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【浄土真宗の言葉】#13 末代無智の在家止住の男女たらんともがら

末代無智の在家止住の
男女たらんともがら

 
 
 
【解説】
  
今回は「末世に生きる、真実の智慧を持たない、在家の衆生」という内容です。
 
これに続く文は、
 
「末代無智の在家止住の男女たらんともがらは、こころをひとつにして阿弥陀仏をふかくたのみまゐらせて、さらに余のかたへこころをふらず、一心一向に仏たすけたまへと申さん衆生をば、たとひ罪業は深重なりとも、かならず弥陀如来はすくひましますべし。これすなはち第十八の念仏往生の誓願のこころなり」
 
となっています。
 
末世に生きる在家の衆生は、自力修行によって悟りを得ることはできない。それ以前にそもそも出家をしていません。よって煩悩まみれの私たちは、自分の力では六道輪廻を抜け出すことができないんですね。
 
そのような者たちが、阿弥陀仏の本願を疑い無く信受して救われる・・・これが念仏往生です(信心往生ではなく念仏往生と書いてあるのを疑問に思う人がときどきいますが、この点については後述します)。
 
なお「一心」というのは浄土真宗でよく出てくる言葉です。
 
御文章の二帖三通には
 
「他力真実信心といふは、もろもろの雑行をすてて専修専念一向一心に弥陀に帰命するをもつて、本願を信楽する体とす」
 
とあります。
 
「専修」とは念仏のみを修すること。そして「一向一心に」とは、阿弥陀仏のみをふたごころなく=疑い無く、ということです。
 
浄土真宗者であれば、称名念仏のみを修するのは当然のこと。
 
法然聖人が念仏為本を打ち出され、親鸞聖人も『末灯鈔』に
 
「弥陀の本願と申すは、名号をとなへんものをば極楽へ迎へんと誓はせたまひたる」
 
と明記しておられます。
 
さらにその上で、本願に対する疑い(本願疑惑心。疑蓋)が除かれたかどうかが重大なポイントになるのです。
 
それを蓮如上人は、
 
「ただ声に出して南無阿弥陀仏とばかりとなふれば、極楽に往生すべきやうにおもひはんべり。それはおほきにおぼつかなきことなり」
 
と、釘をさしておられます。
 
 
よく「念仏で救われるのか、信心で救われるのか、どっちか分からない」という質問をいただきますが、このように、称名念仏と信心は離れたものではありません。
 
信心とは「称名念仏の力に対する信心」であり、よって「名号をとなへんものをば極楽へ迎へんと誓はせたまひたる」に対しての疑いが除かれたかどうか・・・が重要なわけです。
 
この記事を読んでいる人は、上記の点(疑蓋の有無)をご自身の上でご確認いただければと思います。
 
 
原文(末代無智章)
http://labo.wikidharma.org/index.php/御文章_(五帖)?fbclid=IwAR0KJa2F7HubR99ullgrqgjKq0SMhv2ZJ_2PHMCh4fB4fTuvzqFYtauHySo#.E6.9C.AB.E4.BB.A3.E7.84.A1.E6.99.BA
 
 
末代 WikiArc
http://labo.wikidharma.org/index.php/末代
 
 
在家止住 WikiArc
http://labo.wikidharma.org/index.php/在家止住
 
 
智慧 WikiArc
http://labo.wikidharma.org/index.php/智慧
 
 
衆生 WikiArc
http://labo.wikidharma.org/index.php/衆生
 
 
あみだぶつ 阿弥陀仏 弥陀 WikiArc
http://labo.wikidharma.org/index.php/あみだぶつ
 
 
たのむ WikiArc
http://labo.wikidharma.org/index.php/たのむ
 
 
一心一向 WikiArc
http://labo.wikidharma.org/index.php/一心一向
 
 
仏 WikiArc
http://labo.wikidharma.org/index.php/仏
 
 
罪業 WikiArc
http://labo.wikidharma.org/index.php/罪業
 
 
第十八願 WikiArc
http://labo.wikidharma.org/index.php/第十八願
 
 
念仏往生の願 WikiArc
http://labo.wikidharma.org/index.php/念仏往生の願
 
 
念仏往生 WikiArc
http://labo.wikidharma.org/index.php/念仏往生
 
 
誓願 WikiArc
http://labo.wikidharma.org/index.php/誓願
 
 
自力 WikiArc
http://labo.wikidharma.org/index.php/自力
 
 
さとり 悟り WikiArc
http://labo.wikidharma.org/index.php/さとり
 
 
出家発心 WikiArc
http://labo.wikidharma.org/index.php/出家発心
 
 
煩悩 WikiArc
http://labo.wikidharma.org/index.php/煩悩
 
 
六道 WikiArc
http://labo.wikidharma.org/index.php/六道
 
 
輪廻 WikiArc
http://labo.wikidharma.org/index.php/輪廻
 
 
本願 WikiArc
http://labo.wikidharma.org/index.php/本願
 
 
いっしん 一心 WikiArc
http://labo.wikidharma.org/index.php/いっしん
 
 
御文章 WikiArc
http://labo.wikidharma.org/index.php/御文章
 
 
他力 WikiArc
http://labo.wikidharma.org/index.php/他力
 
 
真実信心 WikiArc
http://labo.wikidharma.org/index.php/真実信心
 
 
雑行 WikiArc
http://labo.wikidharma.org/index.php/雑行
 
 
専修念仏 WikiArc
http://labo.wikidharma.org/index.php/専修念仏
 
 
一心専念 WikiArc
http://labo.wikidharma.org/index.php/一心専念
 
 
一向一心 WikiArc
http://labo.wikidharma.org/index.php/一向一心
 
 
帰命 WikiArc
http://labo.wikidharma.org/index.php/帰命
 
 
信楽 WikiArc
http://labo.wikidharma.org/index.php/信楽
 
 
称名 WikiArc
http://labo.wikidharma.org/index.php/称名
 
 
念仏 WikiArc
http://labo.wikidharma.org/index.php/念仏
 
 
源空聖人 法然聖人 WikiArc
http://labo.wikidharma.org/index.php/源空聖人
 
 
往生之業 念仏為本 WikiArc
http://labo.wikidharma.org/index.php/往生之業_念仏為本
 
 
安心論題/念仏為本
http://labo.wikidharma.org/index.php/安心論題/念仏為本
 
 
親鸞 親鸞聖人 WikiArc
http://labo.wikidharma.org/index.php/親鸞
 
 
親鸞聖人御消息(上) 末灯鈔 WikiArc
http://labo.wikidharma.org/index.php/親鸞聖人御消息_(上)
 
 
名号 WikiArc
http://labo.wikidharma.org/index.php/名号
 
 
極楽 WikiArc
http://labo.wikidharma.org/index.php/極楽
 
 
疑蓋 WikiArc
http://labo.wikidharma.org/index.php/疑蓋
 
 
蓮如 蓮如上人 WikiArc
http://labo.wikidharma.org/index.php/蓮如
 
 
南無阿弥陀仏 WikiArc
http://labo.wikidharma.org/index.php/南無阿弥陀仏
 
 
おうじょう 往生 WikiArc
http://labo.wikidharma.org/index.php/おうじょう
 
 
信心 WikiArc
http://labo.wikidharma.org/index.php/信心
 
 
浄土真宗聖典目次 WikiArc
http://labo.wikidharma.org/index.php/WikiArc:浄土真宗聖典目次
 
 
 
【今回の読み仮名】
 
末代無智‐まつだいむち
在家止住‐ざいけしじゅう
男女‐なんにょ
智慧‐ちえ
衆生‐しゅじょう
阿弥陀仏‐あみだぶつ
一心一向‐いっしんいっこう
罪業‐ざいごう
深重‐じんじゅう
弥陀如来‐みだにょらい
第十八の念仏往生‐だいじゅうはちのねんぶつおうじょう
誓願‐せいがん
自力修行‐じりきしゅぎょう
悟り‐さとり
出家‐しゅっけ
煩悩‐ぼんのう
六道輪廻‐ろくどうりんね
本願‐ほんがん
念仏往生‐ねんぶつおうじょう
一心‐いっしん
御文章‐ごぶんしょう
他力‐たりき
真実信心‐しんじつしんじん
雑行‐ぞうぎょう
専修専念‐せんじゅせんねん
一向一心‐いっこういっしん
弥陀‐みだ
帰命‐きみょう
信楽‐しんぎょう
称名念仏‐しょうみょうねんぶつ
法然聖人‐ほうねんしょうにん
念仏為本‐ねんぶついほん
親鸞聖人‐しんらんしょうにん
末灯鈔‐まっとうしょう
名号‐みょうごう
極楽‐ごくらく
本願疑惑心‐ほんがんぎわくしん
疑蓋‐ぎがい
蓮如上人‐れんにょしょうにん
南無阿弥陀仏‐なむあみだぶつ
往生‐おうじょう
念仏‐ねんぶつ
信心‐しんじん
 
 
 
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・『ゼロからわかる浄土真宗』
浄土真宗が基礎からわかるホームページです。
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・note『死ぬのが怖い人へ』
私の聞法の記録です。
https://note.com/ryuun18/m/mdef818dfed16
 
 
・「南無阿弥陀仏」の文字が入ったスマホ用壁紙を作りました。
縦横比は以下の2種類。
・2対1 (iPhone11/11Pro/11Pro Max, iPhone XS/XS MAXなど)
・16対9 (iPhone5/6/7/8, Androidなど)
色はウェブサイトでよく使われる12種類。
こちらでダウンロードできます。
http://amidabuddha18.com/kabegami/
 
 
・安心論題の話
http://labo.wikidharma.org/index.php/安心論題の話
 
 
・光雲な毎日(立読みページ)
http://koun18book1.blogspot.com/
 
 
・note『信心獲得したい方へ(浄土真宗の救い)』
信心に悩んでいる方は、こちらのページがおすすめです。
https://note.com/koun18/n/ndbc737a85fa4
 
 
 
南無阿弥陀仏

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