短歌 雑多
綺羅星がひとつひとつと落ちていく明日世界が終わるみたいに
鮮血が眩いばかりに彩った唇がそっと紡ぐ(さよなら)
掌がやわらかな闇をかき抱く明日が来るのを拒むみたいに
犬猿の仲だと言われる僕たちはおんなじシャンプーの匂いがする
僕たちはわかり合えない古のあの塔はもう崩れたのだから
漣に寄せてはかえす夜光虫手の届く場所に星空はある
生と死に埋められない溝があるなら飛び越えろ今腹をくくれよ
私だけ透明でない場所にいてすべてから忘れ去られていく
なみなみと小壜に詰めた涙みなしらたまになれ跡形もなく
何もかも忘れておくれその代わり21gだけ僕にくれ
了
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