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8/23 「NHKテキスト100分で名著ショック・ドクトリン ナオミ・クライン」NHK出版 「堤未果のショック・ドクトリン 政府のやりたい放題から身を守る方法」を上梓された、ジャーナリストの堤未果さんによるトークイベント報告レポート


一か月、延期になっていた念願の堤未果さんのイベントが開催できました。満を持して来場して下さったお客様に応えるかのように未果さんも冒頭から高いテンションで口火を切られました。

まずは「マイナンバーカード」について

「羽鳥慎一のモーニングショー」で、すでに諸外国ではこの試みの見直しも進んでいることを話されていた未果さん。例えば「行政機関と次々に紐づけは危険でアメリカでは、なりすましなどの犯罪の温床になっている」という解説は今の日本と重なってゾッとしました。

未果さんはテレビでも 「政府が、メリットだけ強調し、やたらにせかしてくるものは、一度立ち止まった方がいい」と仰っていましたが、これは、「ショック・ドクトリン」(ショックな事件が起きた時に国民がパニックで思考停止している間に、政府が社会を作り変えてしまう手段のこと)の特徴だからだと、詳しく解説して下さいました。

「違和感を感じたら、立ち止まること。・ そして政府から、「今、やらないとだめだ!」と急かされてもガイドラインができるまでは、できるだけ時間を引き延ばす。おかしなものならそのうち、ボロが出るからです」と(その通りになっています!)

問題だらけの「マイナンバーカード」についても、日本政府は地方交付金を盾に、早くやれ、早くやれとプレッシャーをかけていて、 例えば岡山県備前市は 「保育料無料はマイナンバーカードを持っている人だけ!」と発表しましたが、「カード作成は義務でもないのに、条件を着けるの?」と、住民が反発し、最終的に市長は撤回したそうです。

今回のイベントには、視覚障がいの方も参加して下さっていることから未果さんに、障碍者の方々にとってリスクはないのか?お尋ねしました。

未果さんは外国の事例をあげて、視覚障がい、高齢者、シングルマザーなど、いわゆる社会的弱者の方々こそ、今の流れの中でこのデジタル化がどう使われるかを慎重に見たほうが良いと説明して下さいました。 「デジタル化」が悪いわけではありません。その方法が「民主的」かどうかが問題で、ガイドラインがはっきりするまでは、個人情報を安易に出さない方が良いです」と。
例えば未果さんが対談された台湾のデジタル担当のオードリー・タン大臣によると、台湾はむしろ弱い立場の人に使いやすいように考えているそうで、日本と真逆で驚きました。


私たちにできることは?と聞くと、

1)自分の個人情報は自分で守る意識を持つこと。例えば政府はマイナ保険証を割高に設定しましたが、これはむしろ漏洩リスクを回避する保険料だと考えて)

2)自然災害ショックドクトリンチェック。 大きな地震や台風があった後は復興利権が動くチャンスなので、本当に被災者のための復興施策になっているのか?それとも一気に国内外の企業任せか?利権の構造は無いか?チェックする。

災害時は大変な状況の中つい通常政府にお任せになってしまいますが、「復興計画には、当事者である市民自らが積極的に参加する」 意識が大事ですと未果さんは仰いました。

被災者が大変な時は特に他県からでもそれを訴える事が重要。 未果さんは元豊岡市長や元明石市長だった泉房穂さんなど多くの地方の首長さんたちと対談されていて、会場の私たちに「国を待っていたら手遅れになる。地方で、できるという既成事実を作って、国がしなければならないところまで持っていきましょう」と私たちに力強く呼びかけてくれました。


隆祥館書店に、お越しくださったお客様は、「ショック・ドクトリン」という言葉をすでに知っておられましたが、ご存じない方は、自分の身を守るためにも「堤未果のショック・ドクトリン 政府のやりたい放題から身を守る方法」を読んでいただきたいと思います。

とてもわかりやすく簡単に書いてあるので、これを読めば私たちが「なんかおかしいなあ」と違和感を感じていることの正体が一気にわかります。この本を買って地元の役所の人にあげたら、窓口の人が「住民の皆さんが毎日怒ってやってくる意味がわかりました」と仰った方もいるそうです。

会場には「校則なくした中学校たった一つの校長ルール」著者でもある、世田谷区立桜丘中学、元校長、西郷孝彦先生も来て下さり、「すでに3回読みました。腑に落ちることばかりでした」と未果さんの取材力に感心されていました。「東京の教員採用試験に大阪からたくさん受験に来るので不思議に思っていたら、その原因が分かりました」とも。

西郷孝彦先生

堤未果さんは、台湾や、エストニア、スリランカ、ドイツ、イギリス、アメリカなど諸外国の情報にも詳しく、NHKテレビ100分de名著の時も、大切なことを、理路整然とそれでいて慎ましやかに話されていました。その姿に、隆祥館書店のことを大事に思って親切にして下さったお母様の堤江美さんが重なりました。元アナウンサーの江美さんが見ておられたらどれだけ喜ばれるだろうとそんなことを考えながら感動して見ていました。

未果さんは、会場からの質問すべてに、弛まず答えられました。

 
イベントでもご紹介しましたが、 NHK100分de名著「ショック・ドクトリン ナオミ・クライン 資本主義の果てなき欲望に「人間の知性」で立ち向かう」も今キャンペーン中ですがシリーズの中で群を抜いて売れているのは、皆が、待ち望んでいたのでしょう。

異例の売れ行きで品切れになり、今また重版中ですが、当店には、在庫が有ります。自分の身を守るためにもこの機会にぜひ!

イベントには、堤未果さんのパートナーで、国会議員の川田龍平さんも、サプライズゲストとしてお越しくださっていました。コロナワクチンについて、薬害エイズの原告として「いのちを守る法律」を作り続ける川田龍平さんは、コロナワクチンや食の安全について、一人一人の命を大切にするための意見を述べて下さいました。

堤未果さん、川田龍平さん、ありがとうございました。
お集まりくださった皆さまありがとうございました。
機械を手伝ってくれた清水さんもありがとうございました。

アーカイブ動画のお申し込みは、下記のホームページからお願いします。
隆祥館書店 https://ryushokanbook.com


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