、レクリエーション施設や商業施設向けに、持続可能でメンテナンスが容易なプライバシー保護や収納ソリューションを製造しています。

商業施設の建設活動や素材の転換、プライバシー重視の傾向などの好ましいトレンドが、需要を牽引しています。

2020年度の商業部門の純売上高は1億2,810万ドルで、純売上高全体の約14％を占めています。

決算

2021年度Q1の売上高は、2020年度Q1の1億6,600万ドルから4,620万ドル（27.8％）増加し、2億1,230万ドルとなりました。

この増加は、主に住宅分野の売上増加によるものです。住宅分野では36.8％増加し、商業分野では12.3％減少しました（いずれも前年比）。

商業分野の不振はコロナによる影響です。

売上利益率は、2020年度Q1の30.9％に対し、34.4％に増加しました。

2020年度の売上高は、2019年度の7億9,420万ドルから1億510万ドル（13.2％）増加して8億9,930万ドルです。売上高は、住宅分野では前年比17.7％増、商業分野では前年比7.7％減でした。