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Stella Cadenza Vol.1全曲歌詞&解説3「Interlude ~マニフェス都~ feat. たきゅまる」

Title: Interlude ~マニフェス都~ feat. たきゅまる
Key: C♯ minor
BPM: 160

<街頭演説に立ち止まる学生、および演説に含まれる矛盾>

 Future Bass(フューチャーベース)系のビートを作り始めたところノッてきて、気が付けばこの曲になりました。そこにネタ帳に書いてあった「マニフェス都」という言葉をドッキングさせ、街頭演説でマニフェストを述べるという場面設定にしました。大きくインスパイアを受けたのがPerfume「無限未来」です。あれを一発聴いてすぐにコレができた記憶があります。
 国産フューチャーベースといえばUjico*(Snail’s House)やYunomiなどネット系のクリエーター作が目立っており、割と私の周りも興味を持ってる人が多くて注目のジャンルだと考えてました。それが中田ヤスタカの手によりJ-POPにスルッと取り入れられたので、素直に驚きました。「マジかPerfumeフューチャーベースやってるわ!」って感じで。界隈だと”Kawaii Future Bass”とか呼ばれてポップでフワフワでファンシーなトラックが大部分を占めているフューチャーベースですが、私がマネしたらまあまあシリアスな感じでした。テーマが何一つカワイクないのでこれで一つ。コント要素があるので一応「Interlude」と冠してみたものの、元は”幕間”という意味があるにもかかわらず、2回ししたら4分弱にまで伸びました。

 マサハル・ヤスイ候補(たった今命名しました)のマニフェストは「都の矛盾を全てなくすこと」であり、それは行政のみならず、規則や言葉なども例外ではなく、そうして秩序を完全なものに近づけることが最良の政治だと信じています。例えば保険料の値下げと同時に、医療制度の改善を求める有権者がいたなら真っ先に扱き下ろすような候補です。群衆の興味を引くため、「お前の仕事なんだから自分で考えろ!」みたいな組織あるあるを投げかけ、共感を煽っています。しかしこの演説1つとっても、”矛盾”が嫌いなはずの彼の言葉には1か所”絶対的な”矛盾があります。下の演説内容から探してみてください。そんなオチです。

 たきゅまるは私の実の妹で、過去にジャケットを描いてもらったりメインヴォーカルやってもらったりした大事な存在です。「feat.」と表記しておりますが、今回は「適当に相槌を打ってほしい」とホント軽い出演ってことで頼みました。曲中の立場としては18歳の大学生で、初めて投票権を得て「投票しようかな…?」と薄く考えている設定があります。

===試聴===

===マサハル・ヤスイ 演説内容===
私は憂う。この世界の矛盾を。
全き秩序は全き統制あってこそ。
いくばくの齟齬も許さぬ領域であって然るべき。
詰まらぬ与太で崩れ去って良いはずはない。
私はこれまで、見るに堪えぬ矛盾を目の当たりにしてきた。

生徒諸君!
運動部で、身が入っていない連中がいると
「お前ら帰れ」などと言う指導者に覚えはないか?
「上のいう事は絶対」なんざ躾けている割には
きちっと従って帰ろうとしたら「本当に帰るな!」と言うだろう。
これは明らかな矛盾である!!

商人諸君!
威勢よく叩き売りに勤しむ商人として、
「持ってけ泥棒」などと吐き捨てたことに覚えはないか?
「持ってけ」なんざ嘯く割には、破格とはいえ結局金を出すことになるだろう。
ましてや、その金を出して買う身を「泥棒」呼ばわりだ。何故だ?!
これも明らかな矛盾である!!

此方、この実情、どうお思いでしょう?

悲しきかな、この世に”絶対”という言葉はない。
不完全な世界に絶えない小さな綻び、それこそが、世界に蔓延る矛盾なのだ!

たきゅまる「やっぱうさんくせーなあの人…」


私は憂う。
この世界の矛盾を。
私は希う。
穢れのない美しい秩序を。
「言葉の乱れは心の乱れ」というものだが、
よもやそのような次元の問題ではない。

社会人諸君!
特に経験の浅い者。業務について指示を仰ごうかと思ったら、
「お前の仕事なんだから自分で考えろ!」などと言う上司に覚えはないか?
「自分で考えろ」なんざ流している割には、本当に自分で考えてやったら
「こんなことしろって誰が言ったんだ!」と言うだろう。
その上司が想定していたであろうやり方が出来てたら、初めから恥を承知で伺いに行くことはない。
これはいつの時代も見過ごすべきでない矛盾である!!

此方、かくいう連中に服従することを、望んでおりましょうか?

同感だ。
先刻私は言った。全き秩序は全き統制あってこそと。
ねじくれた言葉の裏にねじくれた性根が宿っているのは火を見るよりも明らか!
そこから敷かれる統制など、単なるハリボテに過ぎない!
ましてそこに成り立つ秩序など、一笑に付されるべきもの。
そんなものあってはならない!
絶対にあってはならないのだ!
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