ぜんぶ君のせいだ。……アイドルディスクレビュー#14(10/4〜10/10)

1週間でリリースされたアイドルによる楽曲のうち、個人的に気になった楽曲をピックアップしてレビューをしていく連載の第14回。今回は「ぜんぶ君のせいだ。」の1組を取り上げます。

・ぜんぶ君のせいだ。『Heavenlyheaven』(10月6日リリース)

「病みかわいい」をヴィジュアルコンセプトに活動するアイドルグループ・ぜんぶ君のせいだ。が今年1月にメイユイメイ、个喆という新メンバーを迎えリリースした12thシングル『堕堕』以来となる新作をリリース。今回は新たに「サリシノハラ」「ロキ」など数々のヒット曲を生み出してきたみきとPを作曲として迎えているが、ぜん君のダークでキュートな世界観と見事にマッチしており、新生ぜん君の幕開けの到来を予感させる攻めた楽曲となった。まず、目を引くのが淡々とした語りから繰り出される豪快なシャウト。1番Aメロの踊れる小気味よいベースラインに心地よさを感じつつ、サビは完全にポップに振り切っていて、それによってヘヴィなシャウトが良いアクセントになっている。楽曲のアレンジとしては特にサイケっぽいサウンドを織り交ぜたDメロからの大サビは何ともドラマチック。ポップなサウンドの中に唐突に挿入される怪しげなサウンドはまさに"病み”を象徴している部分だろう。歌詞にもぜん君らしいねっとりと纏わりつくような重々しさがあるが、みきとPのサウンドメイクのおかげもあり楽曲全体としては非常にポップな作品に仕上がっている。彼女たちの楽曲を多く手掛けてきたsyvaによるカップリング曲「live生live」は"シュプレヒコール”や"シンガロング”など歌を大勢で共有するフレーズにもあるように、ライブ映えが期待される楽曲でこちらもまたいい。

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