錦鯉の円相 - 音楽の回転について
音楽が産業化され大衆文化として熱を帯び、絢爛華美に多様なサウンドを解き放った時代、音楽は目眩い回転の中にあった。バイナルの回転、テープの回転、ヒットチャートの回転、ムーヴメントの周期的な回転、商業音楽が齎す収益性とその余剰が産む先鋭的音楽のエコシステム的回転。回転台の上を大小様々な独楽が滑るように。
時は流れ現在、音楽が属する公転の円環は余りに浩浩と果てなく満ちていて、その半径を捉えることすらままならない。
まるでうたた寝から覚めたらテレビ台に置かれた金魚鉢が太平洋にすり替わ