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【2023】BEST ALBUM

BEST TRACKに続いて、2023年BEST ALBUMです。
先んじてTwitter (X)で発表済み。20枚選出。いちおう結果は以下。


TOP10だけカウントダウン形式で。
Apple Music+代表曲MV+簡単なコメントでご紹介。


10.The Rolling Stones / Hackney Diamonds

18年ぶりとなるThe Rolling Stonesの新作。まさかStonesのアルバムが年間ベストに入ってくるなんて思いもしなかった。大ベテランがやっとこ出したアルバムなんて、焼き直しの焼き直しだし「はいはい」で終わる事が多いのだが、先行シングル「Angry」を耳にしたときから驚きしかなかった。もうミックもキースも80歳である。それでこのフレッシュさを保っているなんて信じられない。勇気を与えてくれるアルバム。



9.Clark / Sus Dog

Clarkのアルバムは毎回外さないし、何回か年間ベストにも入っていて、クオリティは信用に足るものだと思っている。たぶん10枚目くらいのアルバムなのだけど、今回はちょっと様相が違う。RadioheadのThom Yorkeがエグゼクティヴ・プロデューサーに名を連ね、Thomの歌唱曲を含めメロディが強調された幾分ポップな印象に。もちろんclark印ともいえるビートも存分に楽しめる。



8.パソコン音楽クラブ / FINE LINE

Next tofubeatsって立ち位置なパソコン音楽クラブ。かつてのtofuのように様々なゲストを迎えた4枚目のアルバム。客演はchelmico、MICO(ex.ふぇのたす/SHE IS SUMMER)、林青空、The Hair Kidなどを迎えているが、白眉なのは「北の女子YMO」ことLAUSBUBの高橋芽以が歌うやわらかくメロウな「Day After Day」。この曲をラストに据えることにより、本作は記憶するに値する秀作となった。



7.Sufjan Stevens / Javelin

当たり前のように毎回素晴らしいSufjan Stevens。11枚目のアルバム。00年代中頃からのインディロック・ムーヴメントが消え去って久しいが、やっぱり本物は残るんだなという印象。今回は特に削ぎ落とせるものは極力削ぎ落とした朴訥でシンプルな音つくりなのだけど、だからこそいつも以上に深く染み入る感じがする。疲れたときによく聴いてた。



6.カネコアヤノ / タオルケットは穏やかな

ClarkにSufjan Stevensと、毎回外さないよねって人ばっかりが名を連ねているけれど、カネコアヤノもそうだろう。いつからかじわりじわりと広がって、人々の心を捉え続ける彼女の歌声。どこかやりきれない思いを抱える人たちを優しく肯定する。今回のアルバムはバンド感強いしノイジーなので、そんなところもポイント高かったです。



5.fishbowl / 王国

今回選んだ20枚では唯一のアイドル。静岡のローカルアイドルであるfishbowlの2枚目フル。僕がこのグループを支持するのはひとえに最も好きな作曲家がプロデュースを担当しているからなのだけど、たんまり詰め込まれた天才のソングライティングにきっちり応える4人も最高ですよ。メンバーがヤンジャンの表紙飾ったりしてて予兆はあるし、Negiccoみたいに地方をベースに全国区で活躍する存在になってね。
「熱波」はオフィシャルダンスビデオがかわいい!



4.Romy / Mid Air

The xxのRomyによる初ソロアルバム。ここ数年のソロワークでは、Oliverがバンドのダウナーさを、Romyがダンサブルな部分を強調しているような作風で、それぞれの特長をJamie xxがうまいこと調理しているのだなあという感。アッパーなクラブバンガーも、ちょっと陰のあるメロウな曲もありますが、シンプルにハイ・クオリティなダンスポップアルバムに仕上がっていると思います。



3.NewJeans / Get Up

NewJeansに関してはあんまりメンバーを観ていないので、まだ顔と名前が一致していない。ただひたすら、楽曲のクオリティが異常に高すぎる。「J-POP的なハッキリと分かり易いポップス」とはとても言えない楽曲ばっかりなのに、気づいたらずるずると引きずり込まれている。怖いんだよね。蟻地獄のようだ。全曲、暴力的に凄まじい中毒性のEP。



2.佐藤千亜妃 / BUTTERFLY EFFECT

上半期BEST ALBUMの1位に挙げてた佐藤千亜妃。そろそろ元きのこ帝国ということを忘れている人が多いような気がするな。バンドの音楽とはまるっきり逆の、清々しいほどに宇多田ヒカルリスペクト溢れるソングライティングは変わらないのだが「リスナーの耳に残すテクニック」がめちゃくちゃ向上しているように感じた。そんな曲がたくさん詰まった優秀なアルバム。


1.羊文学 / 12 hugs (like butterflies)

2022年はBEST ALBUM1位に「our hope」を選び、BEST TRACKに「光るとき」「OOPARTS」のワンツーフィニッシュで、わかりやすい羊イヤーだったんですが、2023年もどうやら羊イヤーです。12月に出たばっかりの最新アルバム。正直な話、第一印象は「戸惑い」だったんです。総合的にみたらポップな「our hope」のほうが好きなんだけど、それでも他の候補と比較してこのアルバムを1位に選出したのは、もう完全に羊文学に染められているからなのだろうな。声、間、ギターの鳴り、言葉。陶酔しきっているから無駄なんだよ。少し時間はかかったが、聴き続けるうちに結論が出た。「今年も羊イヤーだな」。こんなに売れてきているのに呪いの歌とか作ってるモエカさん最高じゃない?



11位~20位を含めたリストです。

#2023 BESTALBUM
1.羊文学 / 12 hugs (like butterflies)
2.佐藤千亜妃 / BUTTERFLY EFFECT
3.NewJeans / Get UP
4.Romy / Mid Air
5.fishbowl / 王国
6.カネコアヤノ / タオルケットは穏やかな
7.Sufjan Stevens / Javelin
8.パソコン音楽クラブ / FINE LINE
9.Clark / Sus Dog
10.The Rolling Stones / Hackney Diamonds
11.Janelle Monae / The Age of Pleasure
12.CHO CO PA CO CHOCO QUIN QUIN / tradition
13.藤原さくら / AIRPORT
14.The Chemical Brothers / For That Beautiful Feeling
15.Boygenius / the record
16.ULTRA / 到底及ばない
17.yei / Return of Pinkrobot
18.幽体コミュニケーションズ / 巡礼する季語
19.a子 / steel your heart
20.Yaeji / With A Hammer

ひとこと言いたいのはケミカルはすごいぞ。
「またケミカルか」「もうええわ」とネタにされようが、だいたいいつも良いアルバムを届けてくれる。ライヴも常に良い。それだけは言っておきたい。


11位以下でピックしておきたいアルバムを。

12位、CHO CO PA CHOCO QUIN QUIN。勢いのある若手ロックバンドとかは沢山出てきているけど、フジロックのヘブンとかで強烈な印象の残しそうなバンドって久しく出てきていなかったよう気がします。遺伝子恐ろしい。


17位、yei。祝祭系大所帯バンドっていうとOf Monsters and Menとか Broken Social SceneとかArcade Fireなんかが思いつくのだけど、日本の関西にこんな良いバンドがいるってことはもっと知られてもいいと思います。


18位、幽体コミュニケーションズ。
京都のバンド。2019年結成。あたらしい白昼夢。


以上!

BEST TRACKはこちらです。


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