移住のあれこれのお話⑪

さて、私が初めて購入しようとしたのは農地付き物件でした。

物件を2回目に内覧しに行った時に、不動産屋さんから聞いた話でした。
この不動産屋さんが最初言うには、そういう物件でも役所の方に話を通せば購入できるということだったのですが…

実際のところ、事はそれほど簡単な話ではありませんでした。

夫の口座から毎日引き出せるだけの現金(一日にATMで引き出せる現金に制限があるため)を引き出し自分の口座に移し、明日はいよいよ購入代金を振り込む日という段になって、不動産屋さんから連絡が入りました。

「○○市では原則として農地の売買が出来ないそうです」

もうびっくり仰天です。
ここに来てこの話が無くなるのか? そんなぁ… 涙…

「原則として、です。購入の方法はあるようです」

不動産屋さんの言葉が、一瞬他の物件を探さなければならないのか、との思いが過った私を引き戻しました。

方法とは、簡単に言うと、空き家バンクに登録して農地購入の手続きを踏むことだと教わりました。
それができるなら突き進むしかないですよね。

「わかりました。それでお願いします」
「ただ、手続きに時間が掛かり、予定より2か月遅れそうですが…」
つまり働く予定だったアルバイト先に顔出しできないということになります。
アルバイト先に待ってもらうのは仕方ないか…と思いました。
ここは私の甘えですね、きっと。
だけど、待ってくれるだろうという甘えた思いがなかったら、私はお家を購入して家を出るなどということはできなかったでしょう。
このアルバイト先は後にクビになりましたが、そういう意味で本当に良かったな、有り難いなと思っています。

そして2022年の9月から「アルバイト行く」と夫に言っていた私。
若干の『いつ出ていくのかな。9月から働くって言ってなかったっけ』というちょっと痛い夫の視線をかわしながら生活しておりました。
購入に関する話などは一切しませんでした。
本格的に移り住むタイミングで預かっている通帳印鑑を渡せばいいやと考え、実際そうしました。

だって話通じないんだもん 


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