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【ネタバレ】マリ=安野モヨコ考察 シン・エヴァンゲリオン劇場版 感想箇条書き



【ネタバレ】あり



シン・エヴァンゲリオン劇場版

感想の箇条書き
エヴァの解釈って、いろんなのがあった方が楽しかったよな、と思い出して、見当違いなのもあるだろうけど、思ったことを箇条書き。異論反論受けたら、文章を修正するかも、しないかも。


・第三村が「ジブリ」と書いてる人がいるけど、どう考えても「おおきなカブ」

https://annomoyoco.com/news/安野モヨコ描き下ろし、庵野秀明とカラー10年の歩/

https://m.youtube.com/watch?v=uqeU5a6YgCs

ジブリも含まれるけど、カラーそのもの。
「おおきなかぶ」をそのままエヴァに持ってきている。

・川で洗う野菜は「かぶ」

・シン・エヴァ は「おおきなカブ」を安野モヨコが描いたことで動き出したとも言えるのではないか。

・南極のパートは、庵野秀明版「おおきなカブ」

・安野モヨコは、「庵野秀明作品の観客」であり、「スタジオカラースタッフ」であり、「現実世界で庵野秀明と生きていく人」であり、メタファーとしての安野モヨコは至る所に現れる。だから、ずっと、君のこと大好きだよ、と言ってる映画でもある。

・第三村(カラー)=ヴィレ(カラー)
 黒い綾波(経営やアニメ制作のことを知らなかった安野モヨコ、それでも庵野秀明を好きだと言ってくれた安野モヨコ+理解のある観客)=ミサト(庵野秀明の妻としての安野モヨコ+カラースタッフ)=マリ(現実に庵野秀明と生きていく安野モヨコ)

・アスカ=かつてシンジを好きだった=かつて庵野秀明好きだった観客

・アスカ(観客)は、「メンタル弱すぎ」等罵声を浴びせながら(「ゴジラを作る前にエヴァを作れ」)も、ずっと復活を待っている。

・シンジ(庵野秀明)は、アスカ(いつか庵野秀明を好きだった観客)に、「好きだって言ってくれてありがとう。僕もアスカ(いつか浜辺で首をしめた観客)のこと好きだったと思う」

・シンジに自分を重ねられない人のために、アスカ(観客)にはケンスケ(宮崎駿)が用意されている。EOEのように「現実に帰れ!」ではなく、「嫌なら見るな」でもなく、「もし、自分の作品が楽しめなかったら、宮崎駿という素晴らしい作家がいるよ」とそっと手を差し伸べている。

・ヴィレクルー(カラースタッフ)から、エヴァに乗らんといてください誰かを傷つけて、自分も傷いて、それでもエヴァに乗るんですか?=エヴァを作らないでください。誰かを傷つけて、自分も傷ついて、それでもエヴァを作るんですか?

・ヴィレクルー(カラースタッフ)から、シンジ(庵野秀明)への銃弾を防ぐのはミサト(安野モヨコ+カラースタッフ)

・「おおきなカブ」で村の外に連れ出す「超・おじいさん(宮崎駿)」にあたるのが、相田ケンスケ。

・ちなみにTV版最終話でケンスケは、宮崎駿監督作品カリオストロのオマージュをしている。

・ケンスケ(宮崎駿)がシンジ(庵野秀明)に会わせたのは、加持リョウジ(声優としての庵野秀明・想像もしなかった新しい自分)

・ミサトが持っている写真で、シンジ(庵野秀明)は、加持リョウジ(新しい可能性の庵野秀明)と並んで照れ臭そうに微笑んでいる。シンジは加持リョウジをいい奴だったとも。

・アスカが、泣いてすっきりした?動けるようになったらケンケン(宮崎駿)の手伝いをしなさい、というようなセリフ。

・アスカ(庵野秀明作品に否定的な観客)は、
黒い綾波(庵野秀明作品に肯定的な観客)に
働かないの?(アニメを作らないの?)と聞かれて、
第三村(スタジオカラー。もしくはアニメの世界?)を守るのが仕事と言っている。

・黒い綾波が「名前がほしい」というのは、「おおきなカブ」で庵野秀明が安野モヨコに「畑の名前を考えてほしい」と言う場面とリンクする。立場は逆だが。

・シンジに食料を届けるのは黒い綾波。「おおきなカブ」で庵野秀明の食事の心配をするのは安野モヨコ。黒い綾波=安野モヨコ=庵野秀明作品に肯定的な観客

・黒い綾波が「ウォークマン(旧劇場版を作っていた庵野秀明=ゲンドウ=周りの音を遮断した世界)」を、シンジに渡す。

・ゲンドウ=旧劇場版を作っていた庵野秀明

・ゲンドウ(旧劇場版を作っていた庵野秀明)とシンジ(新劇場版を作っている庵野秀明)が、戦っても勝負がつかない。だから、
話し合いで決着をつける。

・綾波(肯定的な観客)は、アスカ(否定的な観客)と対になっている。

・髪の毛の長い綾波は、ツバメの人形(シンジの子どもがほしいという願望=庵野秀明の作品が見たいという願望)を持っている。

・髪の毛の長い綾波(肯定的な観客)は「破」で、シンジ(庵野秀明)が救い出した。

・髪の毛の長い綾波(肯定的な観客)と、シンジ(庵野秀明)は握手(仲良くなるためのおまじない)をする

・「破」で、綾波とシンジの蜜月を止めたのが渚カヲル。
じゃあ、渚カヲルはなんのメタファーなのかと考えて(一回「富野由悠季か」とも思ったけど違う)、規格外のメタ的視点を持つとなると「アニメそのもの(+庵野秀明が好きな作品群)」かなと思う。

・渚カヲル(アニメ)は、何回もシンジ(庵野秀明)を「幸せ」にしようとしてきたけど失敗する。渚カヲル(アニメ)は、シンジ(庵野秀明)を幸せには「出来なかった」。

・シンジを救ったのはマリ(現実の安野モヨコ)。

・シンジ(庵野秀明)は、渚カヲル(アニメ)と握手(仲良くなるためのおまじない)をする。実写だけでなく、また新しいアニメも作る宣言。

・渚カヲル(アニメ)は、大人加持リョウジの上司。
大人加持リョウジと子供加持リョウジは同じ名前。
子供加持リョウジ(声優をした庵野秀明、新しい可能性の庵野秀明)の父の上司が渚カヲル(アニメ)

・マリは安野モヨコと言われていて、その通りだと思うけど、マリは「現実世界」の象徴だと思う。

・マリは匂い(アニメでは表現出来ないもの=現実)を感じることができる。「現実世界の昭和歌謡」を歌う。(でも、TV版でシンジも匂いを感じてた)

・アニメの記号になるシンジ(アニメの記号になる=生きていない庵野秀明)を助けるのは、マリ(現実世界の安野モヨコ)

・マリはシンジを「ネルフのワンコ君」と呼ぶ。渚カヲルがアニメの象徴。その組織のゼーレ。ゼーレの下のネルフ。ということは、「アニメの組織の手先」と言われているということ。

・「VOYAGER〜日付のない墓標」を歌うのは林原めぐみ。「マリ」ではない。そして、髪の毛の長い綾波か、黒い綾波か、ユイかの判断がつかない。でも、これはユイ。

・ユイは劇中で台詞がないが、「VOYAGER〜日付のない墓標」がユイのゲンドウ(旧劇場版を作っていた庵野秀明)に対する台詞だと解釈すると、ぴったりはまっている。泣ける。

・シンジが長い時間をかけて手に入れた世界≒現実世界(本当の現実世界にはエヴァンゲリオンがあるので)

・ミサトは、シンジの母親代わり、加持リョウジの母親なので、庵野秀明の母親代わりになる人物のメタファー、と考えると、やっぱり安野モヨコ。

・ミサトはヴンダーの艦長なので、スタジオカラーの取締役としての安野モヨコ。

・安野モヨコが命がけで、新しい槍(新しく世界を作りかえる槍)を届けてくれる。

・言葉を失ったシンジを助けたのは黒い綾波(アニメ制作を知らなかった安野モヨコ)、裏宇宙で新しい槍を届けてくれたのはミサト(スタジオカラー取締役としての安野モヨコ、母のように接してくれた安野モヨコ)、アニメ記号になりそうなのを助けてくれたのはマリ(現実世界で一緒に生きていく安野モヨコ)

・言葉を失ったシンジを助けたのは黒い綾波(安野モヨコ)、裏宇宙で新しい槍を届けてくれたのはミサト(安野モヨコ)、アニメ記号になりそうなのを助けてくれたのはマリ(安野モヨコ)


結論シン・エヴァンゲリオンは、安野モヨコへの壮大で熱烈なラブレターである。

(でも、安野モヨコは常に「庵野秀明作品の肯定的な観客」でもあるので、「庵野秀明作品の肯定的な観客」への壮大で熱烈なラブレターにもなっている)


シンジ=庵野秀明
綾波=肯定的な観客=安野モヨコ
アスカ=否定的な観客
ケンスケ=宮崎駿
加持リョウジ=声優としての庵野秀明
渚カヲル=アニメ+庵野秀明が好きな作品群
マリ=現実世界=安野モヨコ
第三村=おおきなカブ=スタジオカラー
ヴィレ=スタジオカラー
ミサト=スタジオカラー取締役としての安野モヨコ=母親のように庵野秀明に優しくしてくれた安野モヨコ

冬月=摩砂雪または大月俊倫プロデューサー

リツコ=鶴巻和哉または轟木プロデューサー


追加 

アスカ(否定的な観客)は、使徒。左目の封印で抑えている。

冬月=ゲンドウの腹心=旧劇場版を作っていた庵野秀明の腹心=摩砂雪または大月俊倫プロデューサー

リツコ=ミサトの腹心=スタジオカラー取締役としての安野モヨコの腹心=鶴巻和哉または轟木プロデューサー

冬月とリツコは対になっている。リツコの「さすが冬月指令ね」の台詞からもそれが伺える。どちらも、片想いの叶わぬ恋を受け入れて静観している(ように見えて、ずっと諦められずにいる)。

ポスターは心の距離を表現している。
シンジに一番近いのがマリ。
シンジに次に近いのが、レイとユイとアスカ。
アスカに近いのがマリ。ポスターを繰り返す(重ねる)とケンスケも近くなる。
ゲンドウに一番近いのがユイ。次に近いのが冬月。あとは円を描くように等間隔にシンジたちが並んでいる。

タイトルの繰り返しの記号は、カヲルが何回も世界をループしていることをさらっと触れただけだったけど、実際には、漫画版、ゲーム版、小説版、実写映画版、同人誌版等、全てのエヴァンゲリオンをループしている設定だったと思われる。でも、これは、シン・エヴァが公開されるまでに、劇場版エウレカで完璧に使われてしまったので、さらっと触れるだけになっている(エヴァを踏襲していたエウレカが、エヴァ公開が遅れるなかで、エヴァの内容を先取りしたことは興味深く、さらにはエヴァの内容を書き換えさせたのは大きい)。


以上


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