君島大空「縫層」 光の中を歩く。

君島大空ってシンガーソングライターが、今、ソロのアーティストの中では一番好きで、この前新譜がリリースされた。

仕事の休みの関係で、CD取りに行けるのが今日だったので、ストリーミングでは聴かずに、ワクワクして待ってた。

タワーレコードのPIVOT店で、予約はしてあったから、昼頃に取りに行く。その前に、ノルベサっていう、屋上に観覧車がある建物に寄って、少しピアノを弾いて、気分を高めていざタワレコへ。

店に入ったら、受け取りに行く前に、君島コーナーがあるか探してみた。

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小さめだけど、ポップもあって良い感じ。満足してレジへ。
CD受け取った後、少し本屋の中のカフェでぼーっとしてから家へ帰る。

音楽聴く時は、大抵はiPhoneにイヤホン差して、Amazon Musicで聴くことが多い。CDで聴くってことが、最近は全然ない。ただ、しっかり聴きたい時は、パソコンに取り込んで、スピーカーで聴く。

インポートしてる間、買ってきた昼ご飯を温める。インポート終わったら、まずは適当なアーティスト(今回はアデルだった)の曲で、音量調整して、いよいよ再生ボタンをクリック。1曲目、「旅」から。同時に昼ごはんもスタート。

音楽に引き込まれつつ、2曲目の途中でご飯は食べ終わったので、そこからはずっと目を閉じて聴いてた。楽しくて笑ってしまう部分が多い。

7曲中、知ってる曲が4曲あるけれど、EPを通して聴くと、どの曲も違って聴こえる。「アルバム」って文化が無くなりつつあるけれど、やっぱり、この何曲かが繋がって一つの作品になるって言うのは、良い。

6曲目の縫層、前作「午後の反射光」と同様に、タイトルと同名のトラックがあるけれど、リードトラックって訳じゃない。どんな曲か、聴いた後の今、思い出せないんだけど、ぶっ飛ばされた感覚は残った。一度「終わったかな?」って、別の曲始まったかと思ったら、もう一度サビが来る感じとか。

聴きながら、光の降るどこか遠い所を歩いて行く感覚になった。目を閉じてる間、違う所にいた。

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特典として、ライブ音源2曲入りのCDと、「火傷に雨(独奏)」のダウンロードコードが入っていて、どれも良かった。火傷に雨は、配信ライブでやってたオートチューンで歌うのも良かったけど、色んなアレンジ、どれも良い。

ライブの、バンドサウンドの君島大空も良いけれど、やっぱり、本質は音源にあるって思った。気が遠くなるくらい、沢山の音が重なり合っていて、そこに引き込まれていく感じ。

濃い30分弱だった。個人的に、そこまでモノとしてのCDに思い入れは無いのだけど、「不便さ」こそが、価値になってるって思った。CD取りに行くまで待つまでの時間。お店まで歩いて行って、受け取って、帰って、CDセットして、って色んな工程が、再生ボタンをクリックしてからの30分を引き立たせてる。

この感覚、ライブに近いと思った。コロナでライブが無くなって、ストリーミングが主流の中、敢えて不便な、面倒くさいことをした方が、聴く音楽は響くと思う。何て言うか、「ここまでお膳立てしたんだから、しっかり聴かなきゃ」みたいなモードに、自然になる。

ただ、それをしようと思うのって、本当に好きとか、信頼してるアーティストに限られるし、毎回やってたら慣れてしまうかもしれない。

でも、今回は良かった。光の中にいた。

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