2月10日 ABCラジオ浦川泰幸の健康道場プラス 隆祥館書店店主 二村知子の今週の一冊は、「イスラエル軍元兵士が語る非戦論」ダニー・ネフセタイ/著 集英社 です。
イスラエル空軍で兵役を務めた著者が、イスラエルとアラブ諸国、パレスチナとの間で長く続けられてきた戦争を見つめていくうちに、「国のために死ぬのはすばらしい」と説く愛国教育の洗脳から覚め、やがて武力による平和実現を根底から疑うようになる、その思考の足跡を辿る。武力放棄を謳う憲法九条の価値を誰よりも評価するのは、平和ボケとは程遠い、リアルな戦争が絶えない国から来た外国人アクティビストなのである。母国のさまざまな矛盾点を指摘しつつ、軍備増強の道を進む日本の在り方にも異議を唱える一冊。
第一次世界大戦 イギリスの二枚舌外交
1917年に「ユダヤ国家設立を支持する」とユダヤ系財閥に約束し、
1915年に、オスマン帝国の勢力をそぐため、アラブ側にイギリスに協力すれば「アラブの独立支持を約束する」という書簡も送っていた。
平和教育 絶対に戦争はしないという意味での平和教育ではなく、「平和は大切だ、そのためには、力(抑止力)が必要だ」ということを疑わせないという意味での「平和教育」
現在は、修学旅行で、高校生にアウシュビッツ見学もさせているという。
けれどもそれは、戦争の悲惨さと人間の尊厳を喪失を学ぶのではなく、「悲劇を二度と起こさせないために軍事力は大切だ」と思い込ませるため、
いかに教育が大事なのか考えさせられる。
抑止力では国民を守れない。ダニーさんは言います。
「武力による平和」これが嘘であることは毎日のようにイスラエルで証明されているのです。この現実の上に、2023年10月に起きたハマスとイスラエルの戦争もあります。他方、日本はどうでしょう。平和憲法のもと、憲法9条のもと2023年まで、戦後78年間も戦争は、なかったではありませんか。
歴史が、証明しています。答えは出ているのです。憲法9条の理想を実現させましょう。
憲法9条は、かつての日本が現在のイスラエルのように「武力による平和」の泥沼に陥った果てに破滅した痛切な反省のもとに生まれました。武器は、捨てるしかありません。」
ダニーさんの結論は、「非武装中立論」です。
では、戦争を放棄して、他国が攻めてきたらどうするのか?
ダニーさんは、必要なのは、「敵基地攻撃能力」ではなく、「近隣諸国との対話能力」なのです。と答えます。攻められないよう共存共栄の道を探る外交や政治の力です。
ぜひ読んでいただきたい一冊です。
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