RIZIN 8月9日、10日を振り返る part3

【Road to 未来。フェザー級で一番評価をあげたのは萩原京平】
2大メインについては過去2回と振り返らせていただいた。
今回はその他の特に印象に残った試合から順に、振り返っていきたい。

井上直樹VS渡部修斗


元UFCファイターとして圧巻だったと思う。
渡部選手のタックルをかわす落ち着いたディフェンスからの素早いバックコントロール。
凄まじいスピードでバックをとり、その流れで精度の高いリアネイキッドチョーク。
渡部の少し単調なタックルだと、さすがの井上からテイクダウンを取るのは難しかっただろう。それの2回目を見極められての1本。
なんでもないような勝利に見えるが内容はすごかった。
特に私がバックチョークが大好きということもあるが、映えもあり次戦も期待したいと思える内容だった。

伊藤誠一郎VS神龍誠

高田キャプテンをはじめ、業界各所から絶賛があがっているのが神龍のパフォーマンスだ。
伊藤の実力も垣間見ることができ、双方の高いレベルのそれは2大会通してのファイトオブザナイトといってもよいだろう。
会見で唯一選手の中で相手を挑発するようなコメントを残していたのが神龍。
弱冠20歳にして肝のすわった雰囲気は期待を集めていた。
実際の試合も、負けん気MAXの暴れん坊スタイルで見事キャリア初の1本勝利(キャリア初は意外だった)。
スリリングなレスリングを披露し、漬けタイプとはまた異なるフィニッシャータイプへの片鱗を見た事実は、今後のバンタム級戦線にインパクトを与えてくれるに違いない(フライからバンタム挑戦の意向を、発表している)し、それを期待してみていきたい。

白川陸人VS萩原京平


大方の予想に反して見事TKOを飾ったのが萩原京平。
スタンドでの攻防ではっきりと力の差が見て取れるほどに萩原はよかった。
ROADTO未来戦線の中で、斎藤とともにインパクトを残したはず。
平本蓮のMMAデビュー相手には、もてあますとはもしかすると平本に対してではなく彼にとってであるのかもしれないほどのパフォーマンスであった。

齋藤裕VS真島一整


RIZIN23裏メインとも表現された試合だが、見事な齋藤選手のKO勝利。
特に真島選手は組みからの寝技への意識が強すぎてバランスを崩していたように思う。
「ここはMMAだぞ」との意味がこもった、打撃とディフェンスなどの力もトップレベルであるトータルファイターの痛烈なサッカーボールキックを被弾した。
試合は5分3Rあるが、1Rの攻撃を冷静にしっかりとかいくぐり2Rでチャンスをものにした齋藤はこれぞ修斗チャンピオンという戦いだった。

しかし個人的には賛否両論あるが、未来のフリに対するマイクの返答は好きではない。
王者のプライドがあるのはわかるが、ここはRIZIN。
はっきりいって団体のクオリティーや、未来の実績をみても彼とは差があるのはライト層のファンが見ても明らかなのにも関わらず、あのすかした態度は場を白けさせた。
「僕でいいんですか。よければ代表。ここで組んでもらえないですか」とでも下手にいっておけば9月に試合が組まれたかもしれない。
このあたりの試合外での攻防が影響したとはおそらくいえないだろうが、榊原CEOは対未来にむけてもう1試合程度別で組むことを公言している。
「あー、もったいないことしたなぁ」という感じだがこのあたりのマネジメント力とマイク力の無さからしても未来に勝てる器ではないように思う。
それであれば平本VS萩原の勝者か誰かを当ててほしい。

関鉄也VS神田コウヤ


一言、「内村洋次郎がみたかった」に尽きる。
結果は神田のガス欠による自爆。関選手の実力による勝利であるのかがわからなかった。
これが内村選手に対してのそれであれば評価がはっきりとしていたわけだが、今回のでは難しかった。
神田選手のレスリングでの詰めはハラハラとしたし、試合自体は面白かったのだがストーリーとしてはつながらなかった。
9月に対内村が組まれる可能性もあるが、関選手としては他の試合との相対的な差から逆に評価を落とした可能性もあり、複雑なことと思う。

山本アーセンVS加藤ケンジ

加藤ケンジのリベンジ、そして力を魅せた構図も素晴らしいのだが、アーセン選手の弱さも際立った試合ではないかと感じる。
スタンドでのディフェンス力、レスリング代表とは思えないほどの抑え込みの弱さ。
本人は他団体で実績を積みたいと発言しているし、少しRIZIN出場は控えたほうが良いと思う。

次回大会に向けて

次回は9月末の大阪でのRIIZIN24。
改めて今回横浜で開催いただいた主催者、そしてファイターに感謝をして
次回へのアナウンスを待ちたい。

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