映画版ルックバックを観に行った感想の話
いつもお世話になります。
今回は先日公開された劇場版ルックバックを見に行って来ましたので感想を書いていきたいと思います。
結末や後半のギミックについては避けますが若干のネタバレを含みます。
ではいきます。
良く話題にされるのが後半のギミックについてだと思いますが、私が観ていて刺さったのが序盤の藤野が京本と出会うまでの周りに絵が上手いと褒められていながらそこに京本という作画という一点においては自分より上手い人間に出会い、挫折し、実はその京本に尊敬されていたのが発覚するところ。
いや、多分何か描いたり作ったりしている人が見たら絶対何か思うところがあるようなシーンなので結構この部分は語っている人は多いと思います。
ゲームクリエイターさんが何百人も関わりながら丹精込めて作ったゲームをプレイしながら音声を当てているだけとも言える身分としては自分のことをクリエイターと呼ぶのはおこがましいかなと思う部分もありますが、あのシーンは共感する部分が多かったです。
一番刺さったのが京本にファンですと告げられてその場ではスカした態度をとりながらも一人になったら小躍りしながら帰宅するシーンはめちゃくちゃ藤野に共感しました。
自分が勝てないと思った相手に実は尊敬されていたとか人生で一度は経験してみたいことかもしれません。
あいにく私はそう言った経験はまだしていませんが、一方通行だと思っていた想いが実はお互いに見合っていたというのは恋愛でも青春でもバトルファンタジーでも普遍的なカタルシスを得られる展開かもしれませんね。
京本の声優さんの演技も凄くてゴリゴリに訛った声で純粋にまっすぐな言葉を紡ぐものだからものすごく魅力的に見えるんですよね。クレジットに方言指導のスタッフが別途用意されていたのも納得の圧巻の演技でした。
声がつくことでより魅力的になり後半のあの展開もより心にグッと刺さる感覚が味わえたと思います。
声優さんの演技繋がりで印象に残ったのは原作ではなかった漫画家生活のシーンで編集者にアシスタントの手配を依頼するシーンは本当に仕事の電話をされているような抑揚が殺されてでもなんとかお願いしたいような絶妙な空気感が描写されていたと思います。
あのシーンを挟むことで物語の中盤で別の道を歩むことになった藤野と京本ですが、誰も口では言いませんが未練のようなものを感じることができてより後半の展開を補強しているように思います。
原作が好きだったという人にもおすすめできますし、漫画の話ではありますがそれ以外のクリエイター活動をしている人でもよし!俺も頑張ろう!って思えるような一作だと思います。
1時間未満ということでさっくり見ることもできます。
同じ値段なのに短い時間なのはちょっと損しているような気がするというのも否めませんけどね。
おそらく半年後、一年後にはネットでも配信されていくと思うのでそこで見るのもいいかもしれません。
映画館で見る価値がある作品だとは思いますが、家にあるモニターでさっくり見るのも別のよさあある作品だと思います。
というわけで今回はここまで。
ここまで読んでいただきありがとうございました。