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眼鏡

父がメガネ壊れたと言うので新しいやつを買いに行った。私、だいぶ視力落ちたといえど健康診断では1.0は未だにあるし、調子がよいと1.5を獲得するので自分でやらない分、メガネ選びは楽しい。で、メガネっていつ頃からあるのか気になって調べてみた。

メガネの主要要素であるレンズだが、これは紀元前から存在しているらしい。エジプト第4王朝第5王朝というから紀元前2500年頃だ。すごいよね、キリストから見たらiphoneの方が身近だぜ。もっともレンズ自体を作り出す事は無理っぽいので天然の水晶などを利用していたようだ。当時の使用用途は火おこし。

アッシリアの水晶レンズ/本当にレンズかどうかは判断が分かれている模様

現存する最古のレンズは紀元前7世紀頃のものでこの時も火おこし。その後、かの有名なローマ皇帝ネロがエメラルドのレンズを使って剣闘士の試合を見ていたと文献に残っているので、これは望遠鏡的なものなのかな?エメラルドのレンズで見た世界はさぞ美しかろう。徐々にメガネに近づいていく。

おそらく9世紀にアラビアで適度にレンズをカットするとめっちゃ見やすくなるって発見されて、11世紀になると十字軍の影響で東西交流がさかんになり本が翻訳され目が悪くなる人多数発生、視力を助けるレンズの需要が高まる。で、13世紀頃にはヴェネチアでメガネが作られていた。ヴェネチアン・グラスって有名だけど、透明度の高いガラスを作る技術力がメガネの作成を可能にした模様。

ヴェネチアングラス/製法の流出を防ぐため職人はムラーノ島に強制移住

1305年に記された修道士の手記に「視力を回復させる眼鏡をつくる技術は、この世で最も役にたつ技術だが、この技術が発明されてからまだ20年もたっていない…」とあるらしい。

メガネの爆発的な広がりに貢献したのはなんとグーテンベルクの活版印刷。本の大量生産を可能にしたこの技術。後にくるルターの宗教革命の広がりもこいつのおかげだし、社会に与えた影響めちゃくちゃでかいな。結局のところ本を読めば目が悪くなる。

グーテンベルクの活版印刷/すげぇなこの人

で、本と言えばなんだけど、私なんかは小さい頃から「本を読みなさい」と親から言われてた世代なんですけど、太宰治の斜陽だったかに「弟は最近文学なんぞにはまって本ばっか読んでて不良になっちまった」みたいな台詞があったのさ。本を読んでるから不良!不良の定義も時代とともに変わるんだね。

最後に、ネパールあたりでよく食べられているレンズ豆。この豆は人類が利用してきたマメの中で最古の部類に入るものらしいのだが、見た目が凸レンズまんま。レンズみたいな見た目だからレンズ豆、と思いきやレンズ豆に似てるからレンズらしい。レンズ豆も偉大だった。

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