理科って役に立たないの?

私にとっては衝撃的な調査結果があります。
https://www.gakken.co.jp/kyouikusouken/whitepaper/h201809/chapter7/02.html
学研の調査、「学校の授業で将来役に立つと思う教科は何ですか」というものに対して、理科は堂々の6位!・・・低い!!低すぎる!!なお、1位は外国語、2位は国語、3位は数学。 

「当然でしょ、何の役に立つんだよ?」

という人もいると思います。そんな方には、以下のような想像をしてみていただきたいのです。

「もしこの世の中から、物理学、化学、生物学がなくなったら、どうなりますか?」

 まず、建物が建ちません。これだけ地震が多い日本で、竪穴式住居に逆戻りです。自動車も鉄道も飛行機も船もできません。移動はすべて徒歩で!(・・・それはそれで健康的でいいな・・・というレベルではありませんね)スマートフォンどころか電話もできませんね。パソコンもテレビもダメ。服は・・・とんでもない高級品になります。天然の絹などを使えば一応作ることはできますから。しかし1000円程度で買えるお手頃な服は全部なくなります。医薬品もできません。物流がまともに機能しないので、スーパーマーケットに行って食材を買うこともままならないでしょう。要するに、理科がなくなったら、現代の文明的な生活は、ほとんどなくなってしまうのです。

 私たちは、知らず知らずのうちに、物理学、化学、生物学の恩恵に与っているのです。スマートフォンのような電子機器は、「物理学」と「化学」の塊のようなものです。えっ?スマートフォンに化学はいらない?いやいや。スマートフォンのタッチパネル、これはまさに「化学」の成果ですよ。2000年にノーベル化学賞を受賞した白川英樹先生の功績は、まさにタッチパネルに生きているのです(注:リクエストがありましたので、タッチパネルについては記事にしました)。化学なくして、タッチパネルはありえません。

 これだけ身の回りにある「理科」が、理科だと思えないのは、もはや理科が生活に食い込みすぎていて、当たり前になっているからなのかもしれません。そして、食い込み方が高度すぎるので、もはやからくりを知らなくても恩恵を受けることができてしまう、ということなのだと思います。日常生活で常にこういうことを考えていると息が詰まってしまうかもしれませんが、理科を学ぶとき、こういうことに役に立っているのだ!ということを意識すると、それだけで学びのモチベーションにつながると思います。

<1/16追記>もちろん、身の回りにある理科が理科だとわからなくても、理科の恩恵を受けることはできます。なので、冒頭の「理科は役に立つと思うランキング」が低いことは、本当は理解できます(笑)。しかし、本来は理科は決して生活に縁遠い教科ではない!そしてつまらない科目ではない!ということがここで訴えたいことです。理科をしっかり学んでおけば、もしかしたら将来理科で人々に恩恵を与える側になれるかもしれないですよね。

 そして、私自身、いつも授業をやっているときに、こういったことを意識してほしいと願いながら授業をしているので、どうしても雑談が多くなり、どうしても延長が多くなってしまいます・・・というわけで、今日のテーマは、「なぜ私の授業は延長が多いのか」でした(違)。

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