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犬は好きだ。

子供の頃に捨て犬を拾ってきて、こっそりと
物置で飼おうとしてバレて怒られたりもした。
飼いたくて飼いたくて仕方がなかったが、
両親が生き物は世話が大変だからと飼うのを
反対するから飼わずに生きてきた。

大人になり東京に上京すると、環境さえ許せば
いつでも飼えるようになったが、自分を喰わせるのが
やっとのしがないミュージシャン。
お犬様を飼う余裕など到底なく、
働けど働けどなおわが暮らし楽にならざりじっと手を見る、だ。
ま、筆者の場合はまったく働いていなかったが。

そして、現在、ザ・ハンター。兼業猟師、たまにプロレスラー。
飼える環境は整っている。
昔から大物猟、最高のステータスは一銃一狗と言われてきた。
一銃はハンター1人、一狗は猟犬1匹を指す。
猟師1人と犬1匹の単独猟、これが狩猟の最高峰と言われている。
一狗ニ足三鉄砲と言う言葉があるのだが、犬が1番大事で次にハンター、
銃は3番目という先人の教えの通り、大物猟での犬の重要性は筆者も
よくわかっているつもりだ。

現在、有害駆除期以外の猟期はほぼ忍び猟。
単独で山に入り、獲物の痕跡を追うスタイル。
犬を使う猟とはまったく別物。
元々このスタイルが好きで始めた狩猟ではあるが、
違うスタイルの猟も経験したい。一度しかない人生で猟師
(兼業ではあるが)という職を自らの生業として選んだのだから、
その猟にもっと深みを与えたい。一銃一狗を狙いたい。
以前から師匠に犬は面白い、犬を飼え、猟にも人にも深みが出る。
と言われてきたが産まれもった資質で良い猟犬に育つか、否かが
育たないとわからない宝クジのようなものに、
なかなか一歩踏み出せないでいた。
生き物を飼うという、大きな責任が生まれるのも
踏み出せない理由のひとつだった。

子犬から育て、愛着が出た愛犬、
猟犬としてはイマイチだから手離す!なんてこと、
筆者には出来ない。そうなると可愛いけど、猟犬としてはダメな愛犬と
生涯を共にしないといけない。

ハンターと猟犬、こういうイメージ。ワクワクが止まらない。

しかし、犬は好きだ。
そして、度々、猟仲間の一銃一狗に帯同するにつれ、
その奥深さや面白さにドンドンと惹かれ、
犬を飼いたい、猟犬を相棒として連れたいという欲が筆者の中で
ドンドンと大きくなっていく。

その折、師匠の名犬に来年、子を産ますという話があり、分けてあげるという話もあり、ドッグケージもあげる、とデッキバンに積むドッグケージもらったりで、急に物語が動き始める。

そうなれば、もうこっちは飼ったも同然である。
子犬とのきゃっきゃうふふな生活を想像したり、
ビニール袋とペットボトルを片手に持った散歩や、ドッグランでカプチーノ片手に優雅なひとときなどの夢が願ったり叶ったりなのである。

と、いうわけで来年、多分、猟犬が相棒として加わるのでどうぞよろしく。
相棒はきっと俺をもっと強くしてくれる。

相棒は犬である、名前はまだない。

ありがと!!