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ひとりの書店主として伝えたいこと、お盆前の一件以来、他のお客様の注文に対しても、同じようなことになるのではないか?心配で堪らなくなり朝から取次の担当者に連絡した。


遅延のためにお客様に、本をお渡しできないようなことは、もう二度と繰り返したくない。

いただいている注文品すべての搬入日と、ISBNコードを伝え、敏速な対応をお願いした。

返金せざるを得なかったお客様のご注文の本「正体」染井為人著・光文社発刊については、いつ入るのか? 尋ねた。

すると、「申し訳ありません。あれは、見つからないのです。デ-タ-発注ですか?と聞かれた。」

スタッフが、FAXで注文した旨を伝え、版元の光文社さんから、7/31搬入との返事をいただいたことも伝えた。


けれども、この「正体」の本については、「未だに、桶川の倉庫のどこにあるかも、わかりません」とのことだった。
搬入から、16日目である。

私たち書店が、エンドユーザーであるお客様に対して、どれだけ情けない気持ちで接しているのか?Amazonで買えば翌日来る時代に、暑い中、わざわざ書店に足を運んで下さるお客様の思いを、これ以上ないがしろにしたくない。書店を応援して下さっての行為だと思っている。

結局、早朝に取次さんに連絡したが、夜になってもどうなっているのかの連絡はなく、いつ入るのかすら、わからない状況だ。このモヤモヤした気持ちをどこにぶつければいいのだろう。


取次の件は今に始まったわけではないとか、子どもの文化さんに頼むお店もあるとか、 (子どもの文化さんは速いが、取扱いのない出版社の方が多い。当店ももちろん利用しているが、光文社さんは取扱いがない) マンスプレイニングで言って来られる方がいるが、そんなことは百も承知なのだ。ずっと我慢してきて今、ようやく声に出している。
そんな技術論ではなく、本を売る上でのお客様に対する信義の話をしたいのだ。

これまで一度だけトーハンの方が、店まで謝罪に来られたことがあった。

年始だった。コミックスの配本を、「0」にされ、不安な気持ちを抑えきれずnoteに書いた。その時だった、愛知県で、70軒ほど書店をされている会社の社員さんと経営者の方が、「コミックの配本をゼロにされるのを嘆くnote」を見て、取次に、こんなことをするのかと、注意して下さったのだった。

遠く離れた、青森県の本屋さんからも応援メ-ルをいただいた。

取次から、お客様扱いされていない小さな書店なのに、力を貸して下さる同業者の方々からのメ-ルに驚き、泣きそうになった。あの時の支えてもらったことを思い出して、まだまだ声を出しながら、頑張ろうと思う。

とにかく「正体」の本を探してもらわなければ、取次で、本が、見つからないでは済まされない。

https://ryushokanbook.com


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