マガジンのカバー画像

お城のトビラ

14
日本各地のお城を収録。現存天守から復元・復興天守に大名庭園といろいろ。
運営しているクリエイター

2024年7月の記事一覧

島津四兄弟 末弟の居城 佐土原歴史資料館と天昌寺跡 宮崎県宮崎市

超有名な観光地でもなく、SNS映えする写真スポットという訳でもないと言えばやや失礼かもしれません。田舎へ行くと「人がやさしい」というフレーズがフツーに使われますが、それは旅行者に対してであって住んでみると地域独特のルール等ややこしいコトもあります。 一方、相手で区別しない子供とのやり取りや、きれいに掃除された路地や公共スペースから受ける印象は、その地域をそのまま表現しています。 小さな城下町の良いトコロは、ヨソモノがその濃さや気風に気が付きやすい点でしょう。 島津家は九州最大

キリシタンの島のお城と磁器 富岡城・高浜焼:上田家庄屋屋敷 熊本県苓北町・天草市

バスや鉄道の路線廃止や減便がニュースとなってきているここ数年。理由は人口減少や利用頻度の減少等、そうだよねーとごもっともなハナシ。 一方、交通の便があまりよろしくないトコロにもノコノコ出かけていく自分(スケジュールの自由度優先からほぼ自走)。好んでそういう場所を選んでいる訳ではありませんが、見たいモノやコトがあればスルー出来ません。 そして「こんなトコロもう来ないだろうな」と思った場所に限って、意外と再び訪れるという妙な法則があるような、ないような。 今回は九州の大きな島にあ

龍造寺から鍋島35万石へ 佐賀城 高伝寺 徴古館 佐賀県佐賀市

江戸時代の九州には国主クラスの大名が数家ありましたが、九州の地生えは薩摩島津と肥前鍋島の2家。どちらも明治維新の主要キャストです。共通するのは交易を通して海外の知見をいち早く取り入れていた点。現代では福岡あたりがアジアの玄関口をアピール(博多は古くからの大陸系の窓口)。 またキリスト教伝来は九州が起点ですが、受け入れた大名家たち(豊後大友や肥前大村や有馬)とは違って、島津と鍋島(龍造寺)はキリスト教には消極的だった点も同じです。 今回は主家から権力移譲され大名化した珍しい成り

ソフトパワーで城主の座についたさんじゅーろー 備中松山城 頼久寺 岡山県高梁市

日本の各地にある多くのお城。なかでも現存天守と呼ばれる江戸期以前に建てられた天守を擁するお城は全国に12城、いずれも国宝か重要文化財指定です。お城好きが最初に目指すべき分かりやすい目標。 国宝の姫路、松本、松江、彦根、犬山の5城(市の人口数順)は知名度も充分でしょう。そして重要文化財は松山、高知、弘前、丸亀、丸岡、宇和島、備中松山の7城。丸岡と備中松山は、城名と所在地の市名が違うので知名度にはややキビシイかもしれません(ドコそれ的な)。ちなみに丸岡城は福井県坂井市にあるお仙泣