SKE48、buGG、B.O.L.T……アイドルディスクレビュー:Vol.9(8/30〜9/5)
1週間でリリースされたアイドルによる楽曲のうち、個人的に気になった楽曲をピックアップしてレビューをしていく連載の第9回。今回は「SKE48」「buGG」、「B.O.L.T」の3組を取り上げます。
・SKE48『あの頃の君を見つけた』(9月1日リリース)
グループの顔として長きに渡り引っ張ってきた松井珠理奈の卒業から半年後にリリースされたSKE48のニューシングルは研究生の林美澪がセンターに抜擢。「ごめんね、SUMMER」や「パレオはエメラルド」など数々の夏曲を送り出してきたSKE48が今年の夏もまた爽やかな夏曲を届けてくれた。楽曲はSKE48のアイドル性が大いに反映されたキラキラ青春ソングだが、何と言っても初センターの林美澪のフレッシュな存在感が非常に印象的。〈真っ白な半袖のシャツが眩(まぶ)しいのは 太陽のせいじゃなくて その若さだ これから何でもできる未来はいつだって 輝いて見えるよ〉という歌詞は12歳でセンターに抜擢された林とSKE48の未来を表しているかのよう。カップリングで注目したいのは林を含めたフレッシュな7人が参加している「青空片想い(2021 ver.)」。SKE48の往年の名曲が11年の時を経て蘇る。
・buGG『My Fight Song』(8月31日リリース)
パンクサウンドを押し出した音楽性でアイドルファンから支持を広げつつある7人組アイドルグループbuGG。終始歪んだギターを堪能できるエッジの効いたサウンドと未来へ向かって突き進もうとするポジティブな歌詞が実に心に沁みる。「Shake it!Shake it!!!!!!!」ではアイドルらしい柔らかさも楽曲の雰囲気に反映されていたが、本作は完全にロックサウンドに移行したことでライブパフォーマンスでこそ真価が発揮されるだろう。一方の「Hi-着火-メッチャ-Ka」は、メンバーによるラップや言葉遊び、目まぐるしく変わる曲調が印象的なアッパーチューン。“予測不可能な自由奔放系アイドル”を掲げるbuGGらしい楽曲だ。
・B.O.L.T『Attitude』(9月1日リリース)
7月に2周年を迎えたB.O.L.Tの2ndアルバム『Attitude』は、全11曲中9曲もの新曲が収録という意欲に満ちた作品に。本作ではMisaki(SpecialThanks)、Shun(TOTALFAT)、Jose(TOTALFAT)、松崎兵太(SHANK)、ツキダタダシといった錚々たる面々が楽曲に参加しており、B.O.L.Tの世界観を華やかに彩る。2ndシングルでMisakiが手掛けて話題となった「スマイルフラワー」やテレビドラマ『どんぶり委員長』の主題歌「Don't Blink」など既出の楽曲を始め、本作のリードトラックで“食”をテーマにしたエネルギッシュでキャッチーな「Yummy!」、B.O.L.Tとしては珍しいゆったりとしたボーカルがしっとり響き合うミディアムナンバー「Hear You」など多彩な楽曲によって、前に進もうとするB.O.L.Tの現在地が描き出されている。そしてラストトラックにはDragon Ash「HOT CAKE」のカバーが収録。B.O.L.Tらしいサウンドにアレンジされつつも、ボーカルの節々からは原曲へのリスペクトがひしひしと感じられるので、ぜひDragon Ashのファンにも聴いてほしい一曲だ。
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