1人じゃないのだと知った
1年目の時のスタッフ友達と話をしてた。
別にこれといって旅の話をするわけでもなく
過去の話に花を咲かせ、それぞれの失敗談を肴に酒を飲む。ほんの2年前のことが、どうやってあの頃は活動してたのかなんて思い出せないくらい遠い過去に感じる。
別に旅の話をしなくても、共通の話題がなくても、活動していた都市が違っても互いの1年を話すだけで僕らはこうして笑い合っていられたのだと思う。
ふと、今年のスタッフたちの話になった。
僕らがまたこうして足踏み揃えてスタッフを始めてからはまだ1ヶ月くらいしか経ってなくて、互いのことをそこまで知らない仲の子もいれば、仲の良い子もいたりして、「烏合の衆」そのもののバラバラさはいつものことだった。
全国9都市、各都市に代表が決まり、それぞれが自分の想いを込めて懸命に書き殴られたnoteをいつまでも見返した日のことも、それを何度も読み返すメンバーの子たちのこともふっと頭の中をよぎった。
「代表」と名乗るにはまだ未熟で、数ヶ月前までは僕たちもただの大学生だった。
ただ、きっと人一倍自都市やメンバーへの想いが強くって溢れ出した感情に流されるみたいにして、気づいたら1人また1人と集まってきて、今になった。
不格好に始まった数人のMTGが、気づけば何百人にも膨れ上がっていた。
代表さえいれば、支部は成り立つ。
そう考える人もいるけれど、僕は違うと思う。
組織や支部のために誰かがいるのではなく
誰か、1人1人に思い描いた想いが、未来が集まって、今を、組織をつくった。
誰か1人でも途中で違う道を選んでいれば
きっと今頃は少し違う別の何かなっていて、少しみんなと集まるのにも時間がかかっていたと思う。
結果的に、何をしたからよかったとか、何かが間違えていたとかそういうことでもなくて。
そんなことはきっと関係なくて、ただみんなのこれまで選んできた選択が今をつくったんだと考えたら、夢みたいだよなと思う。
僕らは、旅が好きだ。
きっとそれぞれ色んな国や色んな土地を旅してきた。
知らない土地に初めて降り立った時の鳥肌はどこに行っても体感できない。
普段は聞くことのない言葉を知り、独特の匂いに、音に、景色に惹かれ、人に出会ってきた。
それでも、
「世界は広く、美しい」
そんなことはないことを僕たちは知っていて
薄暗い路地裏では子供が腹を空かせ、喧騒をBGMに道を歩む。ごみに囲まれた街には裸足の子供がいて、高層ビルの隙間にすら住む人がいる。
恥ずかしくて話しかけられなかった。悔しくて夜1人で泣いた。1人が怖くて1人旅をやめた。みんなと離れたくなくてチケットを破った。
味方のフリして慰めて、わかったフリして近寄って、人の気持ちを考えず搾取を繰り返す。
失敗は数え切れないほどしたし、失望もした。
無力さを痛感して力がほしいと何度も泣いた。
少なくとも、僕はそうだった。
それでも、続けた旅の中で、出会った人との関わりの中で色んな変化に気づいてきた。
すべてが美しい世界だなんて言わないけれど、涙を流すほどの美しさに幾度も触れてきた。
僕らは、旅をしてきた。
旅は、僕らが決して1人じゃないのだと教えてくれた。1人で歩み始めたはずの旅先にはきっと誰かいて、助けを求めればまた誰かがいて、どれだけ手を振り払ってもどこかで掴み続けてくれてた人がいた。
言葉の通じない国で優しくしてくれる人がいて、感謝の伝え方も知らない僕に愛想を尽かさずただじっと目を見ていてくれた。
必ず、誰かがそばにいてくれることを僕らは1番知っている。
早く行きたければ、ひとりで行け
遠くへ行きたければ、みんなと行け
アフリカのこの言葉が好きだ。
僕らはそれぞれ生まれも違えば、歳も違う。
環境も違い、文化も違う。旅をしたことがある人もいれば、ない人もいる。
気づけば僕も、あの初めて旅をした日から4年が経った。生まれてから20数年が経った。
随分と遠いところまでみんなと来た。
求めたものとは違う何かを、それでも大切だと握りしめていられるようになった。
いつまでも諦められない夢があって、かけ離れてしまった今を捨て切れずにいる。
曖昧な言葉で騙し切れない本心を、酒の肴にして流し込んでしまう。
僕らは、人知れず戦ってる。
旅をしてると、夢を見る機会が増えた。
「何が理想か」をふと考えたりするようになった。
世間から目を背けるのが下手になって、センチメンタルになった心のせいで傷つきやすくなった。
悟ったフリして諦めて、忘れたフリして期待して
不安は絶えることなく続き、死闘を繰り返す。
旅は、僕らの見る世界を少しだけ豊かにしてくれた。
旅が広まれば、あの国の、あの土地で今も泣く子供のことを知る人が一人でも増えるかも知れない。
そしたら少しだけ気にかけてもらえるかもしれない。
僕らは、旅を広める。
旅で世界を、もっと素敵に
したいから。
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TABIPPO大阪支部や各都市支部では
現在も引き続きスタッフを募集しています。
300人近くの仲間たちと
最高の一年を一緒に過ごせることを
心より楽しみにしています。