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ただの

母が出掛けたので、祖母と2人。

とりあえず、高校のレポートをやらないといけないらしい。

1問目をみた瞬間に、早くもストレスが募り、腕は蕁麻疹だらけ。

早い。早すぎる。まだ解いてもいない。

ただ、ストレスを感じるとすぐにそうなる親切設計・親切仕様には我ながら感心する。


あまりにもストレスがすごいので、少しでも軽減させようと、さくらの隣でレポートをやってみる。

自分と同じでそばにずっと人がいるという状況が好きではない子なので、多少イラっとしていたかもだが仕方がない。

あと、常に歌ってストレスを発散していないと我を保てないから、それがただの睡眠妨害だったかもしれない。

その点についても深くお詫び申し上げたい。

ただ、おかげで放置していたレポートも少しは進んだ。

面倒くさい問題はぜんぶ空欄のまま提出したけれど、まぁそれはいいとしよう。


少し日の暮れた夕方。

祖母がさくらの散歩に行くらしいので、運動がてらついて行く。

新品のカメラは、右手にしっかりと収まって良い。

ふと、近いようで遠いような、そんな場所から消防車のサイレンが聞こえくる。

つまらないぐらいに静かなこの町は、それだけでなんだか世紀末のように感じられた。


いつも、近くの公園に寄る。

バスケットのゴールに、一生懸命ボールを投げ込む少年の姿。

「もう行くよ」

母親のその声に被さるように駄々をこねて、ただひたすらに投げ込みつづけていた。

そんな子供の様を見ていると、少し胸が苦しくなるのはなぜだろう。

あと少し届かないボール。

遠くて分からないけど、呆れているようにも映る両親の影。

私はただ、

のちに彼は、日本を代表するプロバスケットプレーヤーへと成長していくのだった…

みたいな、漫画でしか見たことないサクセスストーリーを脳内で描くだけだった。


そんな1日。そんなただの日記。

あっ、あと、夜に食べたココイチのカレーがやはり美味しかった。

食べながら、なぜかさくらに、裏切られたかのような目でじーっと見られていた。

#ぐれーのぱーかー #日記 #エッセイを書く

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