Ryuuta (音楽レーベルmakran producer/founder)

音楽レーベルmakranを運営。 Art-Director/Producer of m…

Ryuuta (音楽レーベルmakran producer/founder)

音楽レーベルmakranを運営。 Art-Director/Producer of makran 1995 東京 https://www.instagram.com/ryuuta_takaki/

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最近の記事

錦鯉の円相 - 音楽の回転について

音楽が産業化され大衆文化として熱を帯び、絢爛華美に多様なサウンドを解き放った時代、音楽は目眩い回転の中にあった。バイナルの回転、テープの回転、ヒットチャートの回転、ムーヴメントの周期的な回転、商業音楽が齎す収益性とその余剰が産む先鋭的音楽のエコシステム的回転。回転台の上を大小様々な独楽が滑るように。 時は流れ現在、音楽が属する公転の円環は余りに浩浩と果てなく満ちていて、その半径を捉えることすらままならない。 まるでうたた寝から覚めたらテレビ台に置かれた金魚鉢が太平洋にすり替わ

    • 時の栞としての音楽

      時間とは何か、そして芸術にとって普遍とは何なのか、直感的に感覚し得るニュートン力学的絶対時間の感覚に囚われた私たちが捉えることはとても難しい。 ここで時間、とりわけ過去という現象を題材にひとつ思考実験をしたい。 あなたがまだ3歳か4歳そこらの頃、まだ背後にある過去はぼんやりと薄暗く、世界の殆どは両親の言葉によって構成されていたと思う。その両親が仮にいたずらで「きみはソウルで誕生して、生後半年で日本へ来たのよ」と吹き込んだら、その過去はあなたの記憶の中に存在し得るのでは無いだ

      • 『Shnayhon Yoso』詩学とヒップホップを融合させるラッパー

        押韻詩とポエジー、内的世界の無限小の宇宙 「詩における押韻」と「ライミングの中のポエジー」を共存させ得たラッパーが少ない中、彼Shnayhon Yosoは韻の弾みを一切感じさせない熟思されたワードチョイスによってそれを両立している。 彼の興味の範囲はフランス文学、象徴主義、フッサール的現象学、ドイツ古典文学、ロシア=ソビエト映画、密教の神秘主義などと古今東西に幅広く、さらに元々彼が持っていた文学的素養がヒップホップという音楽と出会うことによって生まれた彼のスタイルは安易に

        • オルタナティブの新しい地平 -音楽レーベル「makran」について-

          μακράν -遥か彼方、最果ての場所-J-POPを加速させ、その拡張によってJ-POPという枠組みそれ自体を自己崩壊させる。それにより生じる越境と融和の先にオルタナティブなJ-POPの新しい地平を開いてゆくことを目的としています。 コイネー(古代ギリシア語)で「遥か彼方、最果ての場所」を意味する"makran=μακράν"という言葉には、曾て世界的な文化交易路だったシルクロード東端飛鳥・奈良を有する日本から見た西端のギリシア世界とを再び文化的交流によって結んで行き、現

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