クチャラーを割と真面目に研究してみた話 中編
前編では、人が誰かや何かに不快感を覚えるシャドウという概念とクチャラーとの関連性を述べました。そしてクチャラーを不快に思うのは、シャドウによるものだけでないかもしれないというお話でした。
その説明をする前に、中編ではまずなぜ音が鳴るのかについて検証をしてみました。
なぜクチャクチャと音が鳴るのか?
まずはネットで音が鳴る理由を調べてみたのですが、そもそも真面目に考察している人はほとんどいませんでした。当たり前ですね(笑)。
それでもなんとか、音が鳴る原因に言及したものを見つけました。かいつまんで書くと、「口を開けて食べているから不快な音が鳴るので、口を閉じて食べなさい。」とあったんですね。
確かにクチャラーの人って口を開けて食べていたような気がしますし、説得力があるなぁと。で、実際に口を開けて食べたら音が鳴るのかやってみたんです。もちろん、家で一人でご飯を食べて誰も周りにいないときにです(笑)。
そうしたらどうなったか。特にそんなに音がしなかったんですよね。正確には口を閉じて食べるよりは少しは音がしますが、不快感を伴うあのピチャピチャ・クチャクチャした音ではありませんでした。
つまり、口を開けて食べることと音が鳴ることには特に相関性がないなという結論になったわけです。
じゃあ、なぜ上の人は「口を開けて食べると~」ということを言ったのかというと、嘘をついたのではなく、あくまでクチャラーと非クチャラーとの差を遠くから観察しただけで、実際に口を開けて食べて試したわけではないからなんだと思います。(まぁ実際に検証しようなんて私みたいな暇人だけでしょう・・・)
じゃあ本当の原因は?
ではなぜ音が鳴るのかな?とさらに考えていた時にあることをフッと思い出しました。少し話が飛ぶと感じられるかもしれませんが、お付き合いください。
私は自分の経験から発達障害の解消や生きづらさの解消について記事を書いていることは前編で言いましたが、発達障害を研究するなかで原始反射という概念を知りました。
原始反射というのは赤ちゃんに特有の反射の総称で、赤ちゃんの生存に必須な動きを司ります。赤ちゃんは自分で物を考えて自発的に動くことが出来ないので、予め脳にプログラミングされた本能的な動きとでも言えるでしょう。
この原始反射の一つに「吸啜反射(きゅうてつはんしゃ)」というのがあって、これは赤ちゃんが口に触れたものに無意識のうちに吸い付いてしまう反応です。
この反射があるからこそ、赤ちゃんは誰からも教わることなくお母さんのおっぱいを吸って、生存のために栄養を取ることが可能になるわけです。
基本的に吸啜反射を始めとした原始反射は大人になるにつれてその働きは統合されて外に現れなくなります。しかし、一部の人は大人になってもこれらの原始反射が上手く統合出来ない人たちが存在します。
このことを私は知っていたので、クチャラーについて次のような仮説を立てました。
「クチャラーと呼ばれる人は大人になっても吸啜反射が残存していて、
咀嚼するときにおっぱいを吸う口の動きが含まれているのではないか」と。
仮説を検証してみた
仮説を検証するために、自分が当時どうやっておっぱいを吸っていたかなんて全く覚えていないので、まずおっぱいの吸い方を調べてみました(ここだけ読むと18禁の話に聞こえますね)。
調べる前はストローで飲み物を吸うような感じかなと思っていたのですが、実際は結構複雑な動きで、おっぱいをくわえた後、母乳を吸うために舌を口の手前から奥の方へ搾り取るように動かすようです。(参照)
この動きを練習した後、そこに咀嚼の動きを加えてご飯を食べてみたのです(もちろん一人で)。するとどうなったか・・・・
「クチャッ、ニチョッ、ピチョッ・・・」
あの名前を言ってはいけない例の音が私の口からほとばしり、晴れてクチャラーデビューを果たしたわけでございます。
つまりあのクチャクチャ音は、咀嚼によって生じるのではなく、吸啜反射の残存による舌や口の激しい動きと咀嚼のコンビネーションで、口の中に空気と唾液を巻き込んでしまって生まれる音なのではないかということです。
またクチャラーさんが食べるときに口が開いてしまうというのも吸啜反射の残存である程度説明がつきます。
なぜなら、そもそもおっぱいを咥えるのに口を少し開けないといけませんし、また人間は何かを吸うときには無意識のうちに唇を軽く尖らせます。
その後咀嚼するために歯を上に持ち上げる必要がありますが、唇を尖らせた状態では唇を開かず歯を大きく持ち上げることが困難です(唇を尖らせなければ口を閉じたまま歯を上下できるのですが・・・)。その結果として口が開いてしまうのです。
次回予告
というわけで、クチャクチャ音の正体は吸啜反射の残存による口の動きで生じる空気と唾液を巻き込んだ音という結論でした。
前編ではクチャラーにイラつくのはシャドウ以外にも要因があるかもという話でしたが、後編は今回の結論をもとにいよいよシャドウ以外の要因について切り込んでいきます。どうぞお楽しみに。
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