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【第12話】いきなり迫る死の危険

「大塚くん。今日、家に戻らなくて平気?」

 家から少し歩いたところで結衣が唐突に言う。何を言われたのか理解出来ず、陵は首を傾げて何度か瞬きをした。

「は、はい?」
「えっと、あの、へんな意味じゃなくて……」

 慌てたように結衣が言う。少し考えてから陵は恐る恐る言った。

「いや、そりゃ、一日二日家あけたくらいではどうこう言われないけど……なに?」

 不安と期待が入り交じり複雑な顔をして陵は小声で訊ねた。住宅街はしんと静まり返っていて、小声で話しているはずなのにやけに自分の声が大きく聞こえる。

「市ノ瀬会長に連絡して、今日から寮に入れてもらおうと思うの」
「え? 今日から?」

 驚きに目を丸くして陵は訊き返した。だが入寮日までまだ日がある。それに結衣を送るだけのつもりだったから手ぶらで出てきてしまっているのだ。

「前言撤回して悪いけど、あなたのお兄さんおかしいわ」

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