テアトル・エコーSIDEB公演『ギラギラの月』感想※ネタバレあり

テアトル・エコーSIDEB公演
『ギラギラの月』

面白かった!
少女漫画家志望とひとくちに言っても、それぞれいろんな悩みや価値観を持っているのが、リアルだった。連載が決まった人、なかなか芽が出ない人、過去の栄光を越えられない人、違う道が見え始めている人。仲間と夢を追っていたときを思い出して、そういった悩みさえ羨ましく思えた。そして何より、描かずにはいられないほど漫画が好きだという彼女たちの情熱が、いったいどこから来ているのか知りたくなった。

三億円事件や学生運動で世間が湧いていた時代。
誰もが、不満のある世の中に一石を投じたいと情熱を抱えていたのだろう。途中から、何をしているのか分からなくなりながらも、自分という存在が、この世に生まれ、懸命に生きていることを誰かに、もしくは世の中に、認められたかったのだろう。彼女たちにとっては、その手段が、漫画を描くということで、情熱の源だったんだなあ。

笑えるシーンも多く、俳優さんの声の使い方の巧みさが、より一層面白くしていたのが凄い!

電話などの小道具や服装が、当時の人々の暮らしに即していて新鮮。入り口には漫画家三原陽子さんの貴重な原画が展示されていた。

もう一度演じることに挑戦するため、いろいろな作品を見ているが、夢を追う人々を描いた芝居は、とても親近感が湧いて楽しい。


最後まで読んでいただきありがとうございます。 これからもいろいろな作品・体験に触れ、日々の活力にしていきたいなと思います。よろしくお願いします。