わーすた、フィロソフィーのダンス……アイドルディスクレビュー:Vol.7(8/16〜8/22)

1週間でリリースされたアイドルによる楽曲のうち、個人的に気になった楽曲をピックアップしてレビューをしていく連載の第7回。今回は「わーすた」「フィロソフィーのダンス」2組を取り上げます。

・わーすた『詠み人知らずの青春歌』(8月18日リリース)

2021年12月末でグループからの卒業を発表している坂元葉月のラストシングルとなるわーすたの『詠み人知らずの青春歌』。前作の『春花火』では繊細なメロディとボーカルが映えるスロウバラードとなっていたが、今作は夏の爽快な風を感じさせるミディアムナンバーとして、坂元の卒業ソングではあるものの、多幸感溢れる楽曲になっている。王道J-POPの要素が散りばめられたメロディのなかで、切なくも高らかに歌い上げるメンバーの歌声が見栄えのする一曲。打ち込みがふんだに使われたポップな「雨のキモチ」は、「ぴちゃぴちゃ」といった擬音がとても可愛らしく、サウンドのアレンジも印象的。歌声を聞かせるバラード曲も、王道アイドルのような可愛らしい楽曲も引き立てるわーすたメンバーの表現力が凄まじい。

・フィロソフィーのダンス『ダブル・スタンダード』(8月18日リリース)

2020年にメジャデビューを果たしてからというもの、本格的なR&Bとファンクを下敷きにした強固な音楽性で支持を広げているフィロソフィーのダンス。メジャー3rdシングルとなる『ダブル・スタンダード』は、自身初のタイアップとなるTVアニメ『魔法科高校の優等生』のエンディングテーマに起用されている。ゴージャスなストリングスとホーンサウンドに加えて、妖艶なボーカルが楽曲を深みのあるものしていて、さすがフィロのス。思わず踊りたくなるダンスナンバー「ウェイク・アップ・ダンス」と夏の淡い恋心をシティポップに乗せて歌った「サマー・イズ・オーバー」など、カップリングにも上質なポップスが並んでおり、どれをとっても抜かりがない。今作もまたアイドルのキュートなポップさと本格的な80年代サウンドの2つを両立させてきたフィロのスらしいラインナップだ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?