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Stella Cadenza Vol.1全曲歌詞&解説7「箱庭にヒトリ」

Title: 箱庭にヒトリ
Key: B♭ minor
BPM: 178

<箱庭に独り、その気分は如何か?>
 作った頃のことがこっ恥ずかしいほど切実に出ている曲です。つまり端的に述べますと、実家を出て一人暮らしをするかどうか迷っていた矢先に、2年弱務めていた会社を辞めることになった頃です。
 「箱庭」は「一人で住むはずの部屋」ではなく、むしろ「家族と住む実家の私の部屋」「会社の私のデスク」のイメージを重ねています。帰ってくれば雨露をしのげるし、食事も風呂もあるし、健康も生活も守ってくれる私の「箱庭」でした。会社も同じで、あのデスクに座って仕事すれば、いっぱしのサラリーマンとして社会に貢献していると言えるし、福利厚生を受けられます。好きな仲間達もいます(知らない人もイケ好カナイ人もいますが…)。そうして環境が満ち足りたことで、ある種の全能感が芽生える一方、何かが自分を孤独へと追いやっていくイメージが去来すること、あると思います。
 ところが一度社会人になったら、家にいてもどうしても余所余所しい気持ちが舞い込んでしまいました。気まずい瞬間もものすごくありました。しかも私の「箱庭」は大きい部屋が割り当てられており、それが罪悪感になったりもしていました。長らくひっそり物件探しに勤しんだのち、無事に引っ越しを終えて今に至ります。そして会社を後にした理由は「双方のそりが合わなかった」そんなところだと思っています。でも悲しい。見放されて腹立たしい。誰も引き留めてくれなくて悔しい不甲斐ないやるせない。最初良くしてくれたのが申し訳ない「てか俺これからニートなん?」。今でもあの時の感情は実に鮮明です。
 ただ、これから先どうするか真剣に悩まなければならないクセして、どこかで晴れやかな思いだったのは事実です。実際、こうして私は2つの「箱庭」を去っています。2つの箱庭に拒絶を示し、これが自分の生きる道だという宣言を”Never Disturbed Life”(=誰にも邪魔されない生活)という言葉のリフレインに託しています。この記憶を曲にしたためないでどうするという衝動に駆られて生まれ、ちょっとした思い出の宿る”タイトル”「箱庭にヒトリ」を授けました。節制節制…。
 トラックはルディメンタル「Feel My Love ft. John Newman」や岡崎体育「Emblem」を聴きながら、ドラムンベース×ポップを進路に模索しました。シンセソロはちゃんと”真っ当に”流れてくようにメロディに気を遣いながら、楽しく作れた気がします。

===試聴===


===歌詞===
箱庭に一人 そんな気分
「ご自由に」もう好き放題? 脳内で構想
馬鹿みたいにキッカリ 切り取られた空
これじゃ思い馳せようにもどうにも狭すぎて

画一な仮面 のさばるセカイ
居心地悪さ 逃げ込む結界
だけど 塞がれたここからじゃ見えないよ夢も明日も

最初の問題:ここからどうすりゃベストでしょうか?

Never Disturbed Life...

箱庭に一人 そんな気分
すれ違いなんてもうない? 脳内で籠城
時空のモノポリー ゲームじゃないけど
見ないフリしてる末路 まつろわぬ者よ

神のみぞ知る それは僕でない
運命謗る なんて筋違い
失くした繋がり 他ならぬ僕が見せた拒絶の目

最後の問題:箱庭に僕は必要でしょうか? (Oh Oh Oh)

Never Disturbed Life...

箱庭に一人 そんな気分 でも
僕は知らないさ 孤独も僕を知らないさ
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