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大きな覚悟と大きな挑戦と

雨が、好きだ。

どこにも行けずに家へ閉じ込められてしまったことを言い訳にゲームに没頭させてくれる、そんな雨が好きだ。


2020年6月、大きな覚悟と大きな挑戦を胸に
TABIPPOという「旅を広める」会社の学生支部代表として大阪の地で頑張らせていただくことになりました。

2年前にお世話になったこの団体で、あの時は力になれなかったこの土地で、追いかけ続ける夢のために
「ただいま」と告げることにします。


それでは、いつもより少し固めだけれど、ここまでの少しの振り返りとこれからの想いと、そして今伝えたいメッセージを。

ここから結論まで決して簡潔とは言えないほど長いです。いつもの癖で途中で思いが溢れてしまっているところもあります。結論を読みたい方はスッと飛ばしてください。もの好きな方はゆっくりと読んでみてください。

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「成果と正解」を求めた1年

「...本日はBackPackFESTA 2019 東京 へお越しいただき誠にありがとうございました。」

一年間、ぶつかりながらでも信じて必死でついていった自都市代表の挨拶を皮切りに僕のTABIPPO生活一年目は終わりを告げた。


「成果こそが正解で、成果こそが正義」

そう信じて成果だけを追いかけた一年間だった。
本気でやったと言える一年間だった。
長い、永い一年間だった。

そして、「なにかが違う」という疑念だけが残った。
そんな話から始めようと思う。

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活躍して、誰よりも成果を残せば目立つよな

この考えがそもそもの始まりだった気がする。組織なんてものに属したことがなくて、右も左もわからない。ただ、なんとなくわかることは目立たなければ市場価値も存在価値も生まれない。ということだけだった。

誰からも相手にされないことや見てもらえないことの怖さは十分知っていたつもりだった。そんな思いから常に選択したのは「成果至上主義的考え」で、成果のためなら少しの犠牲はしょうがないと感じてた。

そして始まった僕のTABIPPOでの一年間。ぶつかり、口論し、欺き、騙し、振り回し、欲に溺れ、嫉妬し、憎む。僕は、醜く、成果のためだけに寄生する存在へとなっていった。


けれど、そうなりたかったわけでもなく。常に本質は「旅を広めたい」という考えだけだった。そして理想も常に変わらず、仲間と楽しみ、高めあいながら歩む道。ただ、あのころの僕は、手段がわからず、頼ることも、信じることもできず、もがいた。そして、落ちていった。

何もできずに、ただ溺れないようにともがいただけの日々は、あまりにもあっけなく時間とともに過ぎていった。

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大切なことに気付かせてくれた「仲間」の存在

わかったフリしてすり寄って、忘れたフリして距離を置く。優しさは嘘で、正義は虚。「友達だよ」と差し出した手は、幾度となく自分から振りほどいた。弱者のフリして手を掴み、搾取して切り捨てる。

一年目の活動が終わり、なにもわからなくなって僕は沈んでいった。

それでも、大丈夫だと信じた人がいた。
なんども振りほどいたはずの手をいつまでも掴み続けてくれる人がいた。

もう知るもんか、と離れた人がいた。
傷つけ逃げ出してしまった場所も、そこにいた人も。


あれから少しして、もう傷つけたくないからと人との距離を置くようになり、ただひたすらに群れることを拒んだ時期があった。


そして、いつからか

人を、守れる人になりたい

と思うようになった。


散々傷つけてきた。言われた通りにやれていたら、約束を守れていたら、あの時逃げずにいたら、あの時あんなことをしていなかったら、あの時。そう考えることをやめた。

そして

失敗の数を数えることをやめて、これからできることを探すようになった。


旅をするということ

旅を広める可能性や責任に揺さぶられながらもなんだかんだと強情な自分が邪魔をして、およそ二年もの月日を費やして導き出した仮説。

大学生活のほとんどを旅に費やしても結局、何も見つからない答え。

自分にとってこれまでの人生ってなんだったのか。なんて永遠にも似たテーマを抱えて考え続ける日々。

誰かを傷つけることで満たされた世界も、認められることで満たした世界も、僕にとってはきっと違っていて。
誰かに繋げることで回ってきた世界。

恐れ、疑い、妬み、怨むことで回ってきたことも、笑い、悲しみ、泣き成り立ってきたことも美しく思えた。

泣いた過去も、怒ったことも、騙したことも、後悔して消したい過去も、向き合うことで世界を彩る。

誰かの経験や失敗でしかなかったその過去が”色”へと変わる。

決して"儚い”や“エモい”なんて言葉でまとめることのできない世界を、人は”旅”というのかもしれない。


どうしようもないほど打ちのめされて、後悔の念に苛まれながら信じた。
きっと償いや後悔なんて言葉でまとめられる想いを抱えながら向き合ったのは”可能性”。

今度は僕が誰かを守っていく番だと思った。

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後悔先に立たず

疑問で終わりを迎えたあの日、後悔で終わったあの日からどうしても、自分の言葉で伝えたかったのは「旅の可能性」。


そこに何があるのか、どんな出会いがあって、何を感じるのか、憶測でしかない”旅”への不安を抱えながら歩き出す。

時に自分を傷つけ、自分を守り、自分を新たな世界へと誘う。
失敗ばかりで、誰かの言うことを聞いていれば楽だったはずの人生が厳しく遠いものに思える。


旅を人生だと言った人がいたように、旅することが人生だとも思う。
どんな未来になっても、その経験は自分の世界を彩ってくれる。


”旅”は自分を変えてくれると思っていた。
色んな経験をすれば世界を見通せると思っていた。
誰にも優しくなれて、誰よりも強くなれると思っていた。


でも、実際はそんなことはない。

旅をどれだけしたところで僕は僕のままで。
世界を見通せる眼を持つこともなければ、誰かを許す優しさもない。
相変わらず自分こそが一番だと言わんばかりの気持ちだけが閉じ込めたはずの心から顔を覗かせていた。


そんなことを考えるようになって、2年経ってわかったのは「正解」なんてないということ。

結局、旅は僕に教えてくれただけだった。
生きる世界の狭さと世界の広さを。
許すことの強さや、認めることの強さを。


僕の旅に正解なんてものは一欠けらもなくて
あるのは僕が傷つけてきた人たちへの後悔だけだった。

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ここからが本題、、

これまでの二年間をサラッと振り返るつもりが、思いが溢れて前置きが非常に長くなってきたけれどようやく本題。



「旅で世界を、もっと素敵に」というビジョンを持つ会社。
株式会社TABIPPOの学生支部、大阪支部の代表として過ごすという決意。


旅は僕に知らないことを教えてくれる。

けれど、旅は世界を変えてはくれない。


あるのは可能性。
旅は"世界を変える可能性を秘めている"という可能性

旅が広まり、旅が世の中の新常識になった時
世界の狭さを感じてきた旅人が自分ごとのように
もっと優しい世界にしたいと願うかもしれない

そう思うようになったのは、旅を終え、失敗を繰り返したこの数年のおかげだった。


安定した職に就き、そこそこ好きな人と結婚して、そこそこ安定した職をもらい、そこそこ良い給料と、そこそこ多い休日を抱えて一生を終えていく。

そう思っていた日常を、旅は、平気な顔して壊していった。このとき、旅は僕の世界を変えてくれた。


旅をキッカケに、世界を狭く、近く感じてくれる人が少しでも増えれば良いと思った。


そして、代表を選んだ。大阪の代表。今年で11期目になる大阪支部の代表。
1年目の時、あれだけ文句を言った立場に、面倒くさいだろうと思っていた立場に、それでも羨ましいと思った立場を、僕は選んだ。


描くのは"最低限の未来"

守りたいと思った仲間たちのこと。
叶えたいと思った仲間たちの未来。

全てを実現するために選んだ代表の道。



旅は、本当にたくさんのことを教えてくれた。

初めて海外の地を踏んだ時、届いてきた音、匂い、聴きなれない言葉。出会った文化が、人が、体験が、言葉が僕に教えてくれたのは何もかもが自由だということ。

そして旅は、どうせ一度きりの人生ならやりたいことをやればいいと教えてくれた。


大学最後の1年間。
僕は"旅"と"仲間"への恩返しにつかうことにする。

「遊んだ方がいい」や「やったことないことをやる」こと。きっと考えれば他のアイデアの方が良かったはずの1年間を僕はあえて、こんなふうに締め括りたいと思う。

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「成果至上主義」という考えに惹かれた時があった。

でも、成果以上に大切なことがあることは旅先で出会ったあの人が教えてくれた。「今あるものを大切にしなさい」と。


「正解と正義のために生きる」正解こそが正義だと。僕の考えこそが正解だと信じて疑わぬ時があった。

それでも、正解以上に大切なことはもっとたくさんあった。「違いを間違いだと考えるな」と教えてくれた人がいた。


それなら、最後の一年をどう過ごすか。

それなら、守れる人でいようと思った。

仲間の選択を守り、存在を守り、未来を守る。
そんなことのためにこの一年を懸けてみたい。

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これから、、、



これから、なんて大それた最後にしてみても、特に良いことが書けるわけではない。

変わらず描くのは等身大で、ちょっと偉そうに書いてみて、話してみて、それでいて相変わらず泥臭くて。


今日、新しいスタートを切った。

これから出会う1人でも多くの仲間たちと、少しでも遠くの世界を見てみたくて、また誰かと歩むことを始める。少しでも、関わってくれた仲間たちの人生の選択肢を増やせるように。その選択が正解になるように。その先に未来が広がるように。

そして、少しでも多くの人に"旅"という選択肢を増やすために。


やり残したことがある。伝え残したことがある。
流し残した涙がある。こぼし損ねた本音がある。

少しでも優しい世界になるように。


僕は今日も旅を届ける。



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天才になりたい時があった。

天才にはなれなかったけれど、無敵の組織になれる仲間が集まった。けれどまだ足りない。


旅を伝えたい。
旅の良さを残したい。
旅の可能性を示したい。


ボクらは、旅ができる時代に生まれた。

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