成果を出すためには思考の幅(フレームワーク)よりも思考の深さを
MECEやフレームワーク(構造化)は考えるうえで必要なものだが、思考を深めるうえで気にしすぎると落とし穴にはまる。例を挙げながら考えてみよう
アウトプットはフレームワークにこだわるよりも深さが大事
このような例で考えてみよう。あなたはジーンズ製造販売会社の戦略コンサルティングプロジェクトにアサインされたコンサルタントであり、重要海外市場としてシンガポール市場進出の可能性について検討を依頼されている。
戦略コンサルはこのようなときフレームワークを使って検討すると考えられがちだが、かならずしもそうではない。
フレームワークに沿ったアプローチとしては、フレームワークの要素ごとに主要な問いを設定し、それにプロジェクトの中でこたえていくという進め方になるだろう。
このような進め方を否定するものではないし、これでみんなが満足するのであればフレームワークをうめるような検討があってもよいと思う。
ただ、戦略コンサルとして他の業界よりも高い単価で働くうえでは、フレームワークだけでは物足りない。なぜかをイメージ図で書いてみよう。ポイントは、クライアントが本当に検討すべきは何なのか?仮説をもったうえで、それを集中して検討することだ
本当に理解すべきこと=金脈を見つけるために、検討する=掘るという考えに置き換えてみよう。フレームワークやMECEにとらわれすぎると、気づいたら本来は理解すべきことでもないことまで深堀りしてしまうケースがある。いろいろな人がかかわり多様な意見が交わされるプロジェクトではありがちがことではある。
戦略コンサルの検討の仕方のイメージは上記のようなものになる。まずは筋のよい仮説を設定したうえで何を優先して検討すべきかを特定し、そこにリソースを集中する。こうすることではじめてクライアントが理解すべきことまでの深堀りができる
冒頭のよく聞くコメントに戻ろう。MECEであることは最後の整理として役立つとは思うが、思考を深めるための手助けをしてくれるものではない。フレームワークやMECEであることにこだわりすぎることは、有限な時間の中で最大限のアウトプットをだすための妨げになることが多い。言い換えるとどうでもよいことに時間をかける必要はない。
業務の中で、ただ単にフレームワークをうめるだけの思考回路になっていないだろうか。本当に考えるべきことは何かを突き詰められているかを省みる必要がある。
社内の上下関係や政治的なものから必ずしもあるべき論で検討できるケースばかりではないだろう。そのようなときは外部のコンサルなどを通じて第三者的な意見を言わせ、社内を動かすようなアクションをとる必要がある
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