クマリデパート、BOCCHI。、CANDY GO!GO!……アイドルディスクレビュー:Vol.1(7/5〜7/11)

1週間でリリースされたアイドルによる楽曲のうち、個人的に気になった楽曲を3曲ピックアップしてレビューをしていく連載を始めてみます。今週取り上げるのは「クマリデパート」「BOCCHI。」「CANDY GO!GO!」の3組。

・クマリデパート『限界無限大ケン%/Furniture Girl
』(7月6日リリース)

2016年に結成後、キュートでポップな世界観でアイドルとして着実にキャリアを積み上げ、2021年6月には初のホール会場となったLINE CUBE SHIBUYAにてワンマンライブを開催、ここにきて大ブレイクの予感を感じさせているクマリデパート。通算7枚目のシングルとなる『限界無限大ケン%/ Furniture Girl』は、グループにとって初の両A面シングルとなっており、世界観の異なる2つの楽曲が楽しめる。「限界無限大ケン%」は、クマリデパートファンならばもはやお馴染みのサクライケンタと玉屋 2060%による強力すぎるタッグが再び実現したゴリゴリのアッパーチューン。前作「シャダーイクン」でも強烈な印象を残したが、クラップに始まりハイテンポに展開が入れ替わるメロディなど、2人の強烈な個性が混じり合い、これまたライブ映えしそうなインパクトのある楽曲に仕上がった。一方で「Furniture Girl」は初のアイドルソングを手掛けたという☆Taku Takahashi(m-flo)とサクライケンタがタッグを組んでおり、エレクトロポップなサウンドを特徴とした新機軸ともいえる一曲。大人びたクールなサウンドメイキングに、モノトーンの衣装でしとやかに歌い上げるボーカルが実に新鮮だ。本作で音楽性の幅を広げたクマリデパートの今後が楽しみ。

BOCCHI。LINK/B.BABY!!』『夏初月~Natsuhazuki~/君は魔法』(7月7日リリース)

2020年11月に結成されたばかりのアイドルグループ・BOCCHI。が2月にリリースした前作『お世話になりますボッチ。です。』に続き、ニューシングル『LINK/B.BABY!!』『夏初月~Natsuhazuki~/君は魔法』を2作同時リリース。BOCCHI。は「~BOCCHI。だから“ぼっち”じゃない~」をコンセプトに、力強いメッセージ性のある楽曲で人気を集めているアイドルグループだ。エッジの効いたギターサウンドと背中を押してくれる歌詞が特徴的な「LINK」、"I LOVE YOU BABY”とストレートに歌われる疾走感のあるナンバー「B.BABY!!」、対してこれまでにない明るく爽やかなナンバー「夏初月~Natsuhazuki~」、切ない恋愛を力強く歌い上げる「君は魔法」と、多様な楽曲が収録されている。結成から8ヶ月ながら確実にパフォーマンスは進化しており、これから先の成長が楽しみな存在だ。

・CANDY GO!GO!『Understeer』(7月7日リリース)

渋谷を中心に活動する"日本のROCK女子”CANDY GO!GO!が2021年第一弾シングルとしてリリースしたのが『Understeer』。昨年に結成10周年イヤーを迎え、2021年4月には延期されていたアニバーサリー公演「CANDY GO!GO! ~10years anniversary Series ”FINAL”” 「GIGS – XTRAILS」」を無事に開催し、心機一転して発表された本作は、これからの未来に向かって走り続けていくグループの決意が強く滲み出ていた。表題曲「Understeer」は、アイドルからロックユニットという変遷をたどってきた彼女たちにとって原点とも言えるようなポップなロックチューン。「過去にとらわれず、未来だけを見据えて進め」という楽曲のメッセージは新たなスタートを切った彼女たち自身の意思表示のようにも思える。カップリングに収録されている永瀬りか作詞の「Nothing Lose」「Color」の2曲と夏井さらが初めて作詞をした叙情的なミディアムナンバー「Precious」も必聴。

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