NGT48、#ババババンビ、豆柴の大群……アイドルディスクレビュー#25(12/20〜12/26)

1週間でリリースされたアイドルによる楽曲のうち、個人的に気になった楽曲をピックアップしてレビューをしていく連載の第25回。今回は「NGT48」「#ババババンビ」「豆柴の大群」の3組を取り上げます。

・NGT48『ポンコツな君が好きだ』(12月22日リリース)

3年半ぶりに荻野由佳卒業コンサート『私をアイドルにしてくれてありがとう』で朱鷺メッセに立ったNGT48。これまでグループを引っ張ってきた顔とも言える存在の卒業を経て、新シングルのセンターには前作から引き続き2期生の小越春花が立った。タイトルトラックの作曲を務めたのは乃木坂46などでも馴染みのある杉山勝彦。切ないピアノイントロでどこか懐かしさを感じさせるメロディと、〈肩の力を抜こうよ きっと息苦しくなるから〉と何かと気を張って窮屈になってしまいがちな社会の空気感の中に手を指しのべてくれる歌詞が「もっと気楽にそして自由に生きよう」と寛容な気持ちにさせてくれる。地元密着型のグループらしく、新潟の花火をテーマにした美しいドラマ仕立てのMVも素敵だった。

メンバーからのメッセージが心に染み渡る荻野由佳の卒業ソング「私が一番言いたかったこと」、『炎の天狐 トチオンガーセブン』に挿入歌で、作品の世界観が再現された「僕らのトチオンガー」、川越紗彩・古舘葵・三村妃乃の3人が美しいハーモニーを聴かせている「情熱の電源」がカップリング曲として収録。

・#ババババンビ『七人七色』(12月22日リリース)

7月に1stアルバム『強く儚い大馬鹿者たち』をリリースした#ババババンビが、これまでデジタルシングルとしてリリースしてきた楽曲たちを個別にパッケージングして同時リリース。その数なんと12枚というのだから驚きだ。だがアイドルファンにとっては手にとって楽しめるという意味では嬉しいだろう。彼女たちの代名詞でもある「ばばばばんびずむ~!」や「恋のキャンディ」を始め、「アイノハナ」や「カノン」などが収録され、これまでの#ババババンビの歩みを歴史とともに辿ることができる。

アルバムには収録されておらず、今回が初のフィジカルとなる「恋するうさぎちゃん最強伝説」を今回はあえて触れさせていただきたい。同曲は気持ちの良い高揚感のあるビート、歌詞に描かれる可愛らしいポップな世界観と、王道アイドルに振り切った楽曲になっており、新たなキラーチューンとなりそう。「馬鹿騒ぎ」をコンセプトにするグループらしく、閉塞感のある社会に光を照らしてくれる楽曲ばかりで、多くのリスナーに希望を与えているはずだ。

・豆柴の大群『昨日は戻らない/恋のフルスイング』(12月22日リリース)

今年で結成から2周年を迎えた豆柴の大群。柏木由紀とのコラボプロジェクト「柏木由紀なりのWACK」やファーストサマーウイカをゲストに迎えて楽曲をリリースするなど、今年も意欲的な挑戦をしてきた彼女たちがメジャー2ndシングルとなる『昨日は戻らない/恋のフルスイング』をリリースした。「昨日は戻らない」は、イントロから〈Woah〜〉と力強い歌声が響き渡り、疾走感のあるメロディで駆け抜けていくストレートなアッパーチューン。〈ウジウジしない 言い聞かせて 笑おう〉というメッセージがバシッと力強く背中を押してくれる。

クロちゃん作詞による「恋のフルスイング」は、ベルの音が鳴り響くクリスマス感溢れるこの季節にぴったりなサウンドになっている。だが、クロちゃんらしさ全開の風変わりな歌詞によって、それは王道クリスマスソングといった感じではなく、変化球の楽曲になっているのが特徴。毛色の異なる2曲をぜひ楽しんでみては。

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