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神戸が好きなのに理由が分からなかったが、今日分かった。

兵庫県の南東部。東西にも南北にも広い兵庫県のうち、数少ない「都会」の地域です。
私が住む街も神戸の街も、南東部に位置しています。
1ヶ月前に比較的田舎の街に引越し、それ以来初めて神戸に向かいましたが、JR神戸駅までは120分近くかかりました。小旅行でした。

神戸は、私にとって何故か特別な街です。毎回、大型ショッピングモールの「Umie」に行き、特に何も買わずにただ海を見るだけなのですが、これが私を前向きにさせるんですよ。
「よっしゃ頑張ろう!」という感じではなく、むしろ冷静さと心の安らぎを、神戸の海は私に与えてくれます。ちょっと心の調子が悪くなると「治療」の意味も込めて神戸に行くのですが、何故神戸が私を憂鬱な気分から引っ張り上げてくれるのか、全く分かりませんでした。
何かきっかけがあるんだろうとは思うんですが、なかなか思い出せません。ただ、無性に夏に行きたくなるということだけははっきりと認識しています。なんでだ…

Umieの「Din don」。ボールが転がるのを見つめていました。

Umieに入るとすぐに見える「Din don」。
たくさんのボールが転がり落ちてはまた上がり、また落ちる。まるで自分自身のようでした。
上がっていくボールと神戸の海を見る自分が妙に重なり、なんだか嬉しくなる私。ずーっと眺めていれば何か神戸を好きになった理由を思い出せるかもと思ったのですが、ついに出てきませんでした。

ポートタワー。

すぐそこにあるポートタワーをぼーっと見つめていた時、昔のことを突然思い出しました。

かつて、実家近くの塾で働いていた時のこと。
毎年夏期講習の最後の日に、神戸で合宿を行っていました。夏は繁忙期真っ只中。当時の私にとって、8月は一年で一番辛い時期でした。

「合宿が終われば、俺の夏が終わる」

その思いを、全て神戸の海にぶつけていたわけです。
「永遠に続いてしまうのではないか」と思うほど、長い長い辛い夏。その夏に終わりが来たことを、神戸の街が全力をあげて祝福してくれているような気がしていたのです。
隣に妻がいたので、かなり小さなリアクションでしたが、心の中では

「うわーーーーそうかぁぁぁぁぁぁぁ」

と大声で叫びました。
長年解けなかった謎。思い返してみればすごくわかりやすい理由だったはずなのに、何故分からなかったのでしょう。

毎回神戸に行くと、冬服が欲しくなるのですが、
夏の終わりを感じたいからなのでしょうか。衣服で以って、夏の終わりを感じる。そういうことでしょうな。

というわけで、H&Mで秋冬用のスーツを試着しました。
自分で言うのもアレですがかなり似合っていたので、これを着ることのできる季節になったら買います。

ランチ後のコーヒー

神戸の街はいつでも私をまったりと迎え入れてくれます。
今度行く時には、たぶん夏が終わっているんだろうな。

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