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NETFLIX BLACK MIRROR

ブラックミラーとは

こんばんは!本日はネットフリックス最強コンテンツ、「ブラックミラー」について紹介したいと思います。この作品はエンタメでありながら、風刺でもあり、教科書でもあるという稀有な作品で、大ファンの私としましてはネットフリックスのチュートリアルとして全話流して欲しい!!そんな作品です。

「ブラックミラーってなんだよ」と思う方も多いかもしれません。「ブラックミラー」とは近未来・テクノロジーをモチーフとしたダークファンタジーで、我々の生活を豊かにするテクノロジーがもたらし得る未来(ダークなものもソフトなものも)や、人間社会や人間とテクノロジーの関係性を違った切り口から炙り出す、そんなシリーズです。

一話完結のオムニバス形式で、出演はアンスコさん(シャーロックのモリアーティ)、マイリーサイラス、ブライス・ダラス・ハワードなど錚々たる面々が顔を並べます。日本ドラマの「世にも奇妙な物語」と比較されていますが、昔のかなり攻めた内容の「世にも奇妙な物語」を彷彿とさせますね。

ここでは印象に残った・おすすめの話を5つ紹介したいと思います。

第5位 ランク社会(原題:Nosedive)

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これは僕がブラックミラーシリーズの中で一番初めに見た作品なのですが、このシリーズの沼にハマるには十分すぎる、そんな作品です。ブラックミラーらしさ全開のストーリー・世界観がそこにあります。

あらすじ 人がサービスだけでなく人それぞれを評価する様になった社会、様々なサービスや幸福感はその人の点数に左右され、人々は他人の点数を気にしながら暮らす様になりました。平凡な暮らしを送る主人公(女性)は、ある日高得点の女友達の結婚式に誘われ...

この作品の凄いところはあくまでも我々が日々使っているウーバーやアマゾン、レビューサイトなどを人間というレベルまで拡張させて描いているという点です。中国では環境への貢献度などでその人がスコア化されることがあったりとこの話が現実化するのもそう遠くない話かもしれません。

現代社会への皮肉たっぷりのラストも非常に考えさせられます

第4位 虫けら掃討作戦(原題:Men against fire)

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この作品は近未来の戦争に描かれたような作品ですが、実際はこれまで送られてきた、そして今も行われている戦争への強烈なアンチテーゼです。中々強烈な作品ですのでグロ耐性のない方にはおすすめできません。

あらすじ 主人公の軍人はある戦闘に参加しており、そこでは虫けら(ローチ)と呼ばれる言葉を持たない、まるで人間のような姿をした怪物を退治することが目的です。しかし、1回目の戦闘で彼は虫けらから光を照射され、そこから彼は幻覚に苦しむ様になり...

この話は真実とはどうあるべきか、真実とはなんなのかという人類が抱えている大きなテーマを扱った作品です。名著「1984年」とも似通ったテーマで、懐疑心を取っ払ってしまう恐怖が描かれます。ホモデウスを読んだ際にも、脳のある部分に電気信号を送れば焦燥感が消えるという実験が紹介されており、人間が恐怖感や不安を取り払える様になる未来はそう遠くないのかもしれません。

ドラマ「ナルコス」の

「善悪とは所詮考え方に過ぎない」

という一説を思い出す、そんな強烈なメッセージを含意しています。

第3位 国歌(原題:The national anthem)

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これはブラックミラーのシリーズ1、シーズン1、つまり最初の作品です。そして最も風刺が効いた作品だと私は思います。

あらすじ プリンセスが誘拐されたイギリス、誘拐犯は首相に奇妙な要求をしました。その要求とは「豚と性行為をしてそれを全国放送しろ、替え玉も加工も許さない」。この要求に対し、世論と首相はどうするのか...

この作品は45分と時間としては長くないのですが、この45分に人間社会というものの構図が全て詰め込まれています。傍観者・責任者・アドバイザー、二転三転する展開は見事で、見せ物が大好きで、人の不幸が大好きな人間の性が気持ち悪いほど浮き彫りになります。

カラマーゾフの兄弟を読んだ際、

もし悪魔が存在しないとすれば、つまり、人間が創りだしたのだとしたら、人間は自分の姿かたちに似せて悪魔を創ったんだと思うよ

という言葉が印象に残ったのですが、その言葉をもう一度思い出させるような作品でした。

第2位 殺意の追跡(原題:Hated in the nation)

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こちらもかなり秀逸な作品で、インターネット上で常に散見される、正義に燃える人が振りかざす正義の雷の脅威が描かれます。

あらすじ 蜂が減ってしまった近未来、人々は花の受粉を正常に行うためにプログラミングされたロボット蜂を解き放ちます。しかし、あるプログラムにより#Deathtoを最も多くつけられた人のもとにその蜂たちが向かい、殺すようになってしまうように...

私はこの作品を見て黒澤明監督映画「天国と地獄」を見た時と同じような衝撃を覚えました。急激なパラダイムシフトにより、問題の本質が暴かれるのです。近年コロナ禍において、自粛警察など様々な人が正義を振りかざし、人を攻撃しています。そして、彼らには被害者になるという体験がありません、人を攻撃する快感、そして人に攻撃される恐怖、この対比をこれほどまで見事にやり遂げた作品も珍しいでしょう

ネットを使う人には全員見てほしい、なんなら義務教育化して欲しい、そんな作品です。

第1位 ホワイトクリスマス(原題:White Christmas)

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そしてお待ちかね、第1位です!タイトルは完全に下ネタですが、そういった要素は全くありません。これは100%純粋に素晴らしい創作物です。

このホワイトクリスマス、創作物としてのレベルが非常に高く、例えるなら、映画だと「SAW」、漫画だと「進撃の巨人」ばりにプロットが優れた作品です。ブラックミラーに興味がなくてもS F好きなら絶対面白いですし、サスペンスものとしても、ヒューマンドラマとしても最高級の出来です。そして今私はここまで心配になるレベルでハードルをあげていますが、その高すぎるハードルを軽々と超えていく、ブラックミラーの最高傑作と呼び声高い一本です

あらすじ 5年間一言も話さず、極寒の地でクリスマスを迎える男二人。次第に過去を話し始める二人、そして次第に二人の素性が明らかになる...

時間の経過というのは環境に左右されます。思い出の量に反比例して体感速度が変わると言われていて、今作でも二人は5年という無限に思えるような時間を二人で過ごします。時間を引き伸ばすことのできるデバイスが登場したらどうなるだろう、人の視界をコントロールできたらどうなるだろう、まだまだ先の未来の様に思えますが案外実現可能な部類なのかもしれません。

今作のテーマは時間・視覚情報・恋愛と多岐に渡りますが、そのテーマが合致したときは鳥肌が立ちました。ネタバレは絶対に避けたいのでこれ以上の情報は言いませんが、実はこの話に非常に似た話が「世にも奇妙な物語」にもあり、「世にも奇妙な物語」が昔いかに尖っていたかがうかがえます。

全人類必見の一本です!

以上で勝手にランキングを終わります。

主観バリバシですし、「カリスター号」とか「ずっと側にいるね」、「サンジュニペロ」とかの比較的ソフトなものはここでは一切紹介していないので、他のブログなども見てみてタイプにあったものから見てみて下さいね!


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